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「実は、武闘大会が近い時に各地の実力者や隊長格がいなくなるのは良くないんです。腕自慢が各地から集まりますから、街でのもめ事も増えますので。」



 お昼の時のクルビスさんとシードさんのやり取りが気になって、午後から挨拶とマナーの確認の時にアニスさんに質問したらこんな答えが返ってきた。

 クルビスさんが言ってたこの時期っていうのは、そういうことかあ。そういう時に隊長さんがいなくなるのは困るだろうなあ。



「北から幾つかいくのは皆わかっていますし、住民も気をつけていますが、問題なのは他の地区ですね。隊長格や巡回の班長クラスでも、1つ2つなら数日くらい不在でも誤魔化せますが、それでも、いないとハッキリわかると警備上の問題が起こりかねません。



 ですので、同行者のことはぎりぎりまでこちらにも知らされませんし、公表もされません。ああ。そうです。ハルカ様は隊士ではありませんが、もし知っても、公にされてる北の同行者以外は口外禁止になっていますので、気を付けて下さいね。」



 アニスさんの説明に、リリィさんが補足してくれる。

 成る程。警備の責任者がそろってないっていうのは、確かに言えないや。



 リリィさんに神妙に頷いて、迂闊にしゃべらないようにしようと心に誓う。

 今は準備のために職場も休ませてもらってるから、いろいろ聞いてくるひともいないだろうけど、それでも、いつうっかりもらしてしまうかわからない。



 同行者は北地区のひと以外は知らないふりしておこう。

 何か聞かれたら、クルビスさんのことを答えておけばいいかな。うん。そうしよう。新婚だし。



「わかりました。もし聞かれることがあったら、クルビスさんのことだけ答えておきます。」



「ふふ。新婚ですし、その方がよろしいでしょうね。」



「名案です!まだ蜜月だと周りにわかってもらえますし。」



 私の返事にリリィさんもアニスさんも名案だと頷いてくれる。

 そうだ。まだ蜜月だって知らないひとも多いんだよね。



 クルビスさんが私から離れて仕事してるから、ドラゴンの蜜月を基準にして考えてるひと達には蜜月は終わったように見えてるみたいだし。

 下手に他の男性と接触してクルビスさんを怒らせるくらいなら、新婚っぷりを見せつけた方がいいかもなあ。



 新婚らしい振る舞いかあ。でも、1日中抱っこはちょっと…。

 よし、手を繋いで、時々見つめてにっこり微笑もう。



 これなら、クルビスさん大好きってアピールにもなるし、他の方に挨拶したり、お話ししても大丈夫なんじゃないかな?

 本当はクルビスさんに確認した方がいいんだけど、当日までゆっくり話すのは無理そうだから…。いいや。ぶっつけ本番で驚かせちゃえ。

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