表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
274/397

「さ、後はキィ君に任せて、僕たちは戻ろう。治療の続きをしないとね。」



 話が一区切りついたところで、メルバさんが声をかける。

 忘れてたのに、傷がまたズキズキし始める。



 手術しないといけないんだっけ。

 切開とかするのかなあ。うう。麻酔してもらえるよね?



「ハルカ。少し我慢してくれ。」



 クルビスさんがそうっと抱き上げてくれる。

 平気といえば平気だけど、やっぱり動くと痛みが走る。



 あ。カイザーさんに先に出ること言っておかなきゃ。

 話が出来る余裕があるなら、上司や同僚に一言あった方がいいよね。



「カイザーさん。キャサリンさん、デリアさん、お先に失礼しますね。」



「無理なさいませんように。ケガを直すのを最優先にして下さいね。」



「安静にして下さいぃ。」



「お大事に。」



 カイザーさんから釘をさされつつ、キャサリンさんとデリアさんが心配そうに見送ってくれる。

 シェリスさんとルイさんにも挨拶して、私たちは北の守備隊本部に戻ることになった。



「お待ちしてました。こちらへ。」



 近くの詰め所から転移すると、待ち構えてたリリィさん達女性隊士に誘導されて、診察室の奥にの部屋に移動する。

 昨日食事した場所が今日はたくさんの薬品や布が集まった治療室に変わっていた。



 これが本来の使い方なんだろうけど、いつもフェラリーデさんとお茶してたから、どうにも食べる場所ってイメージの方が強いんだよね。

 私が部屋の変わりように驚いていると、いつの間にかクッションをたくさん置いたベッドにもたせ掛けられ、傷を負った足は綺麗な布の上に置かれた。



 クルビスさんは私をベッドに静かに置くと、ベッドの横に座って手を握って離れようとしない。

 蜜月に伴侶がケガを負ったなんて、耐えられないんじゃないだろうか。ありがとう。大丈夫ですよ。



 うわあ、傷見たらまた血が滲んでる。

 魔素が見えるようになったからわかるけど、傷口からどんどん魔素が漏れていってるし。



 魔素がどんどん…あれ、クルビスさんからも漏れてる。

 もしかして、さっきからクルビスさんが手の平を合わせるように握ってるのって、魔素の補給とか?



 やっぱりそうだ。

 ちょっとずつだけど、身体に入って来てる。



 でも、外に漏れてる魔素の方が断然多い。

 異世界に初めて来た時もしてもらったけど、これってちゃんと見ると効率悪いんだなあ。



 あの時はポム茶を飲むまでずっと離さなかったけど、今も同じくらいヤバい状況ってこと?

 前の時と違って、言葉も通じてるし、結構元気なんだけど。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=721049258&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ