残された者たちの決断
王都イペトスートを落とした直後のファーブによるアリスト殺害。
それから十ドゥアほど経った頃。
「……ファーブ」
死んだアリストから三人の若者へ視線を動かしたフィーネはその中のひとりの名を呼ぶ。
「アリストを止めたのはよいとして、これからどうするつもりなのですか?」
「もしかして、アリスト抜きでグワラニーと戦うつもりなのですか?」
「いや」
「俺だってそこまで馬鹿ではない。戦いはこれで終わりだ」
「つまり、グワラニーに降伏するということですか?」
「本当にブリターニャの王都が落とされているのならそうなるな。そもそも俺はブリターニャ軍の兵士ではない。そして、言いたくはないが、あの魔族はこの世界のどの王よりもまともだ。奴となら停戦できる」
「とりあえず、ケリをつけるためにもサイレンセストに戻り、あの魔族に会わなければならないだろう」
「アリストはどうする?」
「むろん連れていく。余計な疑いを持たれたら、俺たちがアリストを止めた意味がなくなるからな」
「わかった。ブラン。おまえがアリストを背負え」
「ああ」
「フィーネ。申し訳ないのだがもう少しつきあってくれ」
ファーブの言葉に応えるように頷きながらフィーネは薄く笑う。
……唐突な気もしますが、ファーブが急に真の勇者に見えてきました。
……まあ、それだけの覚悟があるということなのでしょうが。
「まず、ラフギールの私の家に戻り、明日の朝、サイレンセストに向かうことにしましょう」
「夜になったら転移します。いくつか詰めておくこともありますのでその間にそれについて話し合っておきましょう」
「わかった……」




