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 販売即売会、じゃなかった、織り物の工場の見学を終えて、次の場所に向かう。

 次は海の粉の工場らしい。



「海の粉?ですか?」



 事前の学習でも特産物としては出てこなかった。

 でも、これから案内されるってことは、シーマームにとっては重要だということだ。



「はい。皆さまには加工した後のものが知られてますね。これはシャンプーの元にもなるんですよ。」



 材料の一部ですが、と続くデランさんの言葉に驚きの声があがる。

 シャンプーって、異世界のシャンプー?



 シャンプーという名前だけど、身体用の万能液体洗剤だ。

 メルバさん開発商品で、元ネタあーにいちゃんな商品のひとつ。



 元のシャンプーなんて足元にも及ばないほど使える代物だ。

 顔も身体も髪も洗えて、しかも、髪にしばらくつけて置いたら艶がますというトリートメント効果もあり。



 最初は異世界ならではの便利グッズなんだって思ってたけど、実際は違った。

 開発したメルバさんがとんでもないのであって、石鹸とかは地球と似たようなものが普通に売っていた。



 異世界シャンプーは高価だけど、髪や毛のある種族や一族のために開発されたらしく、強い日差しでも毛先が傷まず、清潔に保てるので人気がある。

 最近は鱗にもいいとかいうので、シーリード族にも人気が出始めてるとか。



 その材料のひとつだなんて、そんなすごい現場に行ってもいいんだろうか。

 海の粉かあ。いったいどんなものなんだろう。



「こちらです。粉が舞っていますので、呼吸には気を付けて下さい。」



 う。くしゃみ出そうでやだな。気をつけよう。

 中に入ると、キラキラしたものがちらりと見える。



 これが粉かな。綺麗だなあ。

 奥に行くほど、目に見えるキラキラの割合が増えて来て、粉の乾燥場まで連れて来てもらった時にはどこもかしこもキラキラ光って見えた。



「これ、真珠の粉?…海の輝石ですか?」



 ドレスに着いた粉を見ると、真珠の輝きに似ている気がした。

 思わずつぶやいた言葉に周りが静かになる。



「…まさか、先にあてられるとは。さすがですな。そうです。海の輝石を粉にしております。」



 しまった。デランさんが説明して下さってたのに。

 すみませんと魔素で謝意を示せば、柔らかい魔素が返ってくる。



 大丈夫だったみたい。良かった。

 でも、真珠がシャンプーになるなんて思ってもみなかった。



 宝石の類になると思ってたんだけど、違うのかな。

 真珠パウダーなら髪や美容には良さそうな気はするけど。

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