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異世界276日目 1月1日(水) ②改めてお正月!


 昨日飲んだ日本酒を排除出来たので、なんとかレインの気分も良くなったようであり、そのままお風呂へと向かって行った。

 俺もレインが出た後に初風呂に入りひと汗流した。とりあえずみんな平静を取り戻せたようだ。


 だが、いかんせん正月とは思えないほどの重苦しい雰囲気がリビングを包んでいる。

 特にルーミィとレインの目に生気が灯っていない。とんだ大失態をやらかしたもんな……まあ、俺としてはそれほど気にはしていなんだけどなあ。

 しかし女の子にとってトイレで『明けましておめでとうございます』はトラウマになりかねない出来事かも知れない。後で、しっかりフォローしておこう。


「みなさん、食欲はありますか? おせち料理を用意しようと思うのですが」


 その言葉に重苦しい雰囲気は幾分かき消された。みんな楽しみにしてたもんね。胃の中も空っぽだろうしまずは食事をしてもらおう。

 どの一品も渾身の出来ですからね! 楽しみにして下さいね!


「それじゃあお持ちしますね! 雑煮やお餅もありますから」




 こたつの上に並べらてたお重に色鮮やかな料理達、雑煮も添え、いよいよ待望のお正月スタートである。


『いただきま~す!』


 普段とは違う料理にみんな舌鼓を打ち、喜んで食べてくれた。ルーミィとレインも食べ物を口に運んでいる内に元気になったようであり、いつもの大食いさんに戻ってくれた。

 やっぱ食べてくれないのは心配になるもんな。特に女神様は常に食欲旺盛がデフォだもんね。


 普段とは違う料理にルーミィとレインは感動しながら箸を進め、俺とイリアさんは葡萄酒を飲みつつ、おせちをアテにまったりと飲んでいる。

 朝っぱらからの飲酒、そしてこの超絶まったりな風景……ああ、これこそがお正月だよ! ルーミィとレインがお子ちゃま枠ではあるが、それは胸の内に仕舞っておこう。そんな事言ったらふて腐れること間違いないもんな。


 尚、ルーミィとレインはちょっとお酒に対してトラウマになっているようであり、一切手は付けなかった。まあ、今日は飲まない方がいいでしょう。




「腹も一杯になったし、暖かいし……なんだか眠くなってきたなあ……このこたつってやつはほんとに最高だねぇ……ふあぁぁ……」


 イリアさんが大きく伸びをしながら片手で目をこすっている。なんか子犬か子猫さんみたいな動きで可愛らしい仕草である。


「いいですよ、イリアさん。お昼寝して頂いても。それもお正月の醍醐味ですから」


 だらだらし倒せるのも魅力の一つである。その為のおせち料理なのだ。改めて作る必要が無く、空いたスペースのは作り置きしている料理を再び詰め込むだけでいいように出来ているのだ。

 これにより寝て起きて食べて、また寝て起きて食べる。夢のぐうたら三昧が味わえるのだ。そんな食生活なので基本的にお腹が減るという事が無い。常に満腹状態で三が日を過ごすのだ。そして体重は軽く五キロは太る。これが俺のスタイルであった。


 まあ、仕事が始まれば一週間で体重戻ってたけどね……。


「そうかい? じゃあ、お言葉に甘えさせてもらうよ……」


 こたつの中で足を伸ばし、ものの数秒ですうすうと寝息が聞こえて来た。すぐ寝れる能力、徹夜出来る能力は戦士には必須だと元の世界のゲームや漫画で読んだ事があるのだが……職業は商人さんですよね?


 ルーミィとレインもお腹一杯食べたようなので、一通り堪能したおせち料理を一旦引き上げておいた。洗い物を済ませ、重箱の空いたスペースに料理を詰め込んで再びリビングに戻ってきたのだが、俺も少し眠たくなってきた。俺も少しお昼寝しよっと!


 ソファーに腰かけ、毛布を羽織り横になった。だが目線の先に居るルーミィとレインが揃ってこちらを見ているのだが……なんだろうか……あ、こっちに来た。


「どうしました? お昼寝してくれてもいいですよ?」


『……』


 返事をしてくれないが、多分さっきのオエオエしたのが恥ずかしくて俺に嫌われてしまったとでも思っているのだろうか。

 おっさんを舐めないで欲しい。そんな事ぐらいで嫌悪しちゃう様な豆腐メンタルの持ち主ではない。恋愛以外は自信があるのだ。


「宜しければお二人はこちらで休みますか? 私はラグの方で横になりますので」


 起き上がり毛布を持ってソファーを二人に譲り、ラグの方へと移動した。リビングは床暖房もあるので床もポカポカで問題は無――


 不意に体が後ろに引っ張られた。いや、正確には両袖を引っ張られた。ルーミィとレインに。


「もう、嫌いになっちゃった……? だから離れちゃうの……?」


「嫌ですぅ……カズヤ様ぁ……」


 ああ、やっぱり二人とも気にしてたんですね。フォローしておかないと。


「大丈夫です、そんな事でお二人から距離は置きませんよ。アルコールを飲んでいる人は必ず通る道ですから。そんな寂しい目をしないで下さい」


 お酒を嗜む人は誰しも一度は吐いた事があるのではなかろうか。それで自分の限界を知り、セーブするようになるのだ。俺も特に若い頃は何度も限界を突破したもんだ。


 聞こえはいいようだがこれは学習能力が無いとも言う。


「でも、汚い女の子だよ……いいの? 本当に……」


「私も汚れ切っております……ですが、おこがましいにも程がありますが……それでも、私は!」


 いや、貴女達が汚れてるならおっさんはバクテリア以下だよ? それに物理的な汚れはさっきお風呂入ったし取れたでしょ?


「ともかく、私は気にしてません。いつも通り、美少女のお二人という認識は変わりません。ご安心下さい」


 あ……勢いでいつも美少女って思ってる事を口にしちゃった。


「び、美少女……あ、ありがと……久しぶりに言って貰えた……」


「う、嬉しいです……カズヤ様が私に、う、美しいだなんて……も、勿体ないお言葉ですぅ……」


 うわぁ、恥ずかしい! まるで小学校時にの担任の先生に『お母さん!』と間違って言ってしまった時ぐらい恥ずかしい!

 ま、まあ二人のメンタルも回復したようだし、良しとしておこうかな……。


「それでは私は少しお昼寝しますね……」


 ラグの上で横になり、毛布をかけた。なんか凄く眠くなってきたな……張り切って昨日から準備勤しんでいたし疲れが出て来ちゃったかな。


 ふと両隣から暖かい感触を感じた。いわずもがな、毛布の中に潜り込んできたのはルーミィとレインである。何してんの? イリアさんにバレた元日から血を見る事になりますよ? 主に俺が。


「あの……二人共?」


「いいの、怒られたっていいから、今は一緒がいいの……一緒に居たいの!」


「私も甘んじて叱責は受け入れます、ですから、今はカズヤ様のお傍に居させて下さい……」


 美少女に両腕をロックされた……分かりました。どうなっても知りませんからね? もうそのまま寝ちゃえ!




 尚、その後お昼寝が終わったイリアさんに烈火のごとく怒られたが、正座をするルーミィとレインは少し幸せそうな顔をしていた。

 反面、想定した通り、俺へのお説教は厳しく、殺気は飛ばされるは睨みつけられるわと新年初日、早くも命の危機を感じた元日であった……。


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