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0話(1/2) 青木高校、部室にて

 ジャンルホラー、R15指定、残酷描写あり、とさせていただいておりますが、その要素が出てくるのは恐らくずっと後になると思います。もし、出てきたとしても、ちゃんとした描写が出来るかも分かりませんが。

 いつ完結するかも分かりませんが、拙い文章でのお付き合いを、よろしくお願います。

 放課後。狭く、ほぼ物置と言っても過言ではない教室に、数人の生徒が各々机に向かっている。その内の一人の女生徒が机に突っ伏している。その時、その女学生の頭上から声が降ってきた。

柊花(しゅうか)くん! 君の報告をまだ聞いていないのだが」

 机に突っ伏してした女生徒が顔を上げると、仁王立ちしている短髪の男子生徒が彼女を見ている。

「何だい、疲れてるのかい? 女の子に夜更かしは厳禁だぞ?」

 彼女ーー柊花の眠たげな顔を見て、困ったように眉を下げ、口をへの字にし、男子生徒は少し心配そうな顔で彼女を見ている。

「元からこういう顔なので、気にしないでください……。ところで、何の報告でしたっけ」

 柊花は突っ伏していた体を起こし、少し身なりを整え、男子生徒に敬語で尋ねる。

 彼女の言葉を聞いた男子生徒は、小さく溜息を突いた。

「さっき号令の時に話しただろう?」

 男子生徒の言葉に、先程まで彼を見ていた彼女は目を逸らす。それを目敏(めざと)く見つけた男子生徒は、呆れた様な半目で彼女を見る。

「……もしかして、僕が起こす今の今まで寝てたのかい?」

「は……ははは……。昨日、ゲームし過ぎまして……。その……寝不足です……はは……」

 観念したのか、柊花は男子生徒から顔を逸らしつつ、乾いた笑いを洩らしながら寝ていた経緯を話した。

 話を聞いた男子生徒はまたーー今度は大きくーー溜息を突いた。

「今日の報告は、ここ最近で何か珍しいことがあったか、だよ。ほら、何かあるかい」

 男子生徒は近くの机に置いていたバインダーとシャープペンシルを手に持ち、柊花の報告を書き取る体勢に直った。

 柊花は顎に手を当て、如何(いか)にも考えているかのようなポーズを取るが、彼女はすぐにそのポーズを辞め、眠たげな眼差しで男子生徒を見遣(みや)った。

「何かあったかい?」

「ありましたよ、今朝! 私のクラスに……」

「転校生が来たんだろう?」

 柊花の報告は男子生徒に遮られた。男子生徒はまた溜息を突く。柊花は呆気に取られていた。

「え……何で知ってるんですか?」

「こんな狭い学校なんだから、みんな知ってるよ。朝からその話題で持ちきりさ」

「あはは……。ですよねぇ……」

 すると、(おもむろ)に男子生徒が柊花にバインダーを渡してきた。

「みんなの報告、見るかい?」

「え、いいんですか?」

「いいよ」

 柊花はバインダーを受け取り、バインダーに挟まれている紙を見る。Wordで作られた表に、「今日の日付」、「数人のメンバーの名前」、「出欠席の有無」、「今日の報告」、「備考」が打ち込まれ、その他の欄の内容はシャープペンシルで書かれていた。皆、転校生が来たことのみを話したことが記されている。しかし、一つだけ「今日の報告」の欄に何も書かれていない欄が一番上にあった。

「あれ、部長は今日の報告はないんですか?」

 柊花はバインダーから顔を上げ、男子生徒に尋ねた。

「恥ずかしながらね。今日に限ってみんなと同じように転校生の事しか思い出せなかったんだ」

 いつもならもっとあるんだけど、と男子生徒ーー部長がボヤく。

「そういえば、転校生は君のクラスに来たんだっけ? 周りの反応はどうだったんだい?」

 部長は切り直して、柊花に話し掛ける。

「んー、そうですね。やはり、そうそう来ない転校生という存在自体に浮かれている様でしたね。……まあ、私は寝てたので本人を一度も見てないですが」

 そう言いながら柊花はバインダーを部長に返す。

「……君、朝礼の時も寝てたのかい」

「眠気には(あらが)えませんよ。あ、ちなみに、性別は女性で、容姿端麗。つい最近、青木町に越してきたらしいです。両親は仕事で県外におり、祖父母の家に住んでいるそうです」

 呆れたように柊花に突っ込む部長を気にすることなく、柊花は相変わらず眠たげな眼差しで部長を見て話す。

「へぇ。僕のクラスにはそこまで情報は回ってこなかったけど……。誰から聞いたんだい? 新聞部(アイツら)かい?」

 少し真剣そうな表情(かお)をして柊花に尋ねる。

「いえ、情報源はクラスの女子からですね。うちのクラスは噂好きが多いものでして。誰にでも聞こえるくらいの音量で話すので、目が覚めちゃいましてね。それで聞いてました。それに、かなり目立つ容姿のようですから、誰かしらが目撃していてもおかしくはないと思います」

「ふむ、そうか……」

 部長は受け取ったバインダーを片手に、もう片方の手を顎に当てさすっている。よくある「思案中」のポーズを取る。

「……そういえば、転校生の名前は?」

「んー、そこは聞いてないですね。恐らく、私が目覚める前に言ってしまったものだと思います」

「ふむ……。みんな、ちょっといいかい?」

 各々何かしらの作業に(いそ)しんでいたのだろう、キョトンとした様子で三、四人のメンバーが顔を上げ、部長の方を見る。

「君たちの中で転校生の名前を知っている人はいるかい?」

 顔を上げたメンバーたちはそれぞれ顔を見合わせ、小首を傾げた後、「いえ、知りません」と答えた。

「そうか、ありがとう。各々やりたいことに戻ってくれて構わないよ」

 部長がそう言うと、メンバーたちは中断していた作業に戻った。

「ううむ……。みんな知らないか……。そういえば報告の時もみんな言わなかったな……」

 口に手を当て、バインダーを見ながら呟く。そしてチラリと柊花を見遣る。その様子を見ていた柊花は訝し気に部長を見る。

「まさか……私に聞いてこいと言うつもりじゃありませんよね?」

「そのまさかだと言ったら?」

「……」

 当たり前だ、と言わんばかりの部長の顔を見た柊花は言い返す言葉も見つからないようで、眠そうな顔の眉間に皺を寄せて黙ってしまった。

初投稿です。

次話は、のんびり気が向いた時に書いていますので、不定期更新になります。

筆が遅いので、月単位の更新にはなるとは思います。1年以上更新しない場合もあります。(恐らく)

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