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おばちゃまの勝手に相談室。〜得る物は?〜

作者: 七草せり

おばちゃま先生。再び……。

余り人気のない、勝手に相談室。


おばちゃま、少しご立腹。


「どうしてかしら? どなたもいらっしゃらないの……」


悩むおばちゃま先生。 相談、乗りましょうかね……。


「先生の、 独断と偏見。 適当アドバイスが

原因では?」


さくっと地雷を踏む私。


だって、事実だし。


「なずなさん……。 言う様になったわね」


「遠慮なくしますよ。 助手のつとめです」


フラフラと書斎へ行ってしまった。



この所、本当に相談する方がいない。

予約もない……。


不安がよぎるが、大丈夫だろう。


謎の先生、何とかする。


私は部屋でする事もないので、ぼんやりしていた。



「なずなさん! いらっしゃる? ちょっと出かけるわよ!」


いきなり声がした。


「出かけるとは? どちらに……」


「人間観察よ。 街に行って、 色んな方を

観察するの。 社会勉強と思って?」


「はあ……。 では行ってらっしゃい」


私は再び部屋へ戻ろうとした。


「貴女も行くのよ!」



強制的だ。強引に連れ出された。


「その辺のカフェに入りましょう」


適当に言い、目についたカフェへ。



コーヒー二つ注文した。


「たまには、 趣向を変えるのもいいわね」


クルクル巻き髪、しなやかな身体。

上品な先生の仕草。


何と無く、周りの視線を感じた。


「ふーん。 まあまあな年齢層の方から、お若い方までいらっしゃるのねぇ」


タバコをカバンから取り出しながら言った。


果たして、人間観察とは。


大いなる疑問が頭にこびりつく。


タバコをふかし、さりげなく色んな人に目をやる。


「色んな方がいるものね……。 このお店の中に、 様々な人生がある。 人それぞれ、色んな物を抱えてる」


適当なおばちゃま先生から、真面目な発言が……。

私は驚いた。


「外に出て、 空気に触れたり、 こうやって

色んな方を見なければ、 分からない事もあるのね。 閉じこもってばかりでは、 得る物は

少ない……」



コーヒーを飲み干し、タバコを灰皿で消し

た。


「戻りましょう」


席を立ち、店を後にした。



一体何がわかったのだろうか。

こんな短時間で、何を得るのか。


そんな疑問はあるけれど、先生の中では、

きっと何かあったのかも知れない。


初めの一歩。


踏み出すのは勇気がいる。

怖いとも思う。


でも、殻に閉じこもって、二の足踏むより

は。 一歩踏み出した方がいい。


人間観察できたかは分からないけれど。

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