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第6話




 翌朝。

 私はいつものように朝日と共に目を覚ました。

 なんか、今日はあまり満足に眠れた気がしないわ。昨日のことが気になっているせいかも。


 何者かに狙われてるシャル。それは王位継承者であるのだから当たり前だろうけど、あんなに露骨なのは初めてだ。

 私が外にいて気付いたから良かったものの、少しでも反応が遅れていたらどうなっていたことか。


「ゲームでこんな話、あったかしら」


 過去の話に触れるシーンはあったけど、こんな大きな出来事を語るエピソードはなかった。

 そりゃあゲームで全てを知れるわけじゃないから当然だけど、過去に、それもゲーム本編の一年前の誕生日での出来事だ。少しくらいは作中で触れててもおかしくない。

 私が家出をしたことで大きくストーリーが変化してるのかもしれない。ここから先はゲームでの知識はあまり役に立たないかもしれないわね。


「頻繁にシャルのことを見に行くしかないか……」


 あんまり近くに行ってバレるのも嫌だけど、昨日のようなことがまたあると心配だわ。

 私の誘導ミスディレクションはあくまで視線や気配を他のものに移すもの。完全に姿を消せるような便利な能力じゃない。

 前世での世界だったら一般的にマジシャンが使うような手法。この世界が魔法のある世界だから魔力を用いて敵の目も欺けるものだけど、凄腕の魔道士や剣士とか、とにかく強者には通用しない。

 今どうにかなってるのは、このヴァネッサベルという人物のステータスがほぼカンストしているせいだ。

 そう言えば響きはいいけど、裏を返せばこれ以上の伸び代がないということでもある。

 ベルは強いけど、これ以上の強さを望むことは出来ない。

 私がどんなに山暮らしでこの体を鍛えたとしても、多少の筋肉が付くくらい。魔力的な強さはこれ以上は上がらないってこと。まぁゲーム内でのベルよりかはちょっとだけ腕力が付いたってくらいね。あれは乙女ゲームだからそういうパラメーターはないから、実際どんなものかは分からないけど。

 てゆうか、ベルは体を鍛えたりはしなかったでしょうね。この魔力特性と狡猾な性格で人を騙して利用してきたのだから。

 彼女の強さは肉体的なものでも魔力特性でもない。あの性格あってこそだ。


「うーん。基本のストーリーは何周もしたけど、バッドエンドまでは何周もする勇気はなかったわねぇ」


 ここはもうゲームではなく私の現実。君100のストーリーをなぞるようなものではない。

 それに、私はまだあのゲームの二章をやってない。だって配信前だったし。だから知らないことだってあるわ。シャルのその後のストーリーを知らないもの。攻略キャラと結婚したあとのストーリー見たかったわ。

 まぁ、そのストーリーの中にベルはもういないけどね。


 私はいつもの日課をこなすため、外に出て作物の世話をする。

 水やりを終えたらシャルの様子を見に行きましょう。

 そうだ。動きやすい服を新しく作ってみたのよね。ベルはもうお姫様じゃないからドレスなんて着る必要はないし、むしろ私はコスプレで男装とかしてみたいタイプだったのよ。

 この世界なら好きなことが出来る。ベルのルックスは細身で、そこそこ身長もあるから男装だって似合うわ。

 シャルを守るために暗躍するなら、それっぽい格好をしないとね。

 今まではこっそり覗く程度だから服装なんて特に気にしなかったけど、今後は本格的にあの子を守るために行動するんだから、ローブだとちょっと動きにくいわ。

 そうだ。顔を隠すのも、なんか別の方法はないかしら。ローブだと前が見にくいのよ。そうね、仮面とかいいかも。いや、それはちょっとやりすぎかな。


「……ふふっ」


 あー、楽しい。




読んでくださってありがとうございます。

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