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明日のことを想像してげんなりしてると、当のカイザーさんが帰ってきた。
疲れた様子だけど、すっきりした顔をしている。説明は上手くいったみたいだ。
「ただいま戻りました。ああ。もう終業時間ですね。遅くなってすみません。シメ作業始めましょうか。」
「お帰りなさい。カイザーさん。お疲れ様です。じゃあ、私、掃き掃除始めますね。今日はお客様が多かったので。」
「お帰りなさい。カイザーさん。積みあがってるのは仕分け前のものもあります。夕方もお客様が途切れなくて、この量に。」
「お帰りなさぁい。カイザーさん。すっごい数のお客さんでぇ、捌ききれませんでしたぁ。もう、私知らないって言ってるのにぃ、皆しつこかったんですよぉ。だから、転移ばっかりしてましたぁ。」
帰ってきたカイザーさんにを出迎えつつ、今日の報告をする。
私とデリアさんは報告だったけど、キャサリンさんのは愚痴も入ってるかな。
まあ、キャサリンさん相手だと、情報持ってるだろうって絡むお客さんが多かったから、ほとんど転移陣の方をお願いしてたもんね。
何度も転移させてたから、きっととても疲れてるだろう。
「それはお疲れ様でした。ご近所の皆さんには明日ご説明しようと思います。今日は片付けは程ほどにして、皆で食事に行きませんか?今日は守備隊で大盤振る舞いだそうで、お誘い頂いてるんです。」
守備隊で、大盤振る舞い?
そんなのあったっけ?朝は何も聞かなかったけど。
「ちょうど私が行った時に、他の地区からたくさん果物が送られてきたそうで。今日は果物尽くしにするとのことです。食べきれないから、どうか来てほしいと言われました。クルビス隊長の許可も頂いてますし、お金もいらないそうなので、いかがでしょう?」
ああ。前にもあった魚づくしと同じ理由かあ。
クルビスさんがOKしてるなら、私に異論はない。
「いいですね。行きましょう。」
「私も行きますぅ!もう、今日は家の手伝いする気力なんて残ってませぇん。」
「私も行きます。北の守備隊のご飯って美味しいんですよね?楽しみです。」
皆行く気まんまんだ。
よし。美味しいもの食べて、今日の疲労を労わろう。
それに、まだついて来てるかもしれない誰かさんも、守備隊までは入り込めないだろうしね。
話合いの結果を聞くにも、移動した方が良さそうだ。
となると、さっさと片付けて、閉めちゃおう。
果物尽くしかあ。どんな料理が出てくるんだろう。