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出来る事


 倒木と土砂崩れ、そして橋の倒壊によってエルフの集落が孤立した。

 その一報を受けた義母上の表情が厳しいものに変わる。


「人的被害はっ!」

「中傷者と重傷者が合わせて七名ほど出たそうですが、向こうには治癒魔法の使い手がいましたので、全員治療済みで助かったそうです。全員の生存は確認しており、死者はいません!」


 死者がいないのはなによりだ。

 エルフの集落に、治癒魔法を使える人がいてくれて良かった。


「それは不幸中の幸いね」

「エルフの長が山肌から離れた位置に建てた避難所へ、多くの住民を避難させていたのが功を奏したそうです。怪我人は避難が遅れて土砂崩れに巻き込まれかけたり、避難中に激しく転倒したりしたことによるものだと」


 避難所……ああ、昨日義母上から教わった中にあったあれか。

 山や川の近くに家がある人達が、土砂崩れや川の氾濫に巻き込まれないよう、山肌から離れた位置や水に浸かり難い高台へ建てた緊急用の避難施設だ。


「家屋に被害が出ていると言ったわね。詳しい被害状況は分かる?」

「申し訳ありません。エルフの長がまだ把握していなかったので、私には分かりません。孤立状態と人的被害を領主様に報告するため、そちらは後回しにさせていただきました」

「構わないわ。家や橋はまた建てればいいけど、人命はそうはいかないもの」


 そう、こういう時は人命が第一だ。

 命が助かったのなら、まだやり直せる。


「お母様、どうしますか?」

「まずは孤立状態の早期解決、それと道が復旧するまでの間の、空路による支援物資の運搬と必要な人員の派遣、場合によっては彼らを集落から救出する必要があるから、それらの体制の構築を最優先とするわ」


 優先すべきは一刻も早い孤立状態の解消と、集落への支援物資の運搬や必要な人員を派遣する方法、そして集落からの救出の確立か。


「あなた、すぐに集落へ戻って長へ伝えて。鳥系の獣人族も含めて人手を集めて、大勢の人員を現地へ派遣できるよう手配をして、この村の広場へ来るようにと」

「承知しました!」


 指示を受けた竜人族の男は一礼して、すぐに部屋を出ていった。


「村長、食料や薬や生活用品の支援が必要になるかもしれないわ。すぐに村の備蓄を確認、それと土砂と倒木の撤去作業に協力してくれる有志を募って広場へ集めて。それから冒険者ギルドには同じ内容で私名義の緊急クエストを出すかもしれないこと、商人ギルドには非常食と薬の在庫を確認して報告することを伝えて」

「分かりました!」


 作業に必要な人員の招集、送るべき食料や薬の在庫確認、人手の追加に備えての準備と、義母上はそれらをあっという間に指示した。

 道が塞がって橋も使えないとなると、竜人族や鳥系の獣人の飛行による空路が、支援物資を届けたり集落を脱出したりする唯一の経路だからな。


「シオン、あなたには現地に行ってもらうわよ」


 そして俺を現地へ……。


「えっ?」

「本当なら私が現地へ行って状況を確認したいけど、まだ他の村や集落の状況が分からないから、下手に動けないの。だから私の代わりとして、シオンに現地へ行ってもらうわ」


 いや、それは分かるけど、なんで俺が行くんだ。


「で、でも俺が行っても」

「指揮を取れとか難しい判断をしろとは言わないわ。今のシオンに必要なのは、実際の現場へ行って惨状を目にすることよ。領主にとって、災害現場を知っているのと知らないのとでは大違いだからね」


 確かに、今まで実際の災害現場へ行ったことがなく、その際の惨状を目の当たりにしたことがない。

 いずれは領地を治めていく立場なら、領地で何が起きているのかをしっかり見る必要があるってことか。


「これから向こうで経験することは、全てシオンにとって初体験の出来事よ。そこで感じたものは絶望も無力感も悲壮感も、なにもかもを受け入れて今後の糧にするつもりで行って、その中で自分に出来る事をしなさい。いいわね」


 絶望も無力感も悲壮感も、なにもかもを受け入れて今後の糧にしろ、か。

 優しさを見せつつも厳しい義母上だよ、本当に。

 だけどこれも、俺を後継者として育てようとしてくれているからこそ。

 現地で何が起きていようとも、自分に出来る事をしっかりやらなくちゃ。


「分かりました。いってきます」

「ええ、いってらしゃい。それとエルフの長に、支援準備は進めているから、足りない物があったら報せるよう伝えておいて」

「はい!」


 さてそれじゃあ……どうやって行くんだ?


「あの、現地まではどうやって?」

「大勢を現地へ派遣できるよう、さっきの竜人族の人に手配していたのは聞いていたでしょ。それで村長が集めた有志の人達と一緒に行けばいいわ」


 そういえばそうだった。

 急に現地へ行けって言われていたから、手配の話がすっかり頭から飛んでた。


「場合によっては数日向こうに滞在してもらうかもしれないから、そのつもりでいなさいね」

「了解です」


 こんな大事が今日明日で解決するはずがない。

 数日の滞在くらい、どんと来いだ。

 ちなみにセリカはというと、いざという時に備えての留守番を言い渡され、ちょっぴりショックを受けていた。

 ひょっとして、一緒に行くつもりだったのか?


「旦那様を傍で支えて差し上げようと思っていたのに……」


 一緒に行くつもりだったようだ。

 しょんぼりしながらこっちをチラチラ見ているセリカの様子が、叱られた子犬のようでちょっと可愛い。

 犬系の獣人だったら耳と尻尾が下へダランと垂れ下がっていただろう。

 想像の上でも可愛い、愛おしい、かわいとおしい。

 だけどここは、元気づけてあげないと。

 やっぱりセリカは笑顔なのが、最もかわいとおしいから。


「その気持ちだけで十分だよ。一緒に行けずとも、心がいつも傍に寄り添ってくれていれば、気持ちは一緒に持って行くから」


 ……くっさぁー!?

 自分で言っておいてなんだけど、なんだ今のくっさい台詞は!?

 本当に俺、何言ってんだよ! いや本当にマジで!

 あぁぁぁぁっ! こっぱずかしい!

 顔が熱っぽいから、今の俺の顔、絶対に真っ赤になってる!


「へ、へうぅぅ……。いつも一心同体だなんて、お母様の前でそんな、嬉し恥ずかしいこといわないでくださいよぅ」


 なんかよく分かんないけど、セーフ!

 真っ赤な頬に両手を添え、恥ずかしそうな笑顔でクネクネしてるセリカが、引いたり呆れたりしてないからセーフ!

 口と腹を抑えて必死に笑いを堪えている義母上は見なかったことにして、とにかくセーフ!

 いやぁ、くっさい台詞を吐いたからどうなるかと思った。

 しかし一心同体ね。さっきの台詞でどうやってそこへ着地したか分からないけど、そういう風に捉えられるのは悪い気分じゃない。


「ぷっ、くくっ……」


 義母上、そんな震えるほど必死に堪えなくても……。

 いやでも、目の前であんな台詞を言われたら俺も笑いたくなるか。

 ああ、やっぱり恥ずかしい。これは黒歴史として、一生封印しよう。


「ならせめて、旦那様が帰って来た時は精一杯のお出迎えをしますね。ご希望はありますか?」


 色気たっぷりの下着姿で、猫か犬の耳と尻尾を模した物を身につけ、かわいとおしい満面の笑みで出迎えてほしい。

 なんて欲望満載の出迎えなんて希望できるはずがない。

 という訳で、そこそこの欲望を希望しよう。


「熱烈なハグで出迎えてくれれば、それでいいよ」

「ね、熱烈なハグ、ですか」

「そう、熱烈なハグ」


 これくらいなら別に変じゃないだろう。

 ちょっと恥ずかしがっているセリカが、どんな熱烈なハグで出迎えてくれるか、今から楽しみだ。


「くくっ、本当に、仲が良いわね、あなた達……ぷぷっ」


 義母上、未だに笑いを堪えてるなんて、さっきの俺の台詞がどれだけツボに入ったんですか。


「さ、さあ、急いで準備をしなさい。シオンは汚れていい、動きやすい服装に着替えて代えの服も用意して」


 そうだ、いつまでもこんなことをしている場合じゃない。

 どんな形にしろ現地で動くなら、こうした服じゃない方がいいな。


「セリカは手拭いとか菜園の農具庫にあるスコップとか、必要な物を用意してあげて」

「はい!」

「シオンはそれを受け取ったら村の有志と広場で合流して、竜人族が手配した手段で現地へ向かうのよ。皆にもそう伝えてね」

「分かりました」


 返事をしたら大急ぎで部屋に戻り、菜園での作業用に購入した作業着を数着用意して、今から着替える一着を残して他は袋へ詰める。

 必要な物を用意してくれたセリカからの荷物を受け取ったら、義母上からいくつか追加の指示を受け取り、村の広場へ向かうために屋敷を出る。


「旦那様、どうかお気をつけて」

「ああ、行ってくる」


 玄関先で見送ってくれるセリカにそう告げて村の広場へ向かうと、既に村長と有志の人が数人集まっていた。

 その人達と情報共有している間にも有志の人達が集まってきて、最終的に五十七人に到達。

 中には依頼が出ていないのに来てくれた、冒険者達の姿もあった。


「そういえば、竜人族はこの人数をどうやって現地まで運ぶんだ?」


 前に俺を運んでくれた手段じゃ、一人ずつしか運べない。

 あんな方法で何往復もしていたら、時間が掛かり過ぎるぞ。


「おそらくは……あっ、来ましたよ。あれを使うんです」


 口にした疑問に村長が答えてくれようとしたところへ、ちょうど竜人族が来たようだ。

 村長が指で示す方向を見るため上空を見上げると、そこには巨大な籠が浮いていた。

 その籠からは何本ものロープが伸びていて、竜人族の人達がそれぞれロープを肩に斜め掛けにしている。

 近くにはそれに加わっていない、手にした荷物をぶら下げている鳥系の獣人族の姿も三人ほど見える。


「あれって、あの籠のことか?」

「その通りです。ああ見えて籠も、彼らが肩に掛けているロープも頑丈なので安心してください」


 空路を行くんだから、頑丈でなくちゃ困るって。

 それにしても大きい籠だ。あの大きさなら五十人以上でも乗れそうだし、近づいて来て分かったけど、竜人族の人達が肩に掛けているロープもかなり太い。

 だけどこの人数を、あの竜人族の人数で運べるのか?

 向こうは十人くらいしかいないぞ。あっ、そのうちの一人はバハードさんだ。

 そんなことを考えているうちに、籠が広場へ着地。

 竜人族と鳥系の獣人族の人達も着地して、肩からロープを外したバハードさんが駆け寄ってくる。


「シオン様、領主様の指示により大人数の移動手段を確保しました」

「なら、ここにいる人達を乗せてエルフの集落へ急行。向こうへ到着後はエルフの長から報告を聞き、それ次第でエルフ達を運んだり、必要な物資の伝達と運搬のためにこっちへ戻ってもらう」

「承知しました。では皆さん、こちらの籠へ乗ってください!」


 バハードさんの掛け声で村長以外の人達が籠へ乗り込んでいき、向こうで使うスコップも籠へ乗せる。

 俺も同じく荷物を手に乗り込むと、危ないから飛行中は籠の中で暴れず顔を出さないようにと注意を受け、肩にロープを斜め掛けにした竜人族の人達によって籠が浮上。

 村長に見送られ、空中に浮く感覚に戸惑う人達と鳥系の獣人族達と共に空へと旅立つ。

 それにしても、たった十人で六十人近い人数と荷物を運ぶなんて、凄い力だな。

 でも考えてみれば、自分よりも大きなフィンレッグシャークを何度も軽々と持ち上げていたんだから、これくらい出来ても不思議じゃないか。

 それからしばらくは空の旅を楽しむ、なんてことはせず、有志の人達と現地での動きについて相談したり、村の状況を詳細に教えてもらったりした。

 村長からの報告通り、転倒による軽傷者が出た以外はこれといった大きな問題は起きておらず、古い家屋で雨漏りがあったくらいとのこと。


「集落が見えてきたぞ! もうすぐ到着だ!」


 バハードさんの声で全員の表情が引き締まる。

 鳥系の獣人の一人が先触れとして先行すると言い残し、俺達の上を通過して飛んで行く。

 外を見れずとも高度が下がっていくのを感じながら到着を待っていると、やがて籠が地面に降りた。


「到着だ。もう動いていいぞ」


 それを聞いて一斉に籠から出て行く。

 俺もそれ続いて籠から出ると、そこは酷い有様だった。

 土砂崩れによって押し潰された家屋、辺り一面は水溜りや泥ばかりで、家屋には直撃していないけど大きな石があっちこっちに転がっている。

 数人のエルフがそれを片付けていたり、使えそうな物を回収したりしている。

 想像以上に酷い有様に、有志の人達も辺りを見渡しながら呆然としていた。


「おおっ、救援の方々ですな。お待ちしておりました」


 鳥型の獣人に連れられて、顔に皺のあるエルフが駆けて来た。

 あの人は結婚式で見たことがある。エルフの集落の長を務めている長老、ワイズマンさんだ。


「ワイズマン、無事でなによりだ」

「これはシオン様。わざわざ来てくださり、ありがとうございます」

「挨拶はいい。義母上が支援の準備を進めているから、詳細な状況説明と必要な物資の報告を頼む」

「承知しました」


 ワイズマンさんの説明によると、竜人族の人が伝えてくれたように人的被害は無し。

 家屋は全壊したのが四軒、半壊が二軒。

 他の家屋も小さな損壊が出ているものの、そちらは今すぐ倒壊を招くようなものではないとのこと。

 深刻なのは食料で、備蓄庫が土砂と倒木で一つ全壊し、さらに他の備蓄庫では落石で屋根が壊れて食料に雨が降り注いで傷みだしているらしい。

 おまけに全壊した備蓄庫には塩が大量に保管してあったようで、塩も不足しているそうだ。


「薬や生活必需品は?」

「薬師の家は無事だったので、薬は材料を含めて大丈夫です。しかし家屋への被害で生活必需品が不足しています。今は無事だった家から借りて使い回し、どうにか凌いでいます」


 すぐに必要なのは塩と食料と生活必需品か。


「集落からの避難は必要そうか?」

「二次災害が起きる恐れはありますが、避難所が建っている位置は安全なので必要は無いかと」


 避難の必要は無いけど、物資で必要な物が有る。

 確か屋敷を出る前に義母上から言われた、こういう時の対応は……。


「分かった。皆、聞いてくれ」


 まずは鳥系の獣人の一人に頼み、ワイズマンさんから受けた説明を義母上へ伝えるよう指示して、一足先に飛び立たせる。

 残りの二人は緊急時の連絡要員としてここに残ってもらい、上空から土砂崩れの起きた山を偵察。

 竜人族の人達は物資の運搬を頼むのと別への支援もあるかもしれないから、乗ってきた籠と一緒に村へ戻って義母上の指示を仰ぐように伝えた。

 俺は有志の人達と共にワイズマンさんの指揮下に入り、土砂や倒木の撤去作業を担当することになった。


「では、行動開始!」

『おうっ!』


 鳥系の獣人族達と竜人族達は空へ飛び立ち、俺達はワイズマンさんの指揮で活動を開始する。

 集落の後片付けの手伝いに十名を残し、他は崩落で塞がった道の復旧へ向かう。

 橋の方はまだ川が溢れた状態で危険だから、こちらを優先するとのこと。


「シオン様も一緒に来ていただけますか? 実際に現場を見ていただきたいのです」

「分かった」


 集落のことを息子に任せたワイズマンさんの案内で崩落現場へ向かうと、山沿いにある道が想像以上の量の土砂や倒木で塞がっていた。


「こ、これは……」

「相当な崩れようだな……」


 土砂や倒木を前に、誰もが厳しい表情を浮かべた。

 気持ちは分かる。崩れた土砂の山は思っていたよりも高くて広範囲に渡っている上、何本もの太い木々が土砂から飛び出ている。

 大きな石や岩も見えるし、木々には雷によるものか焦げ跡がある。


「雨が降っていたお陰ですぐに消えましたが、落雷による火災もありました。上の方にはその痕跡が残っています」


 ワイズマンさんが指で示す方向には、遠目ながら燃えて黒くなった木々が見えた。

 それが直接の原因かは不明だけど、今は原因を探るよりも土砂に対処しないと。


「これをどうすればいい?」

「全てを除去するには時間がかかりますので、道を確保できればそれで十分です。ただし除去した箇所がまた崩れる恐れがあるますので、気をつけてください」

「分かった。いくぞ!」

『おうっ!』


 各々がスコップを手に土砂の除去に取り掛かる。

 だけどこれ、道の確保だけでもどれだけ時間が掛かるだろうか。

 不安は的中し、作業は遅々として進まない。

 足場が悪い上に水を吸った土は重くなっていて運び辛く、所々に両腕で抱えるほどの石があったり、倒木を除去するにはその周辺の土を掘り返さなくちゃならない。

 あっという間に疲労は溜まっていき、腕も足腰も重くなってきた。


「くそっ、キリがねぇぜ」

「魔法でぶっ飛ばせねぇかな?」

「アホ! んなことしたら、余波で余計に崩れるかもしれないだろ!」


 叫んだ誰かの言う通り、そんなことをすれば二次災害を誘発しかねない。

 だから身体強化の魔法を使う人以外は、無暗に魔法を使っていない。


「せめて倒木だけでも、土から強引に引っこ抜ければ幾分かマシなのによ!」

「周りを掘り返すのも一苦労だぜ」


 まったくもってその通りだ。

 目の前で半分以上が土砂に埋まり、根っこ付近しか出ていないこの倒木を、一気に引っこ抜ければ……待てよ?

 ……うん、あの調理魔法を使えばいけるかも。


「皆、ちょっとこの辺りから離れてくれ」

「シオン様? 何を?」

「いいから早く。試したい事がある」


 首を傾げながらも皆はその場を離れ、安全のため俺も倒木から少し距離を取る。

 魔力を集中、目標は土砂に埋まった木の見えている部分、それをガッと掴むようにしてギュッと固定して魔力をググゥっと注いで魔法を発動。


「骨抜き!」


 魔法名を叫びながら、身に見立てた土砂から骨に見立てた倒木を引っこ抜く。

 土砂が重くて魔力はそれなりに使ったけど、倒木を土砂から引っこ抜くことに成功した。

 木が抜けた箇所の土は沈んだだけで、崩れる様子は無い。


「うおぉっ! マジかっ!」

「やるじゃねぇか、若様!」


 周囲からの歓声を受けつつ、引っこ抜いた倒木を人が居ない場所へ転がす。

 よし、これならいける。

 本来は捌いた後の魚や肉から骨を抜くための魔法だけど、上手く応用できた。


「倒木は俺が引き受ける! 皆は土砂に集中してくれ!」

『おぉぉっ!』


 張り上げた声に皆も応えてくれている。

 さあいこうか、これが今の俺にやれることだ。


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