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 そこからは結構な騒ぎになった。

 次代のトカゲの家長の伴侶が襲われたんだから当然と言えばそうだけど。



 何より、私が倒れたのを見てキレたクルビスさんの魔素が半端なかったらしく、倒れたひとは出なかったものの、何だこれはと大騒ぎになった。

 近くの守備隊に通報が入って、数分でメルバさんがやってくる。



「昨日泊まらせてもらって正解だったよ~。うわあ。痛かったでしょ~?」



 私の足を見て、自分の方が痛そうな顔をしてるメルバさん。

 忙しいと聞いていたのに、昨日は泊まっていったってことは、もしかしたらルシェリードさんから何か聞いていたのかもしれない。



 治療のために足の血を流して、あらためて傷口を見る。

 痛みでわからなかったけど、足首に何か当ったていたようだ。



 自分の傷口なんて見たくないけど、血を見て倒れるタチでもないし、どうなったのか知っておきたかったからクルビスさんに身体を支えてもらいながら見る。

 思ったより傷は深かったようで、赤くてピンク色の中に足首の骨かな?白いものが見えていた。



 うわあ。痛そう。自分で見てもそう思う。

 でも、これ程の傷なら気絶するくらい痛くてもいいと思うんだけどなあ?



「何だか平気そうだね?痛くないの?」



 傷口の様子を見ていたお医者さんモードのメルバさんが不思議そうに聞く。

 何でだろう。一応じくじくと傷みはあるんだけど、最初の激痛ほどじゃないんだよね。



「痛いのは痛いんですけど、なんというか、麻痺してるような感じで、痛みが少ないんです。」



 自分で言葉にしてみたらすっきりした。

 そうだ。麻痺してるみたいな感じだ。



「最初はすごく痛かったんですけど…。」



「麻痺か。何でだろうね?あ、これかな?ちょっと傷口触るよ。」



 声をかけられると、メルバさんが傷口に指を入れる。

 う。やっぱりおかしい。もっと痛むはずなのに、ズキズキはするけど、我慢できるレベルだ。



「骨にビスの実が食い込んでる。これのおかげで麻痺してるんだね。とすると、ここでこれ以上の治療は無理かな。北の本部に戻ろうか。」



 いつもあっという間に直してしまうメルバさんから、珍しい言葉が出た。

 ていうか、骨に食い込んでるって言った?それがケガの原因?



 じゃあ、異物が入ってるとなると、この場では治療は無理だよね。

 中のものを取り除くなら手術が必要だ。



 うわあ。こっちきてから初めての大きなケガだ。

 何だかケガを意識したらくらくらしてきた。

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