少年の憧れ
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とある家族の食卓中。ある試合の生中継がテレビで放送されているのを家族全員で見ていた。その中でも少年は、特に興味津々に彼らの試合を、目を輝かせながら見ていた。
テレビに映るのはとある試合のプロの全国大会決勝戦。
──ある者は銃を。
──ある者は拳を。
その試合に出ている全員が、戦闘をしていた。だが、殺し合いというわけではない。ただ、純粋にボールを運び、ボールを取ろうとしている。
たった1つのボールを巡り、全員が戦っている。
チーム全員で勝ちに行こうとしている。
その中でも1人、特に目立つ男がいた。
ボールを持って1人で相手陣地の奥深くへ進んでいく。素早い動き、華麗な相手の攻撃のかわし方。どれもが他の選手より圧倒していた。
そしてついには相手の『カゴ』の前へ。だが、『カゴ』の前には敵が4人もいた。これでは『カゴ』の中にボールを入れることはできない。ここまで来たのも彼一人であり、味方がおらず、ボールを入れることは不可能に見えた。だが。
「──〔ファイト・ザ・シュート〕!!!!」
彼がボールを投げる時、そのボールの周りには無数の手が現れる。そして投げたと同時に、その手もついていく。
ボールは相手の正面に向かっていった。
これは絶対無理だろう、そう思ったが。
相手がボールを防ごうとしたとき、周りにある手により軽く吹き飛ばされる。瞬く間に4人は吹き飛ばされ、彼の投げたボールは、見事『カゴ』の中に入っていった。
「決まったぁぁぁぁぁぁぁ!ここでチームファイヤーボルトの逆転だぁぁぁぁ!」
実況の人がそう叫ぶ。観客の歓声の声が轟く。
そしてその瞬間、ホイッスルが鳴る。
「ここで試合終了だぁぁぁ!優勝したのはチームファイヤーボルトだぁぁぁぁぁぁ!!!!」
その時、それをテレビで見ていた少年は食事するのを止めた。
「わぁ……」
少年はこれを初めて見た。名前は聞いていたが、実際どんなものなのか知らなかったのだ。だから、初めてみて思った。
──これは面白い!楽しそう!
と。少年は憧れた。あの最後に点決めた男のことを。
だから少年は父親に、このスポーツの名前を聞いた。
そして父親は答えた。
──『ファイト・ガン・ワールド』
と。
お読みいただきありがとうございます。
初めましての方は初めまして!
お久しぶりの方はお久しぶりです!
高橋です!
新作、とのことなのですが……いかがでしたでしょうか?笑笑
まだ始まったばかりでわからないと思うので、今後の更新を期待してください!!!笑
今後ともどうぞよろしくお願いします。
ではでは!