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時空魔法で異世界と地球を行ったり来たり  作者: かつ
アイドルマネージャー編
381/438

371.公開オーディション

 ヒルダと火精霊は、無事にめぐみちゃんを助け出した。



 そして、めぐみちゃんとヒルダは、即座に行動を起こし、

 俺のところへ、他のスタッフさんを連れてきてくれたのだ。


「この部屋に、この子たちの保護者が閉じ込められていると聞いたのですが、

 本当なのですか?」

「し、しらん……」

 二人が連れてきたスタッフさんが、ニセ警備員を問い詰める。



「では、中を調べさせてもらいます」

「だ、ダメだ」


「なぜですか?

 あなた、ここの警備員じゃないですよね?

 なぜ、こんな勝手なことをしてるんですか?」



「こ、これは……。

 あ、そうだ!

 お、俺は……用事があったんだ、急いで行かないと!

 それじゃあ、これで!」


 ニセ警備員は、スタッフさんに指摘され、

 もう無理だと諦めたのか、スタコラサッサと逃げ出しやがった。



 逃げるニセ警備員。

 しかし、スタッフさんも、めぐみちゃんも、ヒルダも、追いかけようとはしない。



 そこへ、小さな赤い光が一つ、そいつを追いかけて飛んでいった……。



「ぎゃーー!!

 俺の髪の毛がーーー!!!!」


 遠くで、何かが燃える音と共に悲鳴が聞こえた。


 そして、火精霊が戻ってきて、

 満足げな顔で親指を立ててウインクしていた。



 逃げたニセ警備員には【追跡用ビーコン】も取り付けてあるし、

 これくらいで見逃してやることにしよう。


-----


 控え室に戻ってしばらくして、

 やっとオーディションが開始される時間になった。


 周囲の出場者も、みんなピリピリが最高潮になっていた。



「頑張れよ」

「めぐみちゃん、頑張ってください!」

 俺とヒルダで、めぐみちゃんを応援する。


「任せなさい!」

 めぐみちゃんは、元気よく答えて、

 控え室を後にした。



「さて、俺たちは【追跡用ビーコン】で様子を見てよう」

「はい!」


 俺とヒルダだけに見えるように【追跡用ビーコン】の映像を映し出す。



「わわ!

 人がたくさんいます!」


 驚いたことに、オーディション会場には、

 満員のお客さんが、声援を送っている。


 そして、舞台には、出場する20人が一列に並んでいる。

 この中から合格するのは、たった2人だけか……。



『これより、トランプ娘・公開オーディションを開催します!』

 司会者が、高々と宣言し、観客が歓声を上げた。


 なるほど、公開オーディションなのか。



 司会者の説明によると、

 1万人の観客と、3人の特別審査員で投票し、上位2名が合格となる。

 持ち点は、観客が1点、特別審査員が1000点なんだそうだ。



 めぐみちゃんの様子を見てみると、

 若干緊張しているようだが、

 この状況を楽しんでいるようにも見える。


「この分なら、大丈夫そうだな」

「はい!

 めぐみちゃんは、きっと合格します!」


-----


『それでは、第一回戦の種目を発表いたします!

 それは……早押しクイズだーーー!』

『『わーーー』』


 早押しクイズだと!?

 なんか、公開オーディションが、バラエティ番組のノリになってきた。


 まあアイドルなんだから、将来的にはそういった仕事もあるだろうし、

 必要なことなのかもしれない。



『種目は早押しクイズですが……。

 正解しても合否には一切影響いたしません。

 どのように回答するかは、ご自身で考えてください』


 なるほど、

 自分のキャラクターに合わせて行動し、

 持ち味を活かして場を盛り上げろ、ということか。

 難しい注文だな。



 めぐみちゃんは、

 最初は、なかなか早押しできずにいた……。


 しかし、だんだんとムキになってきてしまい、

 途中から、だいぶ地が出てきてしまっていた。


『きー!

 何で○○なのよー!!

 問題を作った人バカなんじゃないの!』

 めぐみちゃんは、地が出すぎて暴言を吐いたりしている。


 ちょっとムキになりすぎだ……。

 これ、大丈夫なのか?



『それでは、早押しクイズの結果発表を行います。

 早押しクイズの優勝は……。

 八千代めぐみさんです!!!』

『やったーーーー!!』

 ムキになっためぐみちゃんは、

 とうとう早押しクイズで優勝してしまった。


「やりました!

 めぐみちゃんが優勝です!」


 ヒルダは喜んでいるが……。

 これ、オーディションの合否には影響しないんだよな……。



『続いて次の審査は、水着審査になります。

 出場者は、素早く着替えてきてください』


-----


 出場者たちが、ぞろぞろと控え室に戻ってきた。


「めぐみちゃん、優勝おめでとうございます!」

「ありがとう、ヒルダ。

 さあ、早く水着に着替えないと。

 ヒルダも手伝って」

「はい!」


 めぐみちゃんとヒルダは、更衣室に入っていった。



 まあ、荷物は俺が見張ってたし、

 重要なものはインベントリに入れてあったから、

 水着に細工されるなどということは、おこりようがない。


 下手をすると、

 嫌がらせで水着に穴を開けられちゃったりしかねないからな。



 ん?

 水着に穴??


 もし嫌がらせ目的なら、水着のどこに、どんな穴を開けるだろうか?

 ちょっと犯人の気持ちになって考えてみよう。



 俺は、めぐみちゃんに対する嫌がらせ対策を、一生懸命考えていた。

 こういうことは、可能性をすべて潰していくことが重要となる。


 断じて変な想像をしているのではないですよ?

 これは、護衛の一環であり、どうしても必要なことなのだ。

 ああ、仕方ないな~。


 俺は、どんなふうに穴を開けられると、着た時にどんなことになってしまうかを、

 頭のなかで入念にシミュレーションした。



 ……ふう。


 俺が、念入りなシミュレーションを終え、十分満足したところに、

 水着に着替えためぐみちゃんが登場した。



「どう? 丸山。

 この水着、いいでしょ~」


 こ、これは……。

 だいぶ布面積の少ない、ビキニタイプの水着だ!!


 イカン!!!

 俺のリビドーが、とある一点に集中し始めた!!



「あ、ああ……。

 いいとおもうよ……」

 俺は、目をそらしながら、そう答える。



「丸山!

 ちゃんとこっちを見て答えなさいよ!」


 イカン!!!!!!

 俺は、じゃっかん前かがみになりながら、

 一所懸命に素数を数えて、

 そのピンチをギリギリ乗り切った。



「丸山なんかに、かまってる暇はなかったんだった。

 水着審査行ってくる」

「めぐみちゃん、頑張って!」

「頑張れよ~」


 めぐみちゃんは、ヒルダと俺に見送られ、

 会場の方へ行ってしまった。



 俺は、そんなめぐみちゃんの、おしr……じゃなくて、背中を見送るのであった。



ご感想お待ちしております。


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