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このままルドさんへの報告に下の食堂に行くと伝えたら、フェラリーデさんも料理教室のことを聞きたいと一緒に行くことになった。
今までにない料理教室だから結果が気になるよね。
「よお。お帰り。ご苦労さん。」
階段を下りるとキィさんが私たちを見つけて声をかけてくれる。
するとカウンターからキーファさんも顔をのぞかせた。
「お帰りなさい。」
「ただいま。」
「ただいまです。」
こういうやり取りが帰って来たなあって感じさせる。
新居はまだ決まってないけど、ここを出るとなったら寂しいだろう。
「お帰り。」
キィさん達の声を聞いて、ルドさんが厨房から出てきてくれる。
せっかくなのでキーファさんにキィさんも誘って今日の報告をすることにした。
「上手くいったと思います。レシピ通りに作ってもらえましたし、皆さん楽しんで作ってもらえました。」
「おばあ様が一番楽しんでいたな。」
「ええ。」
「それは良かった。抹茶ソースはどうだった?」
ルドさんは抹茶ソースの反応が気になるみたいだ。
ウジャータさんに言われてたみたいだしね。
「皆さん驚いてました。抹茶ってあまり知られてないんですね。買えるお店を教えて欲しいと言われて、私わからなくて。ウジャータさんがいて下さらなかったらどうなっていたか。」
「抹茶自体知らない調理師も多いだろうな。」
「飲むのはうちの一族くらいですからね。お菓子に利用しようとしたのはハルカさんが初めてですよ。」
抹茶のことを話すと、ルドさんとフェラリーデさんがさもありなんと頷く。
他の皆さんも頷いてるから、それが一般的な認識なんだろう。
「俺だって飲んだことはあっても、ほんの一口だしな。あのかき氷が無けりゃ、今だって口にする機会はなかったぜ。」
「私もです。あのソースはお茶の香りが濃厚なのに苦味が少なくて驚きました。」
じゃあ、守備隊で初めて食べたひとの方が多いわけだ。
う~ん。となると、今後抹茶の購入ルートも紹介した方がいいのかなあ。
「では、抹茶を購入できるお店も紹介した方がいいでしょうか。」
「そうだな。抹茶を扱ってる店も多くないし、紹介しておいた方がいいだろう。先に店の方に許可を取る必要があるが、これだけ話題になっているレシピだ。断る所はないと思う。」
許可かあ。そうだよね。
在庫の問題もあるし、勝手に紹介するわけにはいかないだろう。
一時的に売れて余ることもあるだろうし。
そう考えると、お店は1つに絞った方がいいかもしれない。