第六話 僕の姉
僕たちは酒場でサラダを食べ、外に出た。出た頃には夕暮れ空だったので宿屋に泊まることにした。
「船なんて乗ったことないから楽しみだねフレア」
とルルがニコニコしながら言った。
「そうだね。今頃あいつらは何してるんだろうな?」
とフレアはルルに向かって言った。
「あんな人たち私嫌い。だって貧乳女って言ったのよ。男なんてでかいものしか興味ないってことね」
とルルは不機嫌そうに言う。
「僕はルルのこと好きだよ。別に貧乳だからなんだよって話だし、大きかったら戦いの時に邪魔になりそうだしね」
とフレアがルルを見ながら言う。
「ほ、ほんとフレアは急に言うよね。で、でもありがと」
とルルは頬を赤らめる。
「ちょっとちょっと、そこのお二人さん私も同じ部屋だってこと忘れている?」
とパールが布団から顔を出してこっちを見ている。
「ごめんごめん、プルルのこと考えていたんだよね」
と少し暗い顔で言う。
「何暗い顔してるのよ。もしかしてフルルとライフがプルルを襲うっていやいやそんなわけないでしょ。あいつら幼女好きではないしね」
とパールがクスッ笑う。
「だよね。明日は早いし早く寝ようルル」
とフレアがルルに布団をかけ、布団に入る。
「・・・、懐かしいね。二人で布団に入るって」
とルルが言う。
「そうだね。プルルくらいの歳だっけ、いっつもルルと布団に寝てたね、それにお風呂も」
とフレアがボソッと言う。
「それはもう恥ずかしいから言わないで」
とルルが顔を赤らめる。
「何?もう遅いし私は眠いから先に寝るね」
とパールが言う。
「お休み」
と二人が言う。
「そろそろ寝よう。お休みルル」
とフレアはルルに引っ付く。
「お休み。フレア」
とルルはフレアに抱きつく。
その頃に隣の部屋では
「なぁ、俺たち二人は良いとしてプルルはこんな男二人の部屋は嫌か?」
とフルルが言う。
「嫌じゃないです」
と部屋の隅っこで座りプルルがこちらを見る。
「いや、絶対俺たちと一緒の部屋嫌だよね。めちゃくちゃ分かりやすい嫌がり方」
とライフが言う。
「なんと言うか、嫌いじゃないです。けど、お母さんから聞いたんです。お父さんみたいな男の人は臭いが臭いから近づかない方が良いって」
とプルルは二人を見ながら言う。
「あ、ああそうか。臭いか、でもねプルルその臭さは仕事だったり冒険だったり何かを頑張って出た臭いなんだよ。だからね臭いって言ったらダメだよ。君のパパも二人に楽してもらいたくてお仕事頑張ってるからね」
とライフが悲しそうに言う。
「いや、めっちゃくちゃ落ち込んどる」
とフルルが言う。
「分かった。もう臭いって言わない、ふわぁ~」
とプルルがあくびをした。
「プルル眠いのか、この部屋なぜかベッドひとつしかないんだ。俺たちは端でねるからプルルは真ん中で寝な」
とフルルが言う。
プルルは頷き、ベットの真ん中で寝転がるとすやすやと寝始めた。
「いや寝るの早。まぁ、これくらいの子は当たり前なのかな?」
とライフはプルルに布団をかけた。
「お前は寝ないのか?」
とフルルがベッドから出て窓を見る。
「いや、まだ寝ない。なぁ、お前はどうして冒険家になったんだ?」
と真剣な顔でフルルを見る。
「大した理由はない」
と外を見ながらライフに言う。
「そうか。俺はなもっと強くなりたいって思って冒険家になったんだ。家族を守れるようにってな」
とライフが言う。
「成れるといいな」
といい、布団に入るフルル。
「お前もな」
といいライフも布団に入る。
早朝
「ふわぁ~、眠いな」
とフレアが布団から出て目を擦る。
「目覚めにやっぱりこれだな。ウォーターボール」
と唱えると水の玉が現れる。
バシャバシャ
「おっとこんなところに布が」
とフレアが布で顔をふく。
「ぷはー、目覚めスッキリ。さてウォーターボールは窓の外に押し出して」
とフレアはウォーターボールに手を構える。すると、ウォーターボールが動きだし、窓の外まで出た。
そして、フレアが指をならすとひゅーと地面に落ちた。
バシャ
「よし、これでオッケー」
と窓を閉めようとしたとき宿屋の前に懐かしい人が立っていた。
「あ!」
僕のお姉ちゃんだ。小さい頃に冒険家になるために家から出ていったのだ。直感でそう思った。
僕は部屋を出てお姉ちゃんのところまで走った。
「お姉ちゃん。会いたかった」
とフレアが姉に抱きつく。
「大きくなったねフレア。あの時よりも」
フレアの頭を撫でながらと言う。
「あの時?」
とフレアは顔をあげる。
「ドラの町の時だよ。あの時はルルちゃんと一緒にいたよね」
とお姉ちゃんが言う。
「うん。そうだよ。何で知っているの?」
とお姉ちゃんに聞く。
「それは見てたからね。ねぇ、フレアは私のこと好きだよね」
とフレアに言う。
「うん。お姉ちゃんのこと好きだよ」
とお姉ちゃんのお腹にかおをすりすりした。
「なぁ、お前フレアの姉だったのか」
と男が言った。
フレアが声の方を見るとそこにはフルルが立っていた。
「フルルも早起きなんだね。それよりこんなに早くにどうしたの?」
とフレアがフルルに聞く。
「俺は早起きなだけだ」
と言った。
「あなた。フレアのパーティーに入っていたのね」
とお姉ちゃんがフルルに言う。
「ああ、そうだ。お前こそどうしてここに?」
とフルルが僕の姉に聞く。
「フレアを監視しろって上から言われてね。理由は知らないけど」
とお姉ちゃんが言う。
「監視?お姉ちゃんは冒険家じゃないの?」
とフレアがお姉ちゃんを見る。
「ごめんね。私は冒険家ではなくて今は殺し屋なの」
とお姉ちゃんが言った。
「え?!」
僕は口が開きっぱなしだった
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