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トカゲと散歩、お仕事しましょ  作者: *ファタル*
ドラゴンの料理人
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「んんっ。美味しいわあ。私も作ってみたのだけど、こんなに口当たりが良くならないのよねえ。何かコツがあるのかしら?」



 イシュリナさんと一足早いお茶は、水ようかんの絶賛から始まった。

 お茶の支度は結局断られてしまったけど、水ようかんを並べるのはやらせてもらえたから、まあ、いいかな。



 水ようかんのコツかあ。

 寒天替わりのゼリーの分量かなあ。



 最初に水と一緒に煮て、液体状に溶かしておくんだけど、そうすると入れる量や濃度がわかりにくくなるから、それで食感が変わるというのはあると思う。

 後は単に水の量が少なかったとか。



「そうですね。ゼリーを溶かす時に水を多めにすることと、先に鍋で沸騰させてゼリーを溶かしきってしまうと、滑らかな食感になりやすいです。」



「まあ、それでは味が薄くならないかしら?」



 それは北の調理師さん達にも言われたなあ。

 水の魔素って淡いからか、スープでもない限り、量を入れるのは嫌がられるんだよね。



 ルドさんに手伝ってもらった最初の時だって、滑らかにしたいといったら、ゼリーをかなり多めに溶かそうとして慌てて止めたんだよね。

 ルドさんでも、水を多く入れることに抵抗を持ってたみたいだから、水の量が少なかったのかもしれない。



 この魔素を基準にした調理法もちょっと考えないといけないよね。

 栄養価の高さがひと目でわかって便利だとは思うけど。



「水は餡子より少し多いくらいにすれば薄くなりすぎませんよ。ゼリーを薄めた方が固くなり過ぎなくて、食感が均一になるのでおすすめです。」



「薄めた方が美味しくなるのねえ。今度やってみるわ。ありがとう。」



 私の答えに目を丸くするイシュリナさん。

 もしかしたら、料理教室の他の参加者さんも同じことで悩んでるかも。



 スイートポテトのお披露目をやったら、同じメンバーにもう一度集まってもらおうと考えてるし、その時に聞いてみようかな。

 私がケガをしたと聞いて、ウジャータさまや赤の一族の長のアースさんからお見舞いをもらって、その時のクルビスさんとの会話でスイートポテトのレシピの公開の前にお披露目をやる約束を思い出したんだよね。



 いろんなことがあり過ぎてすっかり忘れてたから、クルビスさんに「次のレシピ公開について早く知らせて欲しいだろうに、まったく書かれてないな。さすがだ。」って言われなかったら思い出せなかった。絶対。



 記憶力のいい旦那様で助かります。

 式の時の日記みたいな記録ノートを見ると、ちゃんと書いてあったんだけどね。



 また読み返しておかないといけないだろうなあ。

 私の立場とレシピの影響力で「忘れてました。」なんて言えないもんね。



 今日帰ったら何をしないといけないか、早速書き出してみよう。

 私が動かなきゃ、周りも動けないんだし。

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