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時空魔法で異世界と地球を行ったり来たり  作者: かつ
王国の危機編
423/438

413.重み


 裸で帰ってきてしまった俺は、

 しばらくリルラのところで休んでいた。


 あの超巨大タコなのだが……。

 エレナとリルラには、話していない。



 もしかして、

 そのまま手を出さなければ、どこかへ行ってしまうんじゃないかな?

 台風なら、東へ抜けて『台風一過』になるしね。



 俺は、しばらく様子を見ることにした。


-----


 小一時間ほど待ってみた。

 ……しかし、どうやらダメみたいだ。



 奴は、フジャマ山の上にとどまっていて、

 まったく動かないのだ。


 ただ休んでいるだけなのか、

 はたまた、あの場所で何かをしているのか?



 あれ?

 考えてみれば、誰にもフジャマ山についての情報を聞いたことがなかったな。



「リルラ。

 フジャマ山には何があるんだ?」

「フジャマ山?

 えっと、よくわからない。

 あそこは、神聖な場所だから」


「エレナは何か知ってるか?」

「私も、知ってることはリルラさんと同じです」


 神聖な場所ね~。

 うーむ、フジャマ山……何かありそうだ。


 まさか、不思議なキラキラ光る砂を吹き出して、

 動物を女の子に変えたり……してないよね?



 しかし、そうなってくると、

 超巨大タコが、あそこに居座っている状態って、何かヤバイ気がする。



 でも、どうする?

 あんな奴と戦う必要があるのか?



 試しに、足の1本でも切り落としてみるか?


 さっきも先っちょをちょん切っちゃったし、

 8本もあるんだし、

 1本くらい平気だよね?



「エレナ、リルラ。

 俺は、もう一度、外の様子を見てくる。

 後は頼んだ」

「はい」「あ、ああ」



 2人に見送られ、外に出る。


「よーし、一本いっとくか!」


 気合を入れ直し、

 激しい雨の中、思いっきり上にジャンプする。


 空中で素早く『竜化』して、

 そのまま雲の上へ。



 雲の上に出ると、

 太陽はすっかり顔を出していて、

 超巨大な黒い雲の塊を照らし出していた。



 マップで、足の位置を確認する。


 奴の体は、マップ上に赤いエリアとして表示されているので、

 それで位置を確認できる。



 シンジュに一番近い足の根元に狙いを定めて、

 翼に魔力を込め、移動を開始した。



 すると、奴は俺を見つけ、

 さっきと同じように、その超巨大な触手で、俺を叩き落とそうとしてきた。


 しかも、今度は、いきなり5本の触手でお出迎えだ。

 ケツを狙ってくる奴も、いるし、

 アレに捕まったら、とんでもないことになりそうだ。



 まわりの竜巻にも巻き込まれないように注意しながら、

 触手を避けて目的地へ。



 マップ上で、触手の根元の場所を確認する。


「ここだ!」


 竜化を解く。

 俺は、すっ裸のまま、下に見える雨雲の中へと落ちていった。



 黒い雲を突き抜け、落下する。

 からだに雲がまとわりつき、先がまったく見えない。


 俺は、名刀マサムネをかまえ、

 神経を研ぎ澄ませる。



 雲の隙間から、真横に伸びる超巨大な竜巻が見えた!


「アレだ!」


 俺は、【風の魔法】で落下方向を微調整し、

 竜巻の根元に、頭から突っ込んだ。



 頭上に掲げた刀が風を切り裂き、

 そのままの勢いで竜巻の中を落下する。



 しばらくして、触手本体が見えた!



「とりゃー!」


 名刀マサムネに、全体重と魔力を乗せ、

 超巨大な触手の根元に突き刺す。



 マサムネは、ほぼ抵抗なしで触手にぶっ刺さった。



タンッ!


 俺は、着地と同時に地面を蹴って、

 まるで『とうふ』を切るかのように、

 刺さったままの刀を横に滑らせていく。



 触手の断面は、あまりにも大きい円なので、最初は真横に進んでいたが、

 だんだんと角度が付いてきて、斜面になっていき、

 最後は、ほぼ真下に落ちるように進む。


 刀を刺したまま落下し、

 触手の根元を、半円状に斬り抜く。



 素早く『竜化』を使って、

 フジャマ山に激突寸前で、翼に魔力を送り、再び上空へ。



「どうだ?」


 確かな手応えはあった。

 しかし、相手のサイズがでかすぎる。



 マップで確認してみると、

 触手は、まだ、胴体に繋がったままのようだ。


 どうやら、斬りつけが浅かったようだ……。




「おっと!」


 触手の1本を斬られた奴は、

 怒り狂って7本の触手で、俺に猛攻撃を仕掛けてきた。



 しかし、俺が斬りつけた触手は、

 まったく動いていない。


 斬り落とすまでにはいかなかったものの、

 相当な深手を負わせたことは確かなようだ。



「それなら、もういっちょ行ってみるか!」



 俺は、7本の触手の猛攻撃をなんとかかいくぐり、

 再び、同じ触手の根元へ。



「とりゃー!」


 さっきと同じように、空中で『竜化』を解き、

 刀1本を手に持ち、すっぽんぽんで飛び降りる。


 そして、さっきと同じ場所に刀を突き立てた。


 そして、今度は、逆方向に刀を滑らせ、

 同じように半円状に斬り抜いた。



「どうだ!」



 再び竜化して、空中で様子を見てみると、


メリメリメリメリ!!!!


 俺が斬った触手の根元から、ものすごい音が聞こえてきた。



「やったか!?」



 触手を取り囲んでいた竜巻が、

 解けるように消えた。


 そして、力を失った触手が、その重みに耐えかねて、

 根元から折れていく……。



 その重みに……。



 あれ?



 重み!?



 触手の根元は直径1㎞ほど、長さは10㎞もある。

 体積を計算すると……。



 間違ってると恥ずかしいので、計算はやめておこう。



 とにかく、あの触手1本で『山』が1つと同じくらいの重量があるはず。


 そんなものが自由落下してしまったら……。



 やばぁい!!!!!

 どうしよう……。

ご感想お待ちしております。


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