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どこであろうと平常運行


 コーギー侯爵家にて、当主のウェルシ・コーギー侯爵と向き合って座る。

 何度か対面している俺はともかく、初対面の義母上とセリカはとても緊張している。


「そう固くならなくていい。なにも取って食おうというわけではないのだ、落ち着きたまえ」


 ずっと爵位が上の相手との初対面で、それは無理というものだ。


「申し訳ありません。交流が無かった侯爵様と、こうして向き合っているものですので……」


 丁寧に対応しようとする義母上だけど、口調はともかく表情は固いままだし肩に力も入っている。

 セリカなんてガッチガチで、動いたらギギギッて軋む音が聞こえそうだ。

 ここはフォローを入れておくかな。


「侯爵閣下。さすがに侯爵家の当主を相手に初対面だと、固くなるのも致し方ないことかと」

「ふむ……それもそうだな。まあ公式の場ではないのだから、少々の無礼や粗相は見逃すから、安心したまえ」

「は、はぁ……」


 そう言われても安心しきれないのが、人というものだ。

 そんなことを考えていると、扉がノックされた。


「入れ」

「失礼します」


 返事をして扉を開けたのは女性使用人。一礼して飲み物を載せた台車を押して入室し、手際良くお茶を用意して並べていく。

 あまりに手際がいいからか、後ろからユリスが小声でおぉっと驚く声が聞こえた。


「どうぞ」


 座っているコーギー侯爵と、俺達三人の前に並べられていくのは紅茶。うん? なんか、嗅ぎ覚えのある香りだ。


「さあ、飲んで一息入れるといい。話はそれからでも遅くはない」

「お気遣い、感謝します。いただきます」


 礼儀としてまずは義母上が紅茶を口にすると、あらっと少し驚いた様子を見せた。


「これはもしや?」

「やはり気づいたか。実を言うと紅茶は苦手だったのだが、レトリバー辺境伯の使いが土壌改善による品質向上の証拠として持って来た物の中に、君達の所で栽培した紅茶があったのだ。試しに飲んだら驚くほど美味くてな、すっかり気に入って商人ギルドから購入しているのだよ。値段は張るが、それだけの価値がこの味にはある」


 なるほど。嗅いだ覚えのある香りだと思った。

 故郷の味と香りのお陰か、義母上も後から飲んだセリカも表情が和らいでいる。

 ひょっとして緊張を解すために、話より先に紅茶を勧めてくれたのかな。そう思ってコーギー侯爵を見ると、ふふんと笑って紅茶を飲んだ。侯爵家の当主だから当然とも言えるけど、喰えない人だ。


「さて、そろそろ話をしよう。といっても、そう難しいことではない。おおよその予定を伝えるのと、今回の学会にレトリバー辺境伯も参加する話をするだけだ」


 あっ、やっぱりレトリバー辺境伯も来るんだ。


「そうなのですね」

「むっ? 辺境伯が来ることに驚かないのかね?」

「私も一応は貴族の端くれです。侯爵様が辺境伯様とのお付き合いを考えて、お呼びになることは想像できます」


 俺にも分かるくらいだから、義母上がそれを考えていないわけがないか。


「ならば話が早い。おそらく学会後のパーティーでは接触を図る家が多く出るだろうから、君の娘夫婦も含め私か辺境伯の近くにいたまえ」

「よろしいのでしょうか?」

「せっかくできた良縁を、妙な輩の悪巧みから守るためと思えば容易いことだ」


 でもそれって、防波堤になるから今後もよろしくってことなんだろうな。

 はぁ……。幼い頃から貴族連中に囲まれて育ったせいで、そういう考えが読めちゃうのが少し悲しい。

 とはいえ相手は王都でもまれた貴族連中、こっちは周囲の貴族としか滅多に交流がないし、そもそもその交流自体がさほど強くない辺境の弱小貴族。口の上手さや駆け引きになったら義母上に勝ち目は無いだろう。

 そういう意味では、コーギー侯爵とレトリバー辺境伯がいてくれるのは、正直言って頼もしい。


「では次にそのパーティー含め、学会やうちで開く宴の日程についてだが」


 待って待って待って、なんか後ろの方に予定が一つ追加されてるんだけど?


「宴、というのは?」

「なに、大勢を呼んでの堅苦しい物ではない。我々とレトリバー辺境伯家が、今後とも良好な関係を続けていくための、友好を目的とした宴だ」


 それに関しては嘘ではないだろう。貴族が開く宴の目的は、大抵がそれだから。


「承知しました。それで日程の方は?」

「うむ、まずは」


 最初に王都でするべき予定の日程を聞かされ、次いで学会での流れを説明されていく。

 学会での流れについてはケルムさんも座らせてもらって熱心に聞き入り、要所をメモしている。


「質疑応答は特に気をつけた方がいいな。時に嫉妬心や八つ当たりから、的外れで言いがかりのような質問も飛んでくる。それに冷静に対処できるかが、大事だぞ」

「わふっ! 分かりました!」


 学会のような場で、そんなことをする人がいるのか。周囲から失笑をもらって、小馬鹿にされる行為じゃないのか、それって。

 対抗心を燃やすのは悪い事じゃないけど、だからってそういう対抗方法は無いだろう。

 もしも出たら、その人は後のパーティーで笑い話のネタにされるんだろうな。


「まあ安心するといい。そんなことをすれば周りから失笑された上、後のパーティーでは笑い話のネタにされて居づらくなってしまうからな」


 あっ、やっぱりそうなるんだ。


「だがそれで相手が引けばいいが、中には自爆を認めず逆恨みする輩もいるから、注意したまえ」

「わぅん? 自業自得なのにですか?」

「無駄にプライドが高い者というのは、それを守りたいから何でも他人の責任にするものなのだよ」


 そんなんで逆恨みされたらやってられんわ。

 ああでも、まだ勝手かつ一方的な期待を寄せられていた頃に、そんな感じのがいたな。魔力制御の勝負に負けて癇癪を起した挙句、俺の存在自体を否定して襲いかかって捕まって、そのまま連れて行かれた宮廷魔導師の一人が。

 他の宮廷魔導師達は、悔しそうにはしていても襲ってはこなかったのに。


「大丈夫ッスよ、ケルムさん! 自分がしっかりお守りするから、安心してほしいッス! 押忍!」


 おぉ、頼もしいなトウカ。でもお前の護衛対象は俺達で、ケルムの周りにはラッセルさん達が付く予定だからな?


「きゅうぅぅぅん。男らしくて頼もしいです、トウカさん」

「自分、女なんで男らしいって言われても嬉しくないッス!」

「わふっ!? そうでした!?」

「ついでに言うと、ケルムの警護にはラッセル達を付けることにしたのを忘れたかしら?」

「そうだったッス!?」

「くっ……!?」


 コーギー侯爵の前で何してんのって思う前に、今のやり取りがツボに入ったのかコーギー侯爵が吹きそうになって、手で口を押えて耐えてる。

 今のでツボに入るとか、コーギー侯爵の笑いのツボは浅いようだ。


「ふっ、くっ、まあ、警護が付くのならいい、逆上した相手が何をするかは予想できないからな、ぷっ……」


 どこまでツボなんだ、あの程度のやり取りで。


「ふぅ……。さて、話はここまでにしよう」


 やっとツボを乗り越えたか。


「今日の夜は食事会だが、それまでは離れでゆっくりしていたまえ。時間になったら、人を送る」

「お心遣いに感謝します」


 これにて話し合いは終了し、シェバシュさんの案内で離れへ移動する。

 なお、部屋割りは義母上が一人部屋で俺とセリカが同室、ユリスとトウカとケルムさんも三人で同室だ。

 ちなみにラッセルさん達は先に案内されていたようだけど、離れといえど豪華な造りに落ち着かない様子だった。


「はぁ、やっと落ち着けたな」


 バーナード家や実家とは比べ物にならないほど、柔らかくてふかふかなベッドへ寝転がる。


「広くて落ち着けませんよ……」


 さすがは侯爵家だけあって、二人部屋なのにやたら広い。

 隣にちょこんと座ったセリカはその広さが落ち着かずソワソワしており、存在感抜群の胸がゆさゆさ揺れて実に目の保養だ。


「隅っこで小さくなって座っていてもいいですか?」


 隅っこで小さくなって座るセリカを想像。うん、じつにかわいとおしくて秒で抱きしめるね。

 だけどこの部屋を用意してくれた侯爵に対して失礼だから、止めておこう。


「やめておけ。侯爵に対して、この部屋が落ち着かなくて気に入りませんって、文句をつけてるように取られるかもしれないから」

「ですけどぉ……」


 そう簡単には無理か。だったら、夫としてひと肌脱ごうじゃないか。


「ほら、落ち着けるようギューしてやるからこいよ」

「失礼します!」


 寝転がったまま両腕を広げ、迎え入れる体勢を取ったところへ飛び込んできた。

 胸元へ顔を押し当て、鼻息をフンフン鳴らしながら匂いを嗅いで、ヘラっと表情を緩めて微笑む。

 かわいとおしい、痛くなく苦しめない程度に抱きしめる。それによって飛び込んできた時にはぶるぅんと揺れていた胸が、ぎゅうぎゅうと押し付けられて実に最高だ。


「にゅふふ~、にゅふふ~、クンカクンカ」


 蕩けた表情で上機嫌に匂いを嗅ぐ極愛の妻が、かわいとおしすぎて理性がヤバい件。


「マーキング、マーキング」


 加えて頬ずりしながら頭の悪いことを言いだしたけど、かわいとおしいから許す。

 ふわっふわの髪の感触を堪能しながら頭を撫でてやるから、じっくりマーキングするといいぞ。


「失礼します。旦那様、お預けしていた食材を……って、なにしてるんですか、離れといえど他所様の屋敷で!」

「わ~、こんなところでもラブラブッスね」


 もう、どうして夫婦水入らずのところへ来るかなユリス、トウカ。

 つい不満を覚えていると、ちょっと怒った表情のユリスがツカツカ歩いて……何も無いのに転んだ。しかもその拍子に右足の靴が脱げ、放物線を描いて額を押さえながら上げた頭の頭頂部へつま先部分が直撃した。


「ぎゃふっ!?」


 変な声を出したユリスは、額と頭頂部を押さえながらプルプル震える。


「おぉっ! 喜劇でもこう上手くはいかないッスよ」


 本当だな。どうすれば、こうも見事に直撃するんだろう。


「もう……だからなんで毎回オデコ打つのよぅ……。しかも今回は頭まで……」


 それは君がユリーカさん曰く、オデコっ娘だからじゃないかな。


「ユリスさん、大丈夫? 旦那様にオデコ舐めて治してもらう?」

「よしきた任せろ。さあユリスもこっちへ来い」

「私の返事を聞く前に、旦那様が返事しないでください! というか舐めないでください!」


 ちっ、バレたか。勢いでいけると思ったけど駄目か。

 夜の営みの時のように、舐めて身震いさせながら変な声を出させてやろうと思ったのに。


「というかお願いですから、他所様の屋敷で向こうと同じようにしないでください」


 額と頭頂部を両手でそれぞれ撫でながら立ち上がるユリスはそう言うけど、夫婦が仲良くしているだけなのに、何か問題があるだろうか。

 セリカと目を合わせると、何ででしょうねという意思が伝わってくるし、首を傾げる様子がかわいとおしくて頭を撫でる手は止めない。


「揃って不思議そうに首を傾げないでください!」


 だって本当に意味が分からないんだから、仕方ないだろう。なあ?

 ほらセリカもうんうんって頷いてる。


「お~、目で会話してるッス」

「……もういいです。旦那様、預かっていただいているお土産を出してください。侯爵家の使用人の方々にお渡ししてきますので」

「ん、分かった」


 こうして泊まらせてもらうのにお礼をしない訳にはいかないから、「冷蔵庫」に品質向上した作物を収納し、お土産として運んできた。

 えっと、これは足りない時に備えて入れておいたパンで、こっちはラッセルさん達が狩って俺が解体したオイルバイソンっていう脂がたっぷり乗った牛の魔物の肉、そんで……あったあった。


「ほいよ、あったぞ」


 様々な種類の野菜、精米済みの米、製粉済みの小麦粉が、それぞれ入っている麻袋。それと品質向上した大豆を材料に使い、調理魔法の「発酵」によって短期間で作ったショウユやミソといった調味料が入った壺。

 それらを左手でセリカを撫で続けながら、右手で取り出しては床へ並べていく。


「ありがとうございます。トウカさん、お願いします」

「了解ッス」


 床に置かれた食材入りの袋を両手で一つずつ持ち上げたトウカは、「収納空間」を開いて食材入りの袋を放り込んでいく。

 同じ食材を運ぶ目的でも「収納空間」より「冷蔵庫」の方が保存が効くから、俺がこれらお土産の食材や調味料を運んできた。だけど後は渡すだけだから、「収納空間」で十分だ。


「ふう、全部入ったッス」

「ではシェバシュさんへ届けに行きましょう」

「押忍! そんじゃ旦那様、奥様、お熱いところを失礼したッス」


 全ての食材と調味料を収納し終えたら、二人は退室した。さて、嫁だ嫁だ。


「用は済んだから、続きをしよう」

「はい。にゅふふふ~」


 猫なり犬なりの尻尾があれば、間違いなく上機嫌に揺れているだろうセリカを愛でて、和やかな時間を過ごす。

 それからだいぶ時間が経ったようで、気づいたらもう夕暮れ時になっており、女性使用人が夕食会への呼び出しに来たとトウカから伝えられた。


「分かった、準備する。セリカ」

「はい、すぐに着替えますね」


 第三者はいないとはいえ、一応は夕食会だからな。正装はしておかないと。


「ていうかお二人とも、あれからずっとそうやってたんッスか? ホント仲良いッスね」


 当たり前だ。こんなにかわいとおしい極愛の妻と仲違いなんて、絶対にしたくない。

 何か衝突するようなことがあったら、進んで頭を下げよう。


「夫婦の仲が良いのは当たり前ですよ。それよりトウカ、着替えを手伝って」

「承知したッス」


 その仲の良い夫婦が少ないんだよ、貴族には。

 そんでもって目の前で行われるセリカの生着替えは、実に眼福で目の保養だ。特に脱いだ拍子に下着でも押さえられないほど、ブルルンッと大きく揺れた胸が。勿論、むっちりした腹や太ももや尻なんかも最高だ。

 触れると胸とは違った程よい柔らかさとタプタプ感があって、ずっと触れていられるし、ずっと触れていたいんだよ。他にもトウカの健康美でスベスベな太ももとか、ユリスのバインでプリンな尻とかも同じくらい触れていたい。

 セリカの着替えが終わるまで部屋の外に出ないのかって? 夫婦だから同じ空間で着替えていても、別におかしくないだろ?


「奥様は相変わらずおっぱいデカいッスね。自分も自信あったッスけど、これには敵わないッス」

「ちょっ、やめてくださいトウカ」


 胸をガン見するトウカにセリカがかわいとおしく恥ずかしがって、身をよじった拍子にたっぷんと揺れた。


「それにお母様とユリーカ叔母様は、もっと凄いじゃないですか」

「あのお二人は規格外ッス。ねえ旦那様」


 こっちへ振るな、返事に困るだろ。ここはやっぱり……。


「同感だが、俺にはセリカの胸があればいい」

「旦那しゃまあぁぁぁぁ……」


 よし、今ので正解だったか。セリカが真っ赤になった頬に両手を添えて、笑顔でクネクネしながら喜んでるから、こちらも喜ばしい限りだ。

 そんでもって、クネクネした動きに合わせて胸も左右にぶるんぶるん揺れている光景が、最高と言わずになんと言えばいい。


「今のでメロメロになっちゃう奥様の思考が分かんないッス! というか、自分とユリスさんの胸は不要ッスか!?」

「いるいる。というか胸だけでなく、セリカとユリスとトウカっていう存在自体が俺には必要だ」

「はひゅうぅぅぅぅ……」


 妙な声を出すセリカが、蕩けた笑みを浮かべる顔だけでなく耳や首まで真っ赤になった。

 しかも余計にクネクネするから、さらに胸がぶるんぶるんだ。


「存在自体が必要だなんて、言い過ぎッスよ旦那様」


 とか言いながら、滅茶苦茶表情が緩んでるぞ。この場にユリスがいたら、どんな反応を見せただろうか。


「というか、早く着替えるッス。準備する時間を見越して呼んだはずッスけど、侯爵様をお待たせしたら拙いッス」


 それもそうだ。トウカの言う通り、さっさと準備をしよう。

 パッパと着替えをして身だしなみを整え、廊下で待っていた女性使用人と義母上、それとユリスとケルムさんとラッセルさん達と合流。いつも通り使用人の服装をしているユリスと、部屋の外で警護に付く予定だというラッセルさん達がいつもの装いなのはともかく、義母上の服装が凄い。露出はほとんど無いのに、圧倒的存在感の胸は下手に露出するよりも目立っていて、つい目を向けてしまう。

 だけど一番はセリカだから、凝視しているのはほんの僅かな間だけ。

 ケルムさんも着飾ってはいるものの、貴族じゃないから比較的控えめだ。


「準備が出来ましたね。では、参りましょう」


 女性使用人の案内で離れから本館へ移る。

 ラッセルさん達とはリビング前の廊下で別れ、扉をノックして入る許可を得てから中へ通された。

 待っていたのはコーギー侯爵と、その家族の人々。内訳は奥さんが四人、息子は長男と四男と五男の三人、娘は次女と三女の二人、それと長男の奥さんが一人だ。何度か顔を合わせたことがあるから、誰が誰なのかは覚えている。

 ちなみに次男と三男は成人して家を出て、長女は他家へ嫁入りした。


「お待たせして申し訳ありません」

「いや、こちらが招待したのだから構わないさ」


 義母上を前にしても、コーギー侯爵は表情を変えず視線は義母上の顔へ向けられている。でも三人の息子達はギョッとした表情で義母上とセリカの胸元に視線を向けてる。

 口には出せないけど……テメェらコラ、人の嫁と義母の胸ガン見してんじゃねぇぞ。


「つっ!?」

「「でっ!?」」


 ほら見ろ、長男は嫁さんに抓られて、四男と五男は次女と三女にそれぞれ足を踏まれた。


「まずは紹介しよう、こちらが私の正妻の――」


 俺とトウカは知っているけど、義母上達は知らないから侯爵家の家族が紹介されていき、それが済んだら義母上がバーナード士爵家側の紹介をする。

 今回お世話になる切っ掛けのケルムさんも紹介されたら、両家が向き合って席に着き酒が注がれたグラスを手にする。当然だけど、未成年には酒じゃなくて果実水が注がれていて、あくまで使用人のユリスと警護のトウカは席に着かず義母上の後ろに距離を取って控えている。


「では、両家の友好を願って。乾杯」

『乾杯』


 侯爵の音頭で乾杯をする。

 手にしたグラスを軽く掲げ、その後は隣の席のセリカと義母上と軽くグラスをぶつけ合う。


「さあ食べてくれ。お土産に貰ったものや、商人ギルドやフミャー商会から買い付けた、そちらの領地で採れた食材で作らせた料理だ」


 それは楽しみだ。はてさて、侯爵家の料理人はあの食材をどんな料理にしてくれるだろうか。


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