第八話 新たなる敵 その名はダーククラーケン
封印後僕は自分の姉のことをフルル以外に話した。みんなは一様納得してくれた。
色々あったので港に行くのは少し後にする。
そして数日が過ぎた。
「ねぇ、お姉ちゃんは僕のパーティーに入ってくれる?」
と聞く。
「いいけど、私はやらなきゃいけないこともあるの」
とこちらを見る。
「もしかして、兄のこと?僕はあったことないから分からないけど」
とフレアは言った。
「そう。フレアには兄もいたの。いまはどこかに捕まっている」
とプルは悲しそうに言う。
「なら、お兄ちゃんを見つけないとね。さぁ、いこう次の大陸に、港にね」
とフレアは立ち上がる。
「えぇ」
二人は宿屋を出る。そこにはみんなが待っていた。
「遅かったね二人とも何か話していたの?」
とルルが二人に聞く。
「うん。ちょっとね。さぁ、気を取り直して行こう渚の港に」
とみんなに言った。
みんなはうなずいてくれた。
港に向かう最中魔物も出てきたけど難なく倒せた。それぞれがいた村のことを聞いた。
そして、渚の港に着いたのだが僕たちが見た光景は船はボロボロに砕かれ、地面には血が飛び散っている港だった。
「な、何だよ。船がボロボロじゃないか」
とライフが言う。
「もしかして、ここもドラゴンの襲撃を受けたのかな?もしくは別の魔物かも」
とフレアが少し考える。
僕たちは港の中をくまなく見た。生存者は居るか、何か手がかりはないかと、そしてフルルが見つけたのだ。この渚の港をこんな風にした魔物の手がかりを。
「おい、こっちを来てみろ」
とフルルが言う。
僕たちはフルルの声で集まる。
「どうしたの?何か手がかりでも見つけた?」
とパールが聞く。
「ああ、この港を襲った魔物の正体はダーククラーケンだ。見てみろ。ここに吸盤がくっついている。それにこの黒い液体、イカスミだ」
とフルルが言う。
「だ、ダーククラーケン!あれは海の殺し屋だぞ。まさか討伐するつもりじゃないよな」
とライフが驚きながらいっている。
「うん。討伐しないといけないね、港をこんな風にしたんだ。いかしておくわけにはいかない、でも相手は海の殺し屋。海に出たら相手の思う壺だ。陸なら勝ち目はある」
とフレアが言う。
「よし、ならいまは準、!」
とライフが動こうとしたときイカの手が海から出てきた。
「あれがダーククラーケンの手だよね」
とプルが言う。
「うん。怖いけど戦う」
とプルルは槍を構える。
その時地面からイカの手が出てきてプルルとプルを捕まえた。
「くっ、離しなさい」
とプルは手で抜けようとした。
しかし、固くて抜け出せない。
「きゃあー!へんなところ触らないで」
とプルルが悲鳴をあげていた。
「くそがぁー!くたばれ!」
とフルルがイカの手に攻撃をした。
すると、ビクビクとしてプルルを離し地面に潜っていった。
「ならあっちも」
とフルルが攻撃しようとしたとき
触手がしなりプルを放り投げた。
「きゃあー!!」
とプルは投げ飛ばされ崩れた民家にあたった。
「ぐはぁ」
プルはその場で血を吐き目を閉じた。
「死ね!!クラーケン!」
とフルルは怒りを込めイカの手に攻撃をした。
「なんなのよ。いった!い?」
とパールが自分の体を見た。違和感があったのだそれは槍が腹を貫いて刺さっていたのだ。
「ぎゃあーーー!!!」
と言うパールの悲鳴にみんながパールに近づく。
「な、何だよ。これ!なんでパールに槍が!」
それはプルルに買ってあげた槍ににていた。
「プルル!プルルは何処だ」
とフレアが言う。
「はい。ここにいます。どうしたんですか?」
とプルルがフレアに近づく。
「槍はあるか?」
と聞く。
「はい。あります」
と槍を見せた。
「回復魔法を覚えているよね。それでパールの傷を直してくれないか。こっちの方は僕が見ておくからと言う。
プルルはパールに刺さっている槍を抜こうとする。
「いだ、いだい」
と悲鳴をあげる。
「我慢してください。直ぐに抜いたら特上回復魔法をかけますので」
とプルルが言う。
泣きながらパールはうなずく。
そして、プルルは槍に手をかける。
「はぁー!!」
と勢いよく槍を抜いた。
「ぎゃあーーー!!!」
と言うパールの大きい声に焦っていた一同が我に返る。
「ハイパーグレートヒール!」
とプルルが唱えた。
すると、みるみると傷が消えていった。
そして、パタリとプルルが倒れる。
「プルル。魔力を使いすぎたのねはぁはぁ」
とパールはプルルを抱き抱え近くの廃民家で横になった。
「みんな生きていてよ」
とパールが言う。
その頃、
「ルルこの町にバリアをはってくれ」
とフレアが言う。
「分かったわ。フィールドバリア!」
と言うとバリアが港を包み込んだ。
「はぁ、何とかこれで少しは防げるはずだ」
とライフが言う。
僕はプルに近づき、胸に耳を当てる。
ドクンドクン
心臓の音が聞こえた。
「よし、生きてる。回復魔法」
とフレアがルルに言う。
「スーパーヒール」
と唱えるとプルの傷が消え目を覚ました。
「うぅ、たしか私は吹き飛ばされて、うぅ、記憶が」
とプルが頭をおさえる。
「すまんが俺とプルで話がしたい」
とフルルが言った。
「いいよ。僕たちはパールたちを見てくるから」
といい二人を残した。
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「ごめんな。夫の俺が妻のお前を守れず」
とプルの目の前で膝から崩れ落ちる。
「いいよ、プルルを助けたのは間違いじゃないよ」
とプルは優しく言う。
「次は必ず妻のお前を守る。自分の体をいや命を犠牲にしてでも!」
とフルルは強く思った。
「ありがとね。あなた」
とプルがフルルに抱きつく。
「ああ、必ず守るから」
といい抱き締める。
その頃、プルルの方は
「うぅ、少し寝ていたのね」
とプルルが目を覚まし辺り見る。
「おーい二人とも大丈夫か?」
といち早くこちらに向かって来たのはライフだった。
「うん。大丈夫だよ。パールもいまは寝ています」
とプルルが言う。
「良かった。今、ルルがバリアフィールドをはってくれているので今は大丈夫だけどいつまで持つか」
と不安そうにライフが言う。
「大丈夫だよ。私たちのリーダーフレアがいるから」
とプルルが言った。
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