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挨拶の後は、水菓子をわたす。
50個と大量になったけど、とても喜ばれた。
砂糖を使った餡子のことはシーマームには知れ渡ってるらしく、水菓子のことも噂のまとだったのだとか。
それに、アルディアさんを料理教室に招いたことも皆さんご存知で、大げさに感謝されて困ってしまった。
「こちらこそ、レシピの普及にご協力いただいて感謝しています。アルディアさんは、すでに水菓子の作り方をご自分のものにされていて、この前も伴侶のルーシーさんのために見事な水菓子を作っていらっしゃいました。」
「おお。アルディアが。ルーシー殿にはお会いになられましたかな?」
流れてくるのは、心配そうな不安そうな魔素。
ルーシーさんの様子が気になってるのかな。
「ええ。お元気そうで、母子共に健康だそうです。」
「そうですか。それは良かった。」
ホッとしたような様子に、こちらもホッとする。
シーマームも全体的に子供が少ないし、離れた陸地で出産があるとなると心配なんだろうな。
それから食事に移ることになって、渡した水菓子は館にいる全員に振る舞うようにと指示が出されていた。
どうやら、数は足りそうで、館の者だけでは余るからと、この場にいるシーリード族やフォーレンガの隊士さんにも提供されることになった。
水菓子を食べたことのない隊士さんのほうが多いからか、話題のお菓子に皆さん嬉しそうにシーマームの方達とも話している。
私はと言えば、運ばれてくる海の幸に釘付けだったけど、これも後々教えてもらったところによると、交流の役に立ってたみたいだ。
シーマームの料理といえば、新鮮な魚介類をふんだんに使ったものが有名。
目の前にも新鮮な魚介類がたくさん並んでいる。
その中でも、楽しみにしてた新鮮な魚介類といえば、お刺身!
大丈夫だと言われてる魚なら、生でも魔素の拒絶もないのがわかってるし、交流しつつも、しっかり味わわせてもらおう。
まあ、言わずもがなで、色は目に痛いくらい蛍光がかったものばかりだけどね。
それでもよく見ると、中には白身のお魚も混じってるようで、そちらも食べられるなら是非いただきたいな。
後は、小さなツボや醤油差しみたいな調味料の入ったものがお皿にセットで乗ってあちこちに置いてあるのが目につくけど、これってたしかどれを使っても良いんだよね。
たしか、イシュリナさんは、野菜や海藻を使った料理以外は、つけなくても美味しかったと言っていたから、最初はそのまま食べてみようかな。