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耳をカプリと甘噛みされる。
うう。ビクってなるから苦手なのに。
クルビスさんは私の耳が好きみたいなんだよね。
一度聞いてみたけど、柔らかくて甘いとか、よくわからないことを言ってた。
私の耳は甘くないと思うんだけど…。
柔らかいのが好きなのはわかるけどね。
私の腕とかもよく触ってるし。
自分の手と全然違うって言ってたなあ。ベッドの中だからうろ覚えだけど。
「ハルカは素直だよな。反応も魔素もわかり易い。」
クスクスと耳元で楽しそうにクルビスさんが言う。
ううう。色気全開でたらしこんでくるくせに、何言ってんのお。
腰に来る声と甘い魔素で囁かれたら、身体に力なんて入らないに決まってるでしょう!?
くそお。やらっれっ放しなのが悔しい。
でもでも、それで皮膚が薄めだって言ってた喉の辺りにキスしたら、後で大変な目にあったし。
まだ、魚人の里にいるんだから、次の日に足腰絶たない事態だけはさけなきゃ。
「無理はしない。約束する。」
あ。また共鳴してる。
もう、すぐ共鳴しようとするんだから。
身体に力が入らなくなった私は、クルビスさんにお姫様だっこされながら文句を魔素に乗せる。
クルビスさんは楽しそうに目を細めるだけ。
「勝手になるんだ。しょうがないだろう?」
なり易いっていうのはわかりますけど、勝手にはほとんどならないってイシュリナさんやメラさんから聞いてますよ?
納得してない私に、クルビスさんはますます楽しそうに笑う。
まあいいじゃないかって、考えてるのが私にも丸わかりだし。
普段はクールな隊長さんなのになあ。可愛いけど。
ん?何故か感謝されてる?
クルビスさんを可愛いって思ったから?そんなばかな。
「共鳴してると隠せないな。」
隠す気もないが。とまた楽しそうに笑うクルビスさん。
笑いながら教えてくれたけど、どうやら、今回の魚人の里への訪問はかなり成功してるらしい。
それが、何故か私のおかげだと言われたんだけど…。
何やったっけ?私。
あれかな?白身の魚を食べたからかな?
他のひと達は抵抗感がすごかったみたいだしなあ。
ドレスにも白を使ってるし。
シーマームのひと達にしてみたら、白に抵抗の無い私は違う風に見えたのかも。
「ハルカはずっと楽しそうだったから。おかげで見せてもらえない場所まで見せてもらえた。」
ベッドにおろされながら、思ったのと違う答えをもらう。
確かに楽しかったけど、見せてもらえない場所って…。
って、あん。ちょ、話はまだ。
もっと詳しく聞こうと思ったのに、クルビスさんは終わりだと言うように息も出来ないキスを仕掛けてきた。