2
すみません。夏風邪引いたようで、発熱とものスゴくだるいのが治らないので、次話の投稿を7日の昼14時にさせてください。
転移で中央地区の中心施設「大貝」の入口前に到着する。
前にルシェリードさん家にお邪魔した時にも、ここの転移陣を使ったから、ここが一番近いんだろう。
「さて、ここから大階段を下りるのだが、ハルカさんはいけそうかな?」
メラさんに連れられて、大貝の正面玄関の大階段の上に立つ。
大貝は名前の通り巨大な2枚貝が軽く口を開いた姿で、その形のため、施設の入り口は地上から結構離れている。
街ができ始めた当初は排水施設が出来ていなかったために雨季には街は水没していたらしい。
その雨季の洪水を乗り切るために、ぴったりと殻を閉じられる貝の形の建物にして、入口は地上から離すことにしたらしい。
色は桜貝みたいな綺麗なピンクだけど、これだけ大きいと言われないと貝の形だってわからないかも。
それだけ大きな施設だから、大階段もかなり大きい。
ゆえに、この大階段、結構な高さがある。段数は推して知るべし。
お寺でも滅多にみかけない段数の多さに顔を引きつらせていると、クスリと笑う声が聞こえた。
「無理そうだな。ほら、おいで?」
仕方ないなという風に両手を広げるメラさん。
ぐふっ。お、お姑さんにドキドキする日が来るなんて。
いや、だって、エルフだから美形だし、それに加えてメラさんの容姿って宝塚の男役みたいにカッコイイし。
それに、親子だけあって、笑顔とかさりげない仕草がクルビスさんに良く似てるんだもん。
ドキドキするなって言う方が無理だよね?
だから、ちょっと後ずさりしてもしょうがないと思う。
「ん?どうした。」
ひああ。美形がクルビスさんに似た笑顔で微笑んでるうう。
トカゲのお顔のクルビスさんとはまた違った破壊力がっ。
こっちは免疫無いんですけど。
ううう。でも、親切で申し出て下さってるんだし、自力じゃ軽く200段はあろうかという階段を下りるだけでバテるのが目に見えてるし。
「お、お願いします。」
色々葛藤はあったものの、自分の体力と目の前の大階段に負けた。
メラさんは私をお姫様抱っこして、颯爽と階段を下りていく。
長い階段なのに、バランスが崩れることもなく下に到着。
クルビスさんと前に来た時は駆け降りたからあっという間だったけど、今回は周りを見る余裕があった。
一番目立つのは、正面に見える街に時間を知らせる時計台。
2階建て分くらいの高さはあるかな?
丸いデザインの多いルシェモモで、何故か四角い支柱を持っていて、てっぺんの時計の上には屋根が点けられていた。
それが瓦屋根っぽい三角の形なもんだから、見た時吹き出しそうになった。
これ、メルバさんの設計だよね?
あー兄ちゃんのネタ帳から引っ張ってきたの?
エルフが作ったにしては、和風過ぎる。
もしかして、最初の案では木製だったりして。