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優しい目覚め

新キャラ登場します。なんかやっと進んだ気がする……

きっとこれは夢なのだろう。

見たことのない場所で純と思わしき人物が何者かと争っている。


『なんで……なんでアンタと戦わなくちゃいけないんだ!!」


『私は希望の欠片……皆に望まれた存在だったのだ』


ガキン、と剣がぶつかる音が聞こえる。


『お前は……お前はそれでいいのかよ!!』


純のそんな悲痛な叫びを最後に意識が覚醒していった。






「……んあ?ここは……」


目が覚めるとどこかわからない場所だった。

どうやら誰かの家らしく、さらに俺はベッドで寝ていたらしい。


「……何か夢を見ていたような……?」


夢の内容を思い出そうとするも靄がかかってはっきり思い出せない。

唸っているその時だった。


「あ、目が覚めたようね!」


扉を元気よく明けて現れたのは純と同じくらいの年の少女だった。

純と違って髪は銀色で瞳の色が紫、純よりは一回りくらい身長が小さい。


「大丈夫?体、痛いところはない?」


言われて気づいたが腕や背中の痛みがまるでない。

あれほど出血したのに不思議だった。


「大丈夫です。ところであなたは一体……?」


「あ、そうね。まずは自己紹介よね。私は『ヴィオレット』。『ヴィオレット・アフレンデ』っていうの。

『ヴィオ』って呼んで!えっと、君は……?」


「俺は『斎藤純』。『純』と呼んでください。」


「『ジュン』ね!わかったわ!」


ヴィオとそんな会話をしているとさらに奥からもう一人やってきた。


「どうやら大丈夫だったようだな」


そう言って現れたのは俺を助けてくれた男だった。


「あ、師匠!おはようございます!」


「ああ、おはよう、ヴィオ」


「えっと、師匠……?」


「ああすまない。自己紹介がまだだったな。俺は『アデル』。そういう君は『ジュン』だったよな」


「あっ師匠、人の話盗み聞きしてたの?」


「たまたま聞こえただけだ。むしろなんで聞こえないと思ったんだ?」


「それはそうですけど……」


「あ、あのっ!助けていただいてありがとうございました!」


申し訳ないと思うが二人の会話を遮ることに。

そうしないと会話が進まなさそうだった。


「ああいや、それはいいんだ。ジュンが無事でなによりだよ。それより、感謝は俺じゃなくてヴィオにしてあげてほしい。彼女が君の傷を癒したからね。」


「ホントホント。師匠に運ばれてきたときはビックリしたんだからね。」


「ありがとう、ヴィオ。治療してくれて」


「困ったときはお互い様よ!」


ふふん、とドヤ顔をするヴィオを横目に本題に入ることに。


「ところで、どうして俺を助けてくれたんですか?」


俺を助けたところでメリットなどない。

それどころか死ぬ危険性さえあったのだ。どうしてもここだけは聞いておきたかった。


「どうしてって…あー、なんでだろうな?好奇心?」


「は?」


つい素っ頓狂な声を上げてしまった。

いやだって好奇心で助けるってどういうことだ……?


「師匠。正直に言ってあげなよ。『救える命は救う』ってのが師匠のモットーでしょ?」


「あ、ヴィオ!言うんじゃねえ!」


「師匠照れちゃってるー。おもしろー!」


……アデルさんは俺の思っている以上に優しい人だった。

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