第三話 元伝説の冒険家の剣
長老の後をついていくと祠が目の前にあった。
そこには少し錆れていた剣が置かれていた。
「この剣は?」
とフレアが長老に聞いた。
長老は剣を持ちこちらに向き
「これはワシが冒険家だった頃に使っていた剣じゃ、いまは錆れ使えんじゃが町の鍛冶屋ならこの錆も取ってくれて元の綺麗な剣となる。ほれ」
と長老はフレアに剣を渡した。
「ありがとう長老。大切に使うよ」
とフレアは背中に剣を背負った。
「ルルには魔力を強化してあげるのじゃ」
と言いルルに手を向け何かを呟く長老。
何事もなく終わり、長老はふーっと息をはいた。
「え?終わったの?」
とルルが聞く。
「あ、ああ終わったぞ」
と長老が言う。
「あ、ありがとうごさいます」
とルルが言う。
そのあと長老と少し話、村のお店で薬草を買った。他にも色々買ったがこれらは戦闘時にしか役に立たないものばかり。空を見上げると日が傾きかかっていたので今日は村で寝ようと思う。
「ねぇ、さっき買ったもの見せてよ。何買ったの?」
とルルが言う。
「まぁ、良いけど。はいこれ」
フレアポケットから御札を出した。
「お、御札!何でこんなものを?」
とルルが言う。
フレアはニコッとし、
「戦いの時に役に立つ御札だ。例えばこれ、人が手で守っているような絵だろ。これは守りの札なわけ。これのお陰であらゆる攻撃を軽減してくれる御札。持ってるだけで効果があるから冒険家なら持ってて当然だけど」
とフレアが言う。
「私買ってない」
と悲しそうにルルが言う。
「ごめんごめん。はい、ルルの分も買ってあるから」
とフレアはルルに御札を渡した。
「これは?」
とルルが聞く。
「これは魔力強化の御札だよ。魔法使いがよく持ってる御札だね」
とフレアが言う。
「ありがとうフレア」
と言い抱きつく。
「こら~抱きつくな~」
とフレアが優しくルルから離れる。
そのあとも、御札の話をし村の宿屋で一夜を過ごした。
翌朝
「よし、行こう。ルル」
とフレアが嬉しそうに言う。
ルルは目を擦りながら
「どこ行く気?」
と聞いた。
「あ!」
と言うフレア。
はぁ~とルルはため息をつき
「次の場所を示してくれるアイテムとか無い?」
とフレアに聞く。
「そんな便利なアイテムなんて持ってないよ」
とフレアが言う。
その時、ドカーンと言う音が聞こえた。
「ま、まさか!」
とフレアが宿屋から出る。
「ちょ、ちょっと待ってよ」
とルルも出る。
そこで二人が見たものはドラの町で見たドラゴンだった。
「こっちにき、気づいてない。流石長老の魔法だね」
とフレアが言う。
「ねぇ、ちょっとあれ見てよ」
とルルが指差した。
そこにはもう一体のドラゴンが居た。
「二体居たのか。でも、大丈夫なはずこの村には魔法がかかってるんだから」
とフレアが言う。
「ねぇ、ここからでたほうがいいかも。この魔法、段々弱くなってない?」
とルルが言う。
不思議に思い回りを見渡すと村を透明化する魔法のバリアにヒビが入っていたのだ。
それは少しずつ大きくなっている。
その時長老が歩いてきた。
「二人とも皆を連れてこの村からでよ、もうこのバリアは砕ける。ワシはこの村と共に散る」
と長老が言った。
「で、でも」
とフレアが言う。
「お前たち二人はワシらの希望じゃ。早くみんなを連れていけーーー!!!」
と一度も聞いたこともない大きな声で言った。
その言葉で僕たちは他の人たちを連れて村を出て近くの森に身を潜めた。
そしてみんなを連れて数分後パリンと言う音と共に村が大爆発した。
「くっ」
爆風が来た。
爆発の衝撃で二匹のドラゴンはどこかに飛び去った。
「行ったか?」
と一人の村人が言った。
他の村人も辺りを見たがドラゴンは居なかった。
「長老」
とフレアは涙を流した。
ルルはフレアに覆い何も言わなかった。
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