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「リビの店はどうだ?ウジャータ様が紹介されてたし、定期的に扱ってるんだろう?教室から近いし。」
クルビスさんの提案にルドさんが考え込む。
きっと自分の知ってる店と距離や値段を比べているんだろう。
「そう、だな。リビの店が一番近いし大通りにあるからわかりやすい。だが、リビの店は小規模だから、在庫がどうなるか…。」
「その辺は相談だなあ。何にしても許可が先だろう?」
ルドさんが悩むのももっともだ。
リビさんのお店は個人店の中では一番小さいから、在庫の問題がずっとついて回るだろう。
でも、キィさんが言うみたいに、まずは話をしてみないとわからない。
そもそもリビさんがお店の宣伝を了承してくれるかどうか。
以前お邪魔した時だって、私とシードさんにアニスさん、そしてお茶を買いに来たメラさんでカウンターの前は一杯だった。
あのお店に料理教室の生徒さんが押し寄せたら、そしてそれが口コミで広がっていったら…。
う~ん。断られることも頭に入れてた方がいいかもなあ。
多くのひとに利用してもらうことを考えると、それなりに大きな店の方が上手く対応してくれるかもしれない。
「もし、無理なようなら、リビさんに紹介してもらったらどうでしょう。彼は街が出来たころから店を出してますから、付き合いも広いでしょうし顔もきくでしょう。」
ああ。そっか。フェラリーデさんが言うみたいに紹介してもらうって手も…。
ん?ちょっと待って?今不思議な言葉が聞こえたような。
「あ、あの。リードさん。街が出来た頃からって。」
2000年は前の話なはずですが。
え。この世界は猫さんも長寿なの?
「ええ。リビさんでしょう?ずいぶん若い時にこちらに来たそうで、街がまだでき始めたころからあそこに店を出してるんですよ。」
「ああ。だからか。大通りにあるにしては小さい店構えだと思ってたんだよ。」
フェラリーデさんの話にキィさんが納得したように頷いている。
そうか。こっちでは平均寿命2000年とか3000年とか普通なんだっけ。
それなら若い時に来たリビさんが未だに健在なのも頷ける。
それだけ長い間商売してるなら、取扱い店としての紹介は無理だったとしても、他のお店は紹介してもらえるかも。
うん。まずはとにかくお願いして、それからだ。
あ。その前に、今日の参加者さん達が押しかけて驚いただろうから、お詫びもしなきゃ。