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トカゲと散歩、お仕事しましょ  作者: *ファタル*
転移局のお仕事ー相談事
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13

 本日の魚定食はトムヤムクンみたいなスパイシーなスープと魚のフライ、それにマリネのような酢づけもついてきた。

 もちろん果物もボールに一杯ある。



 酢づけといっても、さわやかな香りがするから何かの果汁かもしれないなあ。

 まあ、それはともかく。



「美味しそう。頂きます。」



「頂きます。」



 いつもみたいに膝に乗せられて食事を始める。乗せられるだけで、自分で食べられるようになったけどね。

 もう普通になってしまった光景に、私も違和感を覚えなくなり、周りもスルーするようになった。



 絶対慣れたりしないって思ってたのに、自分も変わったなあと思いながらスープをすくってひと口。

 途端、いろんな味が口の中で弾けて、身体が熱くなるのを感じる。



 魚のスープっていっても、魚の味がわからないんですけど。

 でも、濃厚なスープだっていうのはわかる。美味しい。



 これくらいの辛さなら、食べられるかな。

 クルビスさんは辛いのは平気なのか、もくもくと食べている。



 でも、目は細めてるから、美味しいんだろうな。

 最初はさっさか口に放りこむだけって感じだったけど、変わったよねえ。



「ん?ハルカ、何か食べたいのか?」



 いえいえ。おかまいなく。

 ちょっと見てただけですって。ホント、魚のフライとか口に持ってこなくていいから。



 あ~。しまったなあ。しょうがない。

 パク。もぐもぐもぐ。あ、美味しい。



 ちょっとクセのある独特のハーブがまぶしてあって、それが魚の臭みを消してる感じだ。

 パクチーに似てるかも。この香りは苦手なひともいるだろうなあ。



 あ。また魚が口元に。

 クルビスさん、自分の食事もして下さいって…。ん?



「クルビスさん、これ苦手ですか?」



 小声でそっと聞いてみる。

 答えは沈黙。



 図星かな。

 ん~。まあ、いいか。



 香りがきついからか、元の魚の数が少ないからか、フライは2つづつしか入っていない。

 これくらいなら、食べられるだろう。



 好き嫌いは良くないと思うけど、これはクセがあるからねえ。

 パク。もぐもぐもぐ。パク。もぐもぐもぐ。うん。美味しい。



「はい。あ~ん。」



 お返しに果物を差し出すと、そっちはすぐに口にする。

 うん。やっぱり嫌いなんですね。



 覚えとこう。クルビスさんはパクチーは嫌い、と。

 和食になれてるからかもなあ。気をつけよう。



「いいなあ。俺も嫁さんに会いたい…。」



 あらら。いつの間にか、キィさんがしょげちゃった。

 忙しくて、外に家を持つ隊士さん達もここの所泊まり込みだったもんね。

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