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トカゲと散歩、お仕事しましょ  作者: *ファタル*
転移局のお仕事ー詐欺師の罠
139/397

 ****************



「はい。こちらですね。ありがとうございましたー。」



 荷物の確認をして、お客様に渡す。

 料理教室から2日目、夢の話を聞いたものの特に変化はない日常を送っている。



 まあ、そうそうおかしなことが起こっても困るんだけど、私の場合、異世界に来てから知らないうちに色々巻き込まれてたからなあ。

 気がついたらクルビスさんと婚約してるし、料理教室することになってるし、命狙われるようになるし。



 あれ。私って結構波乱万丈?

 日本でOLやってた時は普通の地味な生活だったのに。



「ハルカさん。さっきの方でお客様しばらく来ないみたいですしぃ、お茶にしませんかぁ?」



 キャサリンさんが声をかけてくれておやつの時間になる。

 ますます暑くなっているこの頃は、新鮮な青みのある果実を少し凍らせて食べることが多い。



 今日用意してくれたのはデリアさんで、彼はあの視察の後、すぐさま北西の地区への移動が認められて移ってきてくれた。

 南地区の転移局からの反発を心配したけど、デリアさんがお兄さんを心配して移動したがっていたのは有名だったみたいで逆に喜ばれたそうだ。



 ちなみに、北西の転移局のウワサを広めてたひと達はこっぴどく叱られたとか。

「この私をだますとは何事だ!」という怒声が外まで響き渡ったとか何とか。いい気味。



「まあそれに、こう言ってはなんですが、ハルカさんとつながりが出来たと思われたんだと思います。おかげで、局を離れることを渋っていたひと達も何も言いませんでした。」



 戻ってすぐ帰ってきてくれたデリアさんは苦笑しながら裏の事情も教えてくれた。

 クルビスさんとは蜜月状態だし、私がどの転移局にも見向きもしないことに焦っているようで、そのことがデリアさんにとっては良い方に働いたみたいだ。



 でも、これから私を南に誘うようにってデリアさんに無茶ブリしてこないといいけど。

 その時のために、クルビスさんの蜜月みたいな話を考えておかないとなあ。



 ううう。問題が増えていく一方な気がする。

 夢の件だけでもとっとと片付いてくれないかなあ。



 もちろん。他所様に迷惑が掛からない形で。

 こういう時、あー兄ちゃんだったらこう言うんだろうなあ。



『なに。何とかなる。大丈夫だ。私は運がいいからな。』



 久々に兄の自信満々な顔が思い浮かぶ。

 凍らせた果実をかじりながら、自分にもあの自信が欲しいとしみじみと思った。



 あ。この果物美味しい。

 ゴールドキウイみたいな?甘酸っぱくていいなあ。

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