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そのまま、丸っとクルビスさんに洗われ、ええ、「クルビスさんに」洗われました。
大事なことだから2度言った。
だって、そのせいで、朝から私のダメージは計り知れない。
夜中とかだったらそういうこともあったけど、朝の頭のハッキリした状態であちこちいじられるのはキツかった。
新婚だけどね?夜もきっちりありますけども。
それとこれとは別っていうか、まだ耐性少ないんだって!
朝っぱらからグッタリですよ。
雨季でもここまで無かったのになあ。
ちなみに、朝食は私がお風呂上りにグッタリしてる間に部屋に運ばれていた。
さっぱりおウドンは今日もとても美味でした。
不思議なのは、かけ汁のお出汁がカツオっぽいんだけど、どうやって出汁をとってるんだろう。
カツオ出汁が出来るなら、料理の幅もすごく広がるんだけど。
昆布や貝柱みたいなのはエルフの里で食べてるから、あるだろうなって思ってたんだけど、カツオ節はないと思ってたから嬉しい誤算だった。
もしかしたら、異世界の不思議で、カツオっぽいけど海藻だったとかっていうのもあるかもしれない。
けっこう醤油入ってたし、エルフのレシピなら海藻使ってるっていうのは十分考えられる。
それに、あー兄ちゃんが過去にチートで何とかしてたかもしれないし。
ルドさんに聞けば教えてくれるかなあ。
レシピの問題が、とかって言われたらどうしよう。
「ハルカ?」
う。しまった。ちょっとぼうっとしてた。
口元に真っ青な果物が差し出されてる。
つんつんと果物で私の口をノックしながら、クルビスさんは目を少し細めて私を見ている。
機嫌がいいんだけど、私が何を考えてるのか探ろうとしてる目だ。
普段はそんな態度取らないけれど、たまにタガが外れた時は私への執着ぶりがすごい。
これもドラゴンの血のなせる業かなと思って受け止めることにしてるけど、前情報がなかったら無理だったかもしれない。
クルビスさんとの婚約中、あちこちから忠告というか心配のような前情報をいただいた。
ドラゴンの伴侶への執着は半端ないらしく、異種族婚の場合、それが元でダメになった番も過去にいたそうで。
イシュリナさんだって番になって最初の頃は、伴侶のあまりに執着と嫉妬ぶりに怖くなったことがあったそうだから推して知るべし。
まあ、私たちの場合、共鳴起こせば隠し事出来ないから、クルビスさんの気は結構収まるみたいだけどね。
ただ、それだと会話が無くなってしまうので、二人の時は極力共鳴は控えようって約束してある。
共鳴しやすい私たちには難しいけどね。