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「では、カイザー局長にも警護をつけた方が良いのではないでしょうか?」
「だな。話の通りだとすると、カイザーさんが狙われた可能性が今のところ一番高いし。もちろん、他の局員の可能性もあるが。クルビスはどう思う?」
「そうだな。カイザーさんの警護に2つ、転移局の警護に1つ。ハルカの警護と合わせてつけるのはどうだ?ハルカが狙いの可能性も無くなっていないし、また来るかもしれない。」
カイザーさんの答えを聞いて、隊長さん達は警護のことを話しあい始める。
カイザーさんにも警護がつくなら安心だ。
今回失敗したことが広まったら、また仕掛けて来るかもしれないし。
でも、隊士さん5人が警護かあ。変なウワサにならないといいけど。
その前に質問攻めにあうよね。
体色の濃い隊士さんはあの地域では目立って仕方ないし。どう答えたものか。
「それはありがたいのですが、その、5つも隊士さんが警護して下さることをご近所にどう説明しましょう。」
カイザーさんも同じことが気になったようだ。
局長さんとしてはきっちり確認しておかないといけないところだろう。
「そうですね。表向きはハルカさんの警護の強化というのはどうでしょう?ハルカさんには申し訳ないのですが、料理教室の問い合わせも多いようですし、その方が面倒がないと思います。」
ああ。それなら納得してもらえるかも。
初めての料理教室が終わってからまだ2日ほどなのに、次はいつ開催されるのか、申込みはって問い合わせが日に日に増えてるそうだし。
「ああ。いいかもなあ。問い合わせ、毎日あるんだろ?」
キィさんが確認するようにクルビスさんに聞く。
なぜなら、私の警護の問題があるからって、私に直接来る問い合わせはクルビスさんを通しているから。
蜜月が終わってると勘違いしてるひともいるみたいで、他の地区に招待してなんて話もあるみたいだけど、蜜月だからとクルビスさんは全部断ってくれてる。
そのことはウワサになってきてるとキャサリンさんにも教えてもらったから、今のタイミングで警護を増やしても不審には思われないだろう。
「ああ。日を追うごとに増えるから、警護の数を増やそうかと思っていたところだ。それを少し増やしてもおかしいとは思われないだろう。俺のけん制と取られてもかまわない。」
クルビスさんはすでに警護を増やすことまで考えていたみたいで、人数が多いのは周りをけん制するためというのを名目にするようだ。
けん制かあ。これなら、ご近所にも説明しやすい。
「ハルカさんはよろしいですか?」
フェラリーデさんが律儀に私に確認してくれる。
よろしくないわけがない。
「ええ。私でお役に立てるなら喜んで。」
職場の安全がかかってるんです。
文句なんてありませんとも。