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116 【疑惑の念】


 なんだか少々強引な結果がでてるけど。

 俺がずっと気にしていた綱隠れの里の在処がまさか。

 十六のお里が売られていったという遊郭だなんて。

 いやそこの遊郭かは特定できないけど。

 遊郭ってのは町の真ん中にあるわけじゃないがド派手な感じの場所だろ。

 行って確認する手もあるがなんせ俺はいま7歳だからな。


 まぁこれは可能性のひとつに過ぎない。

 そのように読み解くことはできないかという左内たちの謎解きだ。

 サスケの記憶さえあれば苦労はないのだが。


 俺が思うに、サスケはあの伊賀のサスケじゃなかったのか。

 そんな気がしているのだ。

 弥彦に出会って、分身の駒次郎と伊賀のサスケの話を聞かされたわけだ。


 この駒次郎も一応サスケだし。

 伊賀のサスケと弥彦には因果関係もあるのだから。

 近い場所で再びすれ違っていても不思議じゃない。

 その運命のときに俺がやってきてしまった。

 そしてあの時の駒次郎がもしも本体の弥彦だったら、きっと……。


 きっと伊賀のサスケだったか判別できたことだろう。


 さて、忍者になる楽しみはこの次でいいか。

 なんせこんなチビ助だからな。

 今回はどうやってスキルポイントを稼ぐのかだ。

 いまだって目の前の2人に色々と知恵を借り、助けてもらっている。

 俺が誰かを助けてやらねばポイントに繋がらない。


 今回のジョブも一応「忍者」だからな。

「町の子供」じゃないからな。

 子供なら3日間生き残るだけでいい。


「生き残るの大変なんだよなぁ……このゲーム」


「グン、なにぶつくさ言ってるのよ。先生にお礼をいいなさい」


 え。

 ああ、そうだった。


「知恵をお借りしましてありがとうございます。でもなぁ……」

「場所がご期待に添えなかったようだね?」

「そ、それは。だっておかしいじゃん。先生そこへ行って確かめてきてもらえませんか?」

「いやぁアレは賭場と変わらないよ。金が掛かるだけのつまらない所だ」

「あんた、左内先生になんてこというのよ!」

「名前だよ。遊郭の名前が「綱隠れの里」っていうのかどうかだよ」


 ガチで遊んで来いなんていう訳ないだろ。

 そんな金があるなら俺にくれ。

 それはさておき。


「名前の確認ですよ。お店がたくさん軒を連ねているでしょう。そのうちのひとつにでも該当するなら、未来に戻ったときに会いにいけるんですよ」

「気持ちはわかるが遊郭街は西の町だったはずだから私は動けそうにない。患者の世話があるからね」

「もう、あなたったら尊い左内先生を小間使いのようにこき使おうなんて何様なのよ! 先生のお陰でどれだけの人の命が救われたか分かってるの!」


 なんだよ。

 ツンケン、ツンケンと小うるさい。


「まぁまぁ、許してあげなさい。彼は病み上がりじゃないか」

「そうですけど……」

「神様のお力添えがあれば、それぐらい造作もないことではないのかね?」

「ほんと、そうよねえ。神様ならどんな怪我も病も治せるはずでしょ? 先生は神様じゃないけど随分と町の人たちから神様、仏様と崇められている名医なのよ」


 数少ない医者の人望ってやつか。

 こんな時代の医者は確かに希少だし、有能なら偉いのはわかるけど。

 それと遊郭はツナセにあったんだな。


「それより神隠しの件だが、連れて行かれた子らの情報をどうやって探るつもりなのかね?」


 左内自身もさほど広範囲に動けるわけじゃないといった。

 そりゃ多くの患者を置いて好き勝手できないのは理解してるけど。


「どうやってといわれても。まぁ忍びの足を使い町を駆け巡り忍びの聴力を使って探索をするぐらいだ」

「きみは結局ぶらぶらと出歩くだけで収穫があると思っているのかね?」

「居なくなった子供たちって東西の町にいて範囲が広いでしょ。足が速いといっても限度があるんじゃないの?」

「それじゃ何かよい知恵でもあるんですか?」

「知恵は私たちではなく君の神様に借りればいいだろう、といっているんだ」

「いや、だから会うには3日目の夕暮れがこないと……」

「ならば聞くが、いま君の身に何かあっても君の神様はその時間が来るまでは放っておくのかね?」


 え、いや放っておかないね。

 つーか、それ俺に死ねといっているんだぞ。

 それに女神はゲームの中のお手伝いをしてくれない、そういう鉄則だ。


 だが鋭い意見でもある。

 神に聞ければ話は早いだろうがそれでは試練にならんのだ。


「ほんとうに女神様なんているの? 困っている人を助けてくれないなんて」

「な、なんだと!?」

「すまないが私も君の話を鵜呑みにはしていない。確かに君はふしぎな子供ではあるが。どこかで外来語をかじったのだろう。だが寺子屋の生徒たちの中にもその程度の優秀な子はいる。計算は苦手でこの程度の文章をまじめに読み上げて信じ込むし。──本当に神様などに目を掛けられて大事にされる要素があるとは思えないのだが……」


 なんだ、こいつら。

 最初から、疑惑の念を抱いていたのか。

 話を信じるふりをして俺がどの程度の作り話を聞かせられるか。

 2人で試していたということか。


「バンさんがどれだけ凄い人なのか分からないの? 会って話をしたのに振る舞いからその尊さに気づけもしないのに偉そうに呼び捨てにしてさ!」

「なんだよ! 急に偉そうとか。おまえらこそ俺を試していたのかよ!?」

「当たり前じゃないのよ! わたし出かける前に言ったわよ? 試されるかもしれないって。それなのに何一つ疑いもせず、忍者の暗号解読ですって? どこを見てこんな文面から何かを導き出すのよ! ぜんぶデタラメよ、馬鹿ね!」


 なんだか怒りを露わにしたお里を左内がなだめるように。



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