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トカゲと散歩、お仕事しましょ  作者: *ファタル*
転移局のお仕事ー報告は大事
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「さっきのぉ。何やったんですかぁ?」



「外から覗いてたひとと関係あります?」



 私の行動に興味深々に小声で聞いてくるキャサリンさんとデリアさん。

 カイザーさんがまた出て行って、今はお客さんもいないから、皆、私の所に集まってきちゃった。



「あ。やっぱり覗いてました?昨日の騒ぎがかなり広まってたみたいなんで、様子を見に来るひとがいるだろうなあって思ってたんです。そして、守備隊に行ったカイザーさんを見たらつけるだろうなって。それでこんな風に。」



 荷物と一緒に手直なメモをキャサリンさんに渡す。

 それでふたりともわかったみたいだ。



「なるほどぉ。もう、いませんよねぇ?足音もばたばたしてませんしぃ。」



「カイザーさんについて行ったみたいですよ。あんなに足音粗くちゃ、慌ててついて行ったって丸わかりですよね。」



 そうなんだ。ぜんぜんわからなかった。

 ふたりとも当たり前みたいに話してるけど、こういう時に種族の違いを感じるなあ。



 きっとカイザーさんも気づいてたんだろうな。

 だから、私の意図もわかってくれたんだろう。



「でもぉ、すごいですねぇ。こんなの私思い付きませんでしたぁ。」



「同じように持ってきてもらったんで、思い付いたんです。」



 あのスタグノ族の彼だって、最初からメモを乗せてはいなかっただろう。

 よくよく思い出すと、横から見えないように荷物に手を置いてたから、きっと手の中に隠して持って来たんだと思う。



 きっと、見張られてると予想しての行動だと思うけど、昨日のルイさんのウワサの広まりぶりを聞いて私もそれくらいはあるだろうと予想していたから、カイザーさんにも同じように対応できた。

 これも日本のゲームやテレビの、いや、実家のおかげかな。



 お父さんもあー兄ちゃんもサスペンス系やら推理系の要素のあるゲームとかが好きで、推理に詰まると家族を巻き込むもんだから、暗号や秘密のメモとかにはなじみがある。



 お母さんはお母さんでテレビの2時間サスペンス大好きだったし、妹は権謀策略の渦巻く歴史物やライトノベルが大好きだったから、よくストーリーや感想を聞いていた。

 私自身、10代の頃から、おじいさんが有名な探偵さんである高校生や中身が高校生な探偵さんの推理漫画が流行った世代だからね。



 普通の人よりはこういうことに頭が回るだろう。

 まあ、それがポロっと口から出ちゃうこともあるから、良いことばっかりじゃないけど、今回は良い方に働いてくれたかな。



「それでもすごいですよぉ。私なら、普通に渡してましたぁ。」



「ええ。さすがですね。」



 キャサリンさんもデリアさんもキラキラした目で見てくる。

 う。何だか変な誤解与えちゃったかも。

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