乱歩の末路ーーー?
かっかっかっか…
これは…警備員B軍か。
さて、次の処刑は誰かな?
いや、しかし、B軍であるならば足音がひとつ多い。
じゃあということは、C軍か。
まあ、こんな真夜中だし、どうせ夜間処刑だろう。
乱歩は今日もまた考える。
ーーー僕は乱歩。遥か東の國からやって来た。
何れ、この國の歴史を変える男だ。
僕がこの國に来た理由は1つ。
女王に会うためだ。
といっても、今の僕は死を待つ哀れな囚人。
しかし、これも僕の計画のひとつだ。
女王に会う為には最高の場所だ。
彼女は処刑の瞬間に立ち会い、無惨な首を持ち、こう言う。
「どうだ、償う気になったか?」と。
その表情は何処か冷酷で、人間の顔とは思えぬ表情をしている。
ー僕はそんな彼女に惹かれていた。
彼女の望む世界を共に作ろう、と。
さて、そろそろかな。
「…出ろ。」
うむ、予定通りだ。
「はいはい、出ますよー。処刑のお時間だよね?」
「…。」
「おい!乱歩!いいのか!? そんなにすんなり死んでいいのか!?」
…あぁ、オリバーね。まだ君は分かっていなかったのか。
「僕はいいんだ。それ相応の事をしたのだからね。」
「…健闘を祈る。」
「あぁ。」
さてと、どうするか。
このまま死ぬのも悪くは無い。が、やる事があるから、まだ死ねない。
思えば、私は大したことをしていない。
日本という小さな國の中で人を殺す話を作った。
そうしたら外国に追い出されたのだ。
まったく、この時はさすがの私でも驚いた。
まさか鎖国中に外国に追い出すなんて、大した将軍様だったなあ。
名を…なんと言ったか。
そんなことはどうでもいい。
どうせ今頃幕府なんてやめちゃって、用無しと言われているに違いない。
私には愛すべき妻と娘がいるが、今はこのロードマーマスの地での生活を考えなければならない。
どうすれば憎しみの女王を納得させられるか。
ロードマーマス城の地上に出た乱歩は静かに目を閉じる。
暫くした後、男の悲鳴と何かが落ちる音が、夜のロードマーマスに響いた。