021 【ジョブチェンジ】
ピピッ!
検索完了──。
ジョブチェンジとは。
ゲームの場合。転職、演じる役を変える。職種や立場を変えること。
例1、旅人の大人、子供。
①旅人の大人。
②旅人の子供。腕力なし。(要注意)
ゲームでは他所からきた者となる。
例2、③忍者。
抜け忍か里忍を選べ。
抜け忍の難所は、追い忍に見つかるとアウト。(要注意)
里忍はお使いクエストが発生しなければ、里からの外出不能。(要注意)
3日間の生き残りは、宿場町とその界隈でなければならない。
忍者は人の3倍速く走れる。
屋根を飛び越え、木の上も渡れる。
火薬、爆弾、煙幕。(入手後)
戦うことに長けている。
ただ条件付きである。
人助けを1日1回こなすこと。
あまり身分の高い者を選ぶとゲームの難易度がさがるため。
スキル獲得時にしょぼいものに降格する。
しょぼいスキル例、【回避スキル・うんこを踏まなくなる】
追記。
ジョブ =職業。役職または立場。
スキル =能力。能力は減らず、なにも消費しない。
◎女神エンジン=文章、言葉、映像、感情、記憶等の検索が可能。
時間軸を問わず、道具、人物等の情報取得可能。
時空を超えた物資の調達、保管が可能。
◎(体験からグンの記憶に収まったもの、もしくは関連のもの)
クエスト=任務、お使い。頼まれごと。あるいは戦いを含めた課題。
「うん? スキルは能力とある。その例がひとつ出て来たな。うんこを踏まなくなる……。踏まないで済むってことだろ。すごい能力じゃん。この時代はまだ不衛生だ。ゴミ処理場がないはず。水洗便所もない。超便利じゃないか、風呂代浮くじゃん。なんでしょぼい部類なんだ? これよりもっとスゴイのがあるっていうのか」
生き残りに失敗「アウト」。
アウトの場合、この祠に時間ごと戻される。無論なにも得られない。
ゲームの趣旨:スキルの取得。
条件:ゲーム空間に設定された制限時間の滞在。
人を殺めてはならない。(役人出動、要注意)
◇
(文字列がモニターにつらつらと並び出てきた。ゲームがどの様なものか飲み込めて来た)
「うおお、忍者とUFOは買いだもん! 俺、忍者でいきます!」
手短な説明でなんとなく理解にいたると、即答したくなった。
まさか忍者に成れるなんて。
忍者なら楽勝だろう。人助けなんかお茶の子さいさいだ。
クウ。なんていうか、人助けとか一度やってみたかったし、最高じゃん。
女神さん、
マジ、江戸時代を分かってないねぇ。
忍びがどれほど最強かを。
『なんでも構わぬが、お前が現時点でチェンジできるのは、その3職だけだ。そして3日をやり過ごせ。私に出会うチャレンジもある、スキルをさらに与える。私に出会うには出会い系クエストをこなすこと。私が出題してやるので欲しくなったら申し出よ。──では今回のゲームルールの確認を【女神エンジン】で早飲みしておけ』
ルールのおさらいを促された。
「は、はい。それでは早速──」
今回のゲームのルールおさらい──【女神エンジン】。
ピピピッ──!
『……グンよ。 (ジョブは誰しも強き者を選ぶ。それは自由だ、咎めはせぬ。だが、スキル例をひとつ公開してみせた。そこで疑問符をつけて一喜一憂しておったな。生まれてはじめて身に付けられるスキルに感情をまる出しにして、浮かれてしまうのも無理はないし、咎めはせぬ。だが──グンよ、「うんこを踏まなくなる」を手に入れたぐらいで、魔王を倒せるのなら、私も、おまえを異世界に配置したりしないで済むのだ。グンよ。おまえにはもっと、もっと異世界の知識を身に付けてもらわねばな)』
「うん?」
いま女神さん、俺を呼んだ?
気のせいかな、それとも木の精かな。
このゴーグルは、こちら側からはモニターも見られる。が、外の景色に注視すれば透過され、女神さんの表情も見えています。どうやら外からは見えない仕組みのようだ。
視線を合わせてみたが、俺を見ている風ではないようだ。
なにか考え込んでいるみたいだ。
女神がエンジンからの情報を閲覧、取得するときはその手をかざすのは確認済みだ。
それに神様はなんでも見通せるわけでもないと言っていた。
だから、そんな顔をするのですか。
俺に早く強くなってもらい、早く連れ帰りたい気持ちがお顔ににじみ出ていますよ。
焦らないで、ゆっくり行きましょうよ。
そのための修行はこの扉の向こうでしょ。
貴女を求めてさまようクエストで、手っ取り早く俺を強化したいのですか。
やはり、直接スキルを授けられないのですね。
ゲームというやつをこなさなければ。
扉の向こうは、夢見ていた江戸の町。
俺は知らないうちに交通事故かなんかで死んだようだけど、こんな素敵な冒険をさせてくれることは感謝の極みである。
ご期待に添えるように頑張るつもりだよ。




