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「実況影泥棒 ~コメントが闇を照らす!?~」  作者: nekorovin2501


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第7章: 魔王城潜入 ~闇のオーブ欠片を掴め~

シオンは死の平原を背に、黒い森の隠れ家でパーティー全員と最後の作戦会議を開いていた。黒水晶の冠を被った頭に、闇視のスキルが常に周囲をスキャンしている。累計PV960という数字が、視聴者の期待をこれまで以上に重く感じさせた。

【システム: 累計PV960達成。視聴率ボーナスとして「影のネットワーク」レベル3上昇。全員の敏捷・感知力+10。魔王城内部の簡易マップが追加表示されます。】

リナが地図を指差しながら言った。「東門の地下通路から宝物庫まで一直線。でも、途中に『影の番人』と呼ばれる上級悪魔が二体いる。ミアの魔法で結界を薄くして、シオンが冠の力で番人を眠らせる。ガルドとエリオは囮役。完璧に決めるぞ。」

エリオが緊張した声で頷く。「俺、偵察は任せて。失敗したら……みんな死ぬよね。」

ガルドが豪快に胸を叩いた。「心配すんな。俺の斧が守る!」

ミアは静かに呪文の準備を始めていた。シオンは皆の顔を見回し、静かに言った。

「失敗は許されない。だけど、視聴者のコメントが俺たちを支えてくれる。絶対にオーブの欠片を盗んで、魔王の力を削ぐ。」

【実況: みなさん、ついに本番です! 影の盗賊団、魔王城本格潜入開始! 累計PV960、過去最高を更新中! 視聴者の皆さん、息を潜めて見守ってください。コメントでリアルタイム支援をよろしくお願いします~!】

コメントが瞬時に溢れ出した。

[視聴者VV(魔王軍幹部): 地下通路の番人は闇属性無効。光の魔法を使え]

[視聴者WW(王女): 宝物庫の鍵は大悪魔の血で開く。冠の力で代用できるかも]

[視聴者XX(勇者): 今すぐ引き返せ! 俺が魔王を倒すまで待て!]

[視聴者YY(少女): シオンさん、絶対に生きて帰ってきて……!]

[視聴者ZZ(元盗賊): 通路の三叉路は左。右は罠だ]

「光の魔法……ミア、準備できるか?」

ミアが頷き、小さな光のオーブを掌に灯した。シオンは冠を深く被り、影のネットワークをフル稼働。魔王城の内部マップが頭の中に鮮明に浮かぶ。

夜の闇が最も濃くなる時刻、作戦が開始された。

ガルドが死の平原で大声を上げ、魔王軍の注意を大きく引きつける。シオンたちはその隙に東門へ急接近。ミアの光魔法で結界を薄くし、シオンが影移動で壁をすり抜ける。エリオが続き、リナが最後尾。

地下通路は湿った石畳で、冷たい空気が肌を刺す。闇視スキルがなければ真っ暗で何も見えないはずだった。三叉路で右を無視し、左へ進む。視聴者の情報が正確だった。

やがて、巨大な鉄扉の前に二体の影の番人が立っていた。黒い鎧に包まれた上級悪魔。目が赤く輝き、こちらを睨む。

シオンは即座に冠の力を解放。「影の呪い・強化版!」

黒い霧が番人たちを包み、動きを鈍らせる。ミアが光の連鎖を放ち、悪魔の闇属性を中和。ガルドが後方から突入し、斧で一撃を加える。エリオの短剣が急所を突く。

番人たちが倒れると、鉄扉が重い音を立てて開いた。

宝物庫内部は、薄暗い紫の光に満ちていた。壁一面に魔王軍の秘宝が並び、中央の台座に黒く輝く「闇のオーブ欠片」が浮かんでいる。拳大の結晶で、触れるだけで強大な暗黒魔力が流れ込んでくる。

シオンがゆっくり近づく。セキュリティ解析とトラップ検知を最大出力。

【実況: ついに到達! シオン選手、闇のオーブ欠片目前! 視聴率が爆発的に上昇しています! コメントが止まりませんよ~!】

コメントが雪崩を打つ。

[視聴者AAA(大悪魔): 触れるな! オーブは魔王の命の一部だ!]

[視聴者BBB(賢者): 欠片を冠に合わせろ。融合すれば力が増す]

[視聴者CCC(魔王ファン): 盗めば魔王が本気で怒るぞ。覚悟はいいか?]

[視聴者DDD(王族): それを取れば、勇者の戦いが楽になる……かも]

シオンは冠を外し、オーブ欠片に近づけた。冠と欠片が共鳴し、黒い光が爆発的に広がる。欠片が冠に吸い込まれるように融合。体中に途方もない力が満ちた。

瞬間、宝物庫全体に強烈な警報が鳴り響いた。

「見つかった!」

大悪魔の咆哮が地下に響き渡る。足音と翼の音が一気に近づいてくる。

「撤退だ!」

シオンは冠の力を最大解放。全員を影に変え、影の門を強引に開く。通路を逆走し、東門から死の平原へ飛び出す。後ろから数十体の悪魔軍が追ってくる。

ガルドが殿を務め、斧を振り回して時間を稼ぐ。ミアが後方支援の炎壁を張り、エリオが罠を逆利用して追手を遅らせる。

リナが叫んだ。「シオン! 冠の力で大規模影移動!」

シオンは頷き、融合した冠の力を解放。黒い霧がパーティー全員を包み、瞬時に数キロ先の森まで転移させた。

追手の声が遠ざかる。

隠れ家に戻った全員が地面に崩れ落ちた。息が荒く、傷だらけだったが、誰もが笑みを浮かべていた。

【システム: 特級クエストクリア。EXP+1200。視聴率ボーナス: 新スキル「オーブ融合」解禁(闇属性魔法が大幅強化)。レベル8達成。全員ステータス大幅アップ。】

シオンは冠を手に取り、内部に吸収されたオーブ欠片の脈動を感じた。魔王の力が、確かに弱まった気がする。

【実況: 歴史的な大成功! 影の盗賊団、魔王城からオーブ欠片を盗み出すことに成功しました! 累計PV960からさらに急上昇中! 視聴者の皆さん、最高の展開をありがとうございます。次はいよいよ……魔王城本丸か、それとも勇者との対峙か? 熱いコメントをお待ちしています!】

リナが疲れた笑顔でシオンを見た。

「お前、本当に化け物だな。次はどうする?」

シオンは冠をゆっくり被り、遠くの黒い城壁を見つめた。

「オーブの本体を盗む。魔王の心臓を、影から抉り取る。」

夜風が冷たく吹き抜ける中、影の泥棒団の次の標的は、ついに魔王そのものへと定まった。

しかし、王都方面から勇者の大軍が動き始めたという、ネットワークからの情報も届いていた。

光と影の激突は、もう避けられない。

――続く。

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