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異世界陰陽師  作者: 狐好き
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森をぬけて

お久しぶりです!

 頭を撫でられている感覚。お母さん? ……ハッ!? そういえば俺気絶したんだった、なんで? なんで気絶した? …………アッ。


「ようやく気が付きよったか」

「くぁwせdrftgyふじこlpッ!?」


 思わず勢い良く立ち上がり、そのまま地面に突っ伏し某犬〇家のように地面に突き刺さりそうになる。身体能力ぅ、ですかねぇ……割と本気で危なかった気がするというか危なかったでござる。危ない危ない、ほんっとに危ない。俺じゃなかったら死んでた、というか黒ね……シデナさんが尻尾で助けてくれなければ普通に死んでたかもしれない。九死に一生を得たぜ。

 周りは静かな森だった、幸いにもまだ昼過ぎ辺りのようだ。夜だったら死んでたかもしれんな。シデナさんいるし大丈夫か。


「シデナでよい」

「……今まで通りは?」

「ダメじゃ」

「ウッス、シデナ」


 恥ずかしいけどな。視線だけで殺されそうだったから従うしかない。ヒェッ、心読まないで怒らないで。シデナが笑顔でこっち見てくる! 笑ってない笑顔でこっちを見てくるよぉ……ちょっと興奮するゲフンゲフン。

 これは癖になるかもしれんなぁ……グロ画像好きってSらしいけど俺がMだったらその理論崩壊するな。ゆっくり虐待はいいぞぉ。

 なんて自分を落ち着かせるために無駄な思考をしているとシデナさ……シデナが立ち、服に着いた土やゴミを払った。気のせいかゴミが不自然な動きをしてた気がする。ゲッダン☆してたよ今ゴミが。

 そして、久しぶりに見る黒い巫女服をついまじまじ見てしまう。上半身の方には八重撫子があしらわれており、下半身の方には大和撫子……日本在来の撫子をそう呼ぶ、日本らしい女性やドラマの方じゃないよ? 誰に言ってるんだろ。


「博識になったのぉ。昔は山で捕ってきた虫や獣を見せに来るくらいヤンチャ坊主じゃったのに」

「……シデナに関することだけだがな。会えなくなってから色々と調べてたもんで」

「ンンッ……そ、そうか」


 照れてるの可愛い!! 可愛いッ!!!! 可愛いッッ!!!!!! 大事なことなので三回言いました。本当に可愛い。何が可愛いって耳と尻尾が感情を如実に表しているのが見ていて可愛い。この、昔から仕草に感情が出るの大好きだわ。なんて考えているとシデナがさっさと行くぞと目で訴えかけてくる。涙目だったら落ちてた自信あるわ。可愛い。もうなんというか可愛い。

 綺麗系に見えるけど実は可愛い系なんだよなぁ。うん、好き(脳死)。まぁ、ね、デキる社畜はこんな邪まなこと考えてゲヘゲヘしてる間に、用意を終わらせるのさ。ちゃんと仕事しないと首になる世界線のブラック企業だからしょうがないね。ザンギョウダイドコ? ココ?


「さてと、行きますかねっと」

「お主今私が過去見たこともないほど心が闇にまみれておるぞ……吐き気を催しそうじゃ」


 ゲロ以下の匂いがするのかな、今の俺の思考……ただこの世界の力のまま現代に帰ったら上司を皆殺しにしてやりたいと思ってるだけなんだけどなぁ。俺はノンケだって言ってんのにホテルに誘ってくるきもい上司は死ね。早急に死ね。


「それには同意する」

「心読まないで? いや、永遠の21歳の俺の心なんて見てるだけで汚れるよ?」

「私これでも神様じゃぞ? 何なら邪神と呼ばれておるんじゃが?」


 そういえばそうでしたね。それがどうした俺はガチ恋勢だ。

 森の風景は恐ろしいほど様変わりしなかった、すごく暇だった。時折シデナと話しながら歩くこと3時間程、ようやく森の出口が見えてきた。森の向こうにはしっかりと町が見える。


 今日は森を少し離れたあたりで野宿にする。一応道すがら枯れ木を拾っているので焚き火の用意は万端だ。ただ火をつけるのがめんどくさすぎる。どれくらい面倒かというと、某金属の歯車3で、ハゲスナイパー倒した後の歌流れるクッッッッッッッッソ長い梯子だ。

 あれ小学校の頃萎えてた記憶がある。ジ・エン……じゃねぇハゲスナイパー倒した高揚感が一気に冷めた。まぁ、その後再加熱するんだけどさ。個人的にPWとV、あと4が好き。フォックス・ダァーーイ…………じゃなーーーーい!! リキッドォォォォォォォオ!! オッサン二人の追いかけっこ見て笑ってたな、そういえば。


「? よくわからんが火は私が付けられるぞ?」

「あの色の炎は目立たないだろ……」

「心配するでない。ちゃんとした火をつけることもできる。ホレ」


 そういって人差し指の先にオレンジの炎を出すシデナ。すげぇな。にしてもなんであの炎は暗かったんだろ。あと火力があんな核兵器並みに高かったんだろう。灰すら残らないは本当にヤバいのでは?


「あれは、火の温度を上げてそれに私の妖力を混ぜ込んだからじゃ」

「なるほど……高温の青い炎に黒とか紫系統が混ざってたのか……のか?」

「いぐざくとりーじゃ」


 さてはまた俺の心読んだな。あの兄弟意外と好きなのよね。皐月賞での120億の一部に入ってそうなところとか。俺の6万……未成年なのに知り合いに頼んで買ってもらった罰か。

 まぁ、んな感じで少々昔の嫌なことを思い出していると日が暮れてきた。街道の近くの適当な場所に枯れ木を置き、ついでに周りからも枯れ木を集めて置く。そしてそれをシデナが燃やすと……おお、量多かったかな? ガスバーナー顔負けの火力してるんだが。取り敢えずパンを焼く……2つな、食料も少ないし働いて買わなきゃかっこ使命感かっことじ。


「……タロウ。さてはお主疲れておるな? それも相当」

「そうだね~なんで疲れてるのか、分かるか?」

「……私?」


 そうだよ! とは言わずに遠い目をしておく。一日に2回以上気絶するとか初めてですわ! 一体どうなってるんですの!? うん、俺はお嬢様部じゃないわ。何考えてんだろうな、ホント。シデナが冷ややかな目で見てくる……泣きたくなってきた。癖になるとか言ってすいませんそんなことないです普通に辛いです。


 にしても、こう星と月……月? 月っぽい何かの光と焚火の炎に照らされているシデナは本当に綺麗だ。そう言えば狐面はどうしたっけと思うと、シデナの右腕にいつの間にか握られていた。マジックかな? さて、話を戻そう。狐の時にも芸術品みたいだなぁ(小並感)と思っていたが、人間……人間? の姿の時は絵画みたいだ、どっちにしろ芸術品か。


 肌は陶磁器のように白く滑らかで、絹のような柔らかさがあった。体型も黄金比か白銀比なのか見ていて圧倒的に美しい。こう、見てて飽きないというか、飽きない! いや、マジで。髪も綺麗な黒でサラサラしてるし、髪や肌と合う黒の巫女服、巫女服も良い生地なのかシデナにベストマッチだ。顔も整ってるし本当に、こんなにいい人と両想いで付き合えてるとか……俺明日死ぬんじゃないかな? キボウノハナーしちゃうんじゃないかな!? オイオイ、死んだわ俺。


「死なぬよ。私が守るからな」

「あらやだ男前。心読まないでくれない?」


 何度言ってもナチュラルに心読んでくるのやめてほしい。閉心術使いたいよぉ、プロテゴ! あれどんな呪文だっけ? 覚えてないんだけどどうしよう。スネイ〇先生に教えてもらわなきゃ(使命感)。


 パンが焼けたから食べる。美味いわぁ。まことに美味じゃ! やっぱりパンって良いなって。やはり小麦、小麦は全てを解決する。ビールは……大麦だっけか? 覚えてないねんなぁ……。いつか作りたいな、酒。

 っとと、そうだったそうだった、シデナにもパンあげなきゃな。忘れるとか我ながらぼけてきたかな? オジサン色々覚えるの大変になってきたし。


「すまんね、パン渡すの忘れてたァッ!? ちょ、えぇ……?」

「いや、驚きすぎではないかの?」


 驚くにきまってるんだよなぁ……主に倫理的な観点で。シデナの方を向くと目の前に居たのは黒髪狐耳の幼女でした……お巡りさん、私です! 俺はロリコンじゃないし、何ならロリ、というか女が怖いです。今の時代何でもセクハラになるからな、女と関わるの自体があんまり好きじゃないし。シデナ位なんだよなぁ、最近気を許せた女性って……親も死んでるしどうしようもない。


 正直なところ社会人にあるまじきコミュ力してるんだよなぁ俺。最近はVの配信見て投げ銭してうまぴょいして…………悲しくなるからやめよう。

 話がフライングフィッシュ並に逸れたが、まぁ、今のご時世俺みたいなフツメン一般通過ギークは女相手にビクビクしてないと暮らしていけないんだよ。

 いつ、どこでセクハラと言われるかわかったもんじゃないからな。この世界でその心配はないが。


「そうじゃぞ、この世界でそんな心配はせんで良い……だから露骨に避けないでおくれ傷付く」

「じゃあ戻ってくれよ……」

「…………私がこの姿なのには阿鼻地獄よりも深い理由があっての」

「ほーん」


 正直なところ興味無いね。取り敢えずパンを……食べてるのね、リス食いやめよう? 可愛いからさ。その両手でチマチマ食べてるの見るともっとあげたくなっちゃうからさ!


「……力不足なのじゃ」

「そうなの…………え?」


 矢木に電流走る。うそだろお前、仮にも大妖怪だろうお前……。

 俺は悲しいよ、昔よく聞いた怖い怖い大妖怪がまさかこんなに狐ロリだったなんて……。


「しょうがないじゃろうが。妖力も霊力も無かったのじゃから」

「ん……()()()()? 今はあるのか?」

「ああ、お主から分けてもらいよる……別にお主に影響はない、安心しろ」


 出来るわけなくない? なくなくなくない?

 大妖怪に妖力か霊力吸われる一般通過社会人なんてそうそういないだろうな。いてくれるな。


「因みに、得ているのは霊力じゃ。これでも神じゃからの」

「? 神って言うのになにか関係があるので?」

「……時代は変わったのじゃのう。いいか? 今から説明するからの」


 シデナ曰く、霊力は聖なる力で普通妖怪は扱えないらしい。逆に揚力は悪しき力で神や人間には扱えないらしい。

 つまり妖術師は悪しき力の使い手……フォースの暗黒面か!


「多分違うと思うぞ……」

「あらヤダ、心読まないで?」


 その後は霊力について色々師事して頂いて、そこそこ夜も深けてきたから寝ることにした。なんというか色々怖いけど多分大丈夫だろう。多分!


「ホンジャマカ、おやすみシデナ」

「ああ、おやすみタロウ」


 ああ、なんか心地いい……いい夢見れそうだ。

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