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能力の代償  作者: Xeno
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ロードマーマス城下町

「わあ…こんなにも大きいお城、こんなにも大きい城下町。ねぇおじさん!あの子の服、すごくかわいいわ!私も欲しい!!」


ウキウキとした足取りでどんどん前に進む。


「ちょ、コランダム…速いよ…。おじさん疲れたよ…。」

「おじさんが遅いんでしょう!さぁ、行こうよ!」

キラキラした骨董品、街の中には大きな時計台、存在を主張し続けるロードマーマス城、街全体を覆い尽くす鐘の音。

何もかもがコランダムの目には素晴らしく見えていた。


夜中は雨が降っていたらしく、そこら辺に美しく咲くチューリップの花から雫が垂れていた。


「ねえおじさん。今度はあのあいすくりいむを食べに行こう!」

おじさんは目の前のあいすくりいむの店の看板をじっと見つめ、こう言った。

「ここはやめておこう。あっちの店なんかどうかな?」

疑問に思い、こう問う。

「どうしてここじゃだめなの?」

「よく読んでご覧。I scream for ice cream と書いてあるだろう?あれはね、すごーく辛いアイスの店なんだ。だからあっちにしよう。」

辛いあいすくりいむ?あいすくりいむは全部甘くて冷たくて美味しいって本に書いてあったのに。

おかしいなぁ。

「じゃあ、おじさんはこっちのあいすくりいむ食べてよ!辛いの好きなんでしょ?」

おじさんは露骨にしまったといいたげな顔をして、仕方ない、といい買ってくる。

暫くすると、赤い色をしたあいすくりいむと言われる物体を持ってきた。

おじさんは、何故かニヤニヤしている。

「ほら、買ってきたよ。」

「食べてみてよ!」

おじさんはペロッと舐め、満足な顔をした。

「ふっふっふ…。これはね、イチゴ味なんだ。辛いというのは嘘だ。」

なっ…おじさん騙した!!

しかも私が大好きなイチゴ味!?

「私も食べる!!」

あいすくりいむに飛びつこうとすると、おじさんは華麗に躱す。

「さっき自分で言ったことを忘れたか、コランダム?君はあっちの店のあいすくりいむを食べるんだよな?ちなみにこのイチゴ味はすごく高くて、滅多に食べられない。だからコランダムにはあげられないね。まだこどもだし!」

…おじさん意地悪!!

すっかり丸められてしまった。

おじさんは美味しそうにあいすくりいむを舐め回す。

あの食べ方じゃあ私が食べられるところがなくなってしまう。

「イチゴ味は美味しいねぇ。うん。美味しい美味しい。」

とブツブツ言っているおじさんを横目に、私はカバンに入っているお財布を取り出し、店に向かう。

…もちろん、おじさんのお財布を持って。

I scream for ice creamと書かれた看板の隣にはメニューが書いてあり、様々なメニューがあることを知る。

バニラが有名なお店で、他にも抹茶、チョコ、苺、檸檬、葡萄と美味しそうなイラストが乗っていた。

そして私は檸檬味を選んだ。

色が1番バニラに似ていて、おじさんの目なら騙せると思ったから。


そんな浅はかな考えはすぐに潰された。








…怒られた。


でも美味しかったから、後悔はしてない。

そういている間に、午前中があっという間に終わっていった。

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