425.宝石
「おーい、オラクルちゃん。
地下4階のダイヤモンドスライム倒してきたぞ」
ダイヤモンドを10個をゲットし、オラクルちゃんのところへ戻ってきた。
「ありがとう!
ついでに他の階もよろしくね」
「え?」
まだ手伝わせる気か?
「俺はこれから、
復興の手伝いに行きたいんだけど……」
「……この国、滅ぶよ?」
オラクルちゃんは、今にも泣き出しそうな顔でそう言った。
「滅ぶ?
なぜに??」
話を聞いてみると……。
この塔は周辺の魔物の発生を抑えている。
このままバランスが崩れれば、魔物が大量発生してしまう。
という事らしい。
マジか!
この塔は、そんな役割を持っていたのか。
仕方がないので、オラクルちゃんの指示に従い、
暴走した各階の魔物を夕方近くまで倒して回った。
けっきょくレベルは、99から上がらなかったが、
代わりに、珍しいアイテムが大量に手に入った。
ゲットしたアイテムは、珍しい魔物の骨、牙、角、革など、
ゴブリンで手に入れたのと同じ『魔石』各種、
あと、ダイヤモンド以外の『宝石』もいろいろ手に入れた。
特に『宝石』は種類が30種類以上もあった。
こんなに種類がいっぱいあったら、ジュエリーショップが開けてしまう。
そういえば、ジュエリーナンシーの東京支店オープンが来週だったっけ。
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オラクルちゃんの手伝いを終えて家に返ってくると、
アヤしかいなかった。
「アヤ。エレナは?」
「まだ帰ってきてない」
まったく、こんな夜遅くまで何をやっているんだ?
【追跡用ビーコン】の映像を確認してみると、
エレナは、まだ王都にいた。
「ちょっと迎えに行ってくる」
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「エレナ、何やってるんだ。
もう真っ暗だぞ」
「あ、セイジ様」
エレナは、王都の冒険者ギルドで、ケガ人の治療をしていた。
「す、すいません。
ケガ人が次から次へと運ばれてきて……」
「だからって、こんな遅くまで帰ってこないなんてダメだろ」
「は、はい……」
まあ、気持ちは分からんでもないけどね。
俺は、エレナの手を取って帰ろうとした。
「オイ! 待て!
俺の治療はどうしてくれるんだ。
せっかくタダで治療してもらえるところだったのに!!」
次に治療を受けようとしていた強面のおっさん冒険者が絡んできた。
「タダでって……。
エレナ、タダで治療してたのか?」
「はい……。
皆さんお金がないそうなので」
「ごちゃごちゃ、うるせい!
いいから治療しやがれ!」
おっさん冒険者、横からうるさいぞ。
ケガをしていた強面のおっさん冒険者は、
なぜか、さらにケガが増え、床に横になっていた。
まあ、あまりうるさいから俺がやったんだけどね!
エレナは、治療したそうにしていたが、
手を取って【瞬間移動】で家に連れて帰ってきた。
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「エレナちゃん、お帰り。
ずいぶんおそかったね」
「エレナは、ずっとケガ人の治療してたのか?」
「は、はい。
王都は、治安が悪くなってしまって……。
ケガ人がたくさん出ているんです」
うーむ、ケガ人の治療をしても、治安は良くならないだろうに。
どうしたものかな。
「エレナ、治安を良くするためには、
兵士たちが治安維持をしないといけない。
それとも、エレナが1人で犯罪者たちをやっつけてまわるかい?」
「いえ……。
分かりました、お父様を説得して、兵士たちを動かしてもらいます」
あの王に、それができるかな~。
だいぶ心配だ。
かといって、明日からは平日で、俺は動けない。
今週はジュエリーナンシーのシステムの最終チェックをしないといけないし、
俺は手を貸せない。
「アヤ。
明日からしばらくはエレナに付いていってやってくれ」
「うん。分かった」
「アヤさん、ありがとうございます」
明日は、愚王vsエレナの対決が見られるかもしれない。
楽しみだ。
「ところで、アヤはあの後、何してたんだ?」
「冒険者ギルドへ報告に行ったら、
各地で凶暴化した変な魔物が現れてるって情報が入って、
何匹か倒して回ってたんだよ」
「暴走魔物が、塔の外にも出てたのか」
「うん、一番強かったのは、
気持ち悪い壊れた人形みたいな魔物だったんだけど、
倒したら、キレイな宝石をゲットしたよ」
どれどれ、
アヤに見せられた宝石を【鑑定】してみると、
それは『アレキサンドライト』だった。
ゲームとかでよく聞く名前だけど、
価値がどれくらいあるのかは良く分からん。
「兄ちゃん。コレで『アクセ』作ってよ」
「まあいいけど、
せっかくだし、りんごにデザインしてもらったらどうだ?」
「わーい! そうする」
「あ、そうそう。
俺も宝石をいろいろゲットしてきたから、
エレナもアクセサリーいるか?」
「わ、私は別に……」
王都の荒れ具合が心配で、それどころじゃないのかな?
姫だからって、気にしすぎなんだよな。
「じゃあ、代わりにアヤが選んでやってくれ」
俺は、日の出の塔でゲットしてきた宝石をテーブルに並べた。
「すげー!」
アヤも女の子なんだな~。
テーブルに並べられた、色とりどりの宝石に目を輝かせている。
まあ、台詞がぜんぜん女の子じゃないけどね!
「す、すごいですね」
元気のなかったエレナも、興味を示している。
「エレナちゃんは、コレがいいかも」
なるほど、エレナは『サファイヤ』か。似合ってるかも。
「それで、ヒルダちゃんにはこれ!」
ヒルダには『ルビー』か。いいね。
「あと、ヒルダ隊のみんなには~」
え?
「コレとコレと、コレ、コレ……」
アヤが10人分の宝石を選び始めた。
みんなに作るのか?
まあ、仕方がないか……。
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