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 こんなに女神と話せるのが幸せだと感じている不思議さに感動だ。

 今回はずいぶんと手心を加えて下さっている、どうしてだろう。

 ツナセに入った後も俺の一挙手一投足を見守ってくれていたのだろうか。

 

 祠の中は広さも前と同じでツルピカの板張りの床の上にいる。

 畳二畳ほどのスペースだが、机や椅子があるわけではないし狭くは感じない。

 祠の扉も前と同じく障子張りで、檜色をした桟がとても綺麗で高級感に満ちている。


 部屋の奥はただの壁で、ここには出口の障子戸しかない。

 出入り口と呼んでもいいが、そこから入ってきた試しがまだないのだから。

 大手を振って女神と一緒に外から颯爽と戻って来るという想像をしていたが、それは現実のものとはならなかった。


 障子越しに明るい日差しが差し込んでいて、神聖な雰囲気が心の中まで清めてくれているように感じてくるから不思議である。連れて来られたばかりの前回では、ここまでの感慨深さはなかった。


 女神は神社の巫女のような服装でその障子戸を背に佇んでいる。


 純白を基調とした佇まいは清廉さを(おぼ)える。白いお召し物の袖や腰元を通る細めの帯はそれとは対照的な真紅であった。


 おめでたい席には紅白饅頭の箱が当たり前のように並ぶのが日本の文化だが。

 今まさに彼女はめでたい象徴のように思えて、胸がすこし高鳴っている。


 

 女神がそろそろ行けと言いそうだけど。


 うん?

 人差し指を立てて息を吸い込んだ。


『あとスキルを取得したら必ず鑑定をすること。

 今回おまえにspスキルを贈ることは想定外だったから明かすのだが…』


 え?


 なにやら得意げに語り出した。

 スキルを鑑定するとはいったい何のことだ。

 鑑定といえば価値の解らない物に対して行う行為だが。


『【女神エンジン】でスキル鑑定ができるように解放してやる。

 鑑定はゲーム中にしてくれ。つまり外に出てからだ。

 鑑定時に判ることの一例を挙げると、【単発】か【随時】かが判る』


 まだよく理解していないけど鑑定とやらは俺が自分で行うようだ。

 エンジンするだけなら楽しそうで何よりだが。


 一例ということは。

 鑑定を行うと他にも判明することがあるということか!


『【単発】はいま説明したばかりだ。インターバルのある途切れるタイプだ』


「……あッ!」


 何となく解ってしまった。

 そのタイプの逆があるのか。

 逆の場合、途切れないってことだろ。そっちもスゴいじゃん。


『閃いたようだな。顔に書いてあるぞ。そのとおりだ。

【随時】とは鑑定直後から永久に発動し続ける代物だ。能力をオフにできない。

 自在にならない分、困ることもあるがそれに関しては先手でいられる。

 鑑定内容は現時点では決まっていないのだ。鑑定をする時の運だ』


 ええっ。

 そうなんだ。


 あ、指を降ろした。

 そろそろ出かける感じですか。


『心の準備は整ったか?


 クリアできたら新たな呪文をひとつ教えてやるぞ。勝負の世界ではあるが、あまり気負わずに遊んで来い。──扉を開ければ、ツナセ東エリアにある長屋の町外れに出る。今回は夜にして置いたから一夜ゆっくりと休むと良いだろう』


 ますます保健室の先生に寄せたような優しい声音になっていく。

 前回の敗因がまるで気負い過ぎたせいだと諭すように。

 

 それにクリア報酬があるのか。

「ステータスオープン」の次に来るものはなんだろ、楽しみが増えたぞ。


 だが女神エンジンの使い方が増えるということは…。

 使い方の検索をしたら出てこないのかな?


 こっそりやってみよ。

 エンジンの使い方、呪文──【女神エンジン】。




 ピーピピ。


 Error──




 え、エロ? て、なに。

 もう一回、チャレンジ。


 呪文──【女神エンジン】。


 


 ピーピピ。


 Error──ポップアップブロックを許可してください。




 え、神様これってどういうことですか。

 ブロックされてるって意味だよな。かああ、そう来たか。


 そういや女神は前に言っていたな。

「わたしのプライバシーには鍵が掛けてある」。


 女神の先回りをしようとしたが所詮、猿の浅智慧だった。

 俺には無理みたいだな。

 余計なことをし過ぎるとまた雷が落ちるから、これ以上はやめておこう。

 女神がクリアの褒美に少しずつ解放していく機能があるのかもしれない。

 

 素直にゲームのクリアを目指したほうが早いな。


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