第二話 編み出し魔法と元伝説の冒険家
翌朝
「ふわぁ~、もう朝か」
とフレアがベッドから目覚める。
ふと窓を見た。僕たちが昨日居た町が見えたが煙が上がっていただけだった。
「一体なんなんだろうあのドラゴンは?もしかしてあれが伝説の龍?まさかそんなわけないよね伝説の龍だよ。そう簡単に出会えるわけないじゃん」
と言いベッドから起き上がりウォーターボールと唱えると目の前に水の玉が現れた。
「よし、成功だ。早速顔を洗うぞ」
フレアは水の玉に顔を突っ込んだ。
ばしゃばしゃ
「ふーっ、スッキリした。やっぱり冷たい水は目覚めにいいな」
と言った。
すると、横で寝ていた幼馴染みのルルが目を覚ましこっちを見た。
「何これ?水が宙に浮いてる」
とルルは驚いた顔でこちらを見る。
「あはは、驚かせてごめんね。これは魔法で、ウォーターボールって言う魔法なんだよ。水を宙に浮かせる魔法なんだ」
と得意気にルルに言う。
「へー、私も魔法使いの見習いだけどそんな魔法聞いたことないけど?」
とルルがじーとこちらを見た。
「あはは、ルルには敵わないな。そうだよ、これは僕が編み出した魔法なんだよ。他にも色々編み出したけどそれはまた見せるよ」
と言い剣と荷物を持った。
「分かった。さすがね、″編み人″フレア」
と言いルルも荷物を持った。
二人は宿屋を出て村に向かった。僕たちの村は特殊な魔法で村ごと姿を消している。何でかって、それは昔僕が生まれる前なんだけどね、母さんから聞いた話はこの村をドラゴンが襲ったんだよね、それが伝説の龍でそれでこの村の長老が不思議な魔法でこの村を囲ったんだって。それからこの村の住人以外は入ることは愚か、見つけることも難しいと思う。
二人は話ながら村まで歩いた。そしてあるところでフレアが止まり、手を前に伸ばし何か唱えた。
すると、目の前に大きな門が現れた。
「何度見てもやっぱりすごいね。早速入ろう」
とルルがフレアの手をつかむ。
「うん」
と言い、二人は門をくぐった。すると、後ろの門をみると門がじわじわと溶けていった。
二人は村の長老の家に向かった。
「あのドラゴンのことも知ってるかな?」
とフレアが言う。
「知ってるんじゃない?あの人は元伝説の冒険家なんだから、知らないことなんて無いんじゃない」
とルルが言う。
「そうだね」
二人は長老の家につき扉を叩いた。
コンコン
「おう、入っていいぞ」
中から声が聞こえた。
二人は中に入った。
「お邪魔しまーす」
そこには少し老いぼれのおじいさんが座っていた。
「長老。実は聞きたいことがあるんです」
フレアは長老に向かって言った。
すると長老は心を見透かされているような目をし、
「ドラの町を襲ったドラゴンのことじゃろ」
二人はビクッとした。
「ワシも見ていたんじゃ、あのドラゴンなんじゃがワシも見たことがないドラゴンなんじゃ。もしかしたらあれが伝説の龍なのではないかとワシは思っているんじゃ」
と長老は言った。
二人はへーと言い
「確かに近くで見た訳は無いけど体もゴツゴツしているし、岩石龍みたいだったねルル」
とフレアはルルの方を見た。
ルルは頷き
「あれが飛び回って居ると思うと他の村の人たちは大丈夫なのかな」
とルルは下を向いた。
「お前さんたち、先に聞いておくがあのドラゴンと戦う気はないじゃろうな」
と長老はいった。
「いいや、僕はそのドラゴンを倒したい。僕の夢は伝説の冒険家なんだからあんなドラゴンくらいで怯えるわけにはいかない」
とフレアは言い立ち上がった。
すると、長老ははぁ~息を吐き
「そう言うと思ったわ。ではついて参れ」
長老は立ち上がり玄関に向かった。
「僕たちも行こう」
「うん」
二人は長老あとを追いかけた。
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