↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
時空魔法で異世界と地球を行ったり来たり  作者: かつ
アイドルマネージャー編
377/438

367.ノータッチ


「よう、お嬢ちゃん。

 俺たちと、ちょっと付き合えよ」


 俺たち3人は、暴走族ふうの男たちに囲まれてしまっていた。


 ここに誘導していた警備員も仲間なのだろう。

 ずいぶん手の込んだ仕掛けだな。



 めぐみちゃんは、いきなりの状況に怯えている。

 そしてヒルダは、そんなめぐみちゃんを守ろうと警戒している。



 ここは、俺がなんとかしないと。


「す、すいません。

 この子たちは明日も朝から用事がありますので、

 デートのお誘い(・・・・・・・)は、また今度にしてください」


「何がデートのお誘い(・・・・・・・)だ!

 殺されたいのか?」

 暴走族ふうの男たちは『激おこ』である。


「あれれ、違うんですか?

 すみません、

 てっきり、小さな少女が大好きな『ロリコンさん』たちなのかと思っちゃいました」


「ロ……。

 この野郎! 誰がロリコンだ!!

 俺は、ある人に頼まれ……」


 バカな奴だ、口を滑らせやがった。

 台詞の途中で口を噤(つぐ》んだが、確かに『頼まれた』と言いかけていた。



「あんれぇ?

 もしかして、誰かに頼まれて、こんなことをしているんですか?

 誰ですか? そんなことを頼んだロリコン野郎は」


「ち、違う……、頼まれてない!」

「じゃあ、あなたたちがロリコンなんですか?」


「ぐぬぬ……。

 く、くそう!

 そんなのどうでもいいだろう!!」

 暴走族は、顔を真赤にして怒っている。

 怒りで赤いのか、恥ずかしさで赤いのか、

 それとも、その両方かな?


 しかし、ここで引き下がるわけにはいかない。


「いや!

 そこは、どうでもよくないでしょ!

 ロリコンなだけだったら良いですけど、

 あなたたちは、そのロリ(・・)に対して、手を出そうとしてるんですよ?

 『YESロリータNOタッチ』という『ことわざ』を知らないんですか?」


 俺が畳み掛けるように演説をすると、

 暴走族たちは、かなり動揺していた。



「うるせえんだよ!」


 男が、いきなり殴りかかってきた。

 口でかなわないからって、いきなりの暴力は感心しないな。


「おっと」

 俺は、ギリギリでその男の攻撃を避け、

 そのついでに、目立たないように足を引っ掛けてやった。


ステンッ!


 男は、無様《ぶざま》にすっ転び、

 顔面を強打していた。



「だ、大丈夫?」

 ヒルダが心配そうに、すっ転んだ男に近づく。

「ヒルダ! 下がれ!」

 俺のとっさの指示で、ヒルダは素早く距離を取る。


「いたたた……」

 それとほぼ同時に男が顔を上げた。


 危なかった、もう少しで、ヒルダのスカートの中をのぞかれる(・・・・・)ところだった。

 のぞき、絶対ダメ!



「あなた、わざと転んで、女の子のスカートの中をのぞこうとしたでしょう?

 そこまでしてのぞきたいんですか?」

「え? ち、違う! 俺は、そんなこと」

 ヒルダはそれを聞いて、自分のスカートを抑えて男を睨みつけた。


 他の暴走族たちも、転んだ男を軽蔑の目で見ている。


「違う! 俺は……ご、誤解だ!」

 男は、破れかぶれになって、また俺を攻撃してきた。


 懲りない奴だな。



 そいつは、またずっこけてしまった。

 今度は、めぐみちゃんのすぐ近くだ。


「キャー! 変態!!」

 めぐみちゃんは、転んだ男の頭を、

 思いっきり踏んづけた。


「うぐっ」

 男は、めぐみちゃんに踏んづけられて、

 もう一度アスファルトにキスをした。



「うわ……。

 もしかしてあなた、

 女の子に踏んづけられたくて、わざと転んだんですか?」

「ち、違う……」


 起き上がってきた男は、少し悔し涙を浮かべていた。



 ちょっと、やりすぎたかな?

 まあでも、誰かに依頼されて、こんな非道なことをやってくるやつだ。

 これくらいやらないと反省しないだろう。


 それに、

 本格的な戦闘になってしまっては困る。

 戦いになれば、かんたんにやっつけることはできる。

 けど、めぐみちゃんに見られてしまうし、

 怖がらせてしまう可能性もある。



「先輩、こんなことをするために俺たちを集めたんですか?」

 すっ転んだ男のすぐ側《そば》にいた男が、

 蔑《さげす》んだ目で、そんなことを言い出した。


「ち、違う……」


「申し訳ないんですけど、

 俺たちは、このへんで帰らせてもらいます」

「ま、待て!」


 すっ転んだ男を残して、

 他の男たちは、みんな帰ってしまった。


 どうやら他の男たちは、あまり詳しい事は聞かされていなかったようだ。


 そして、一人残される男。

 かわいそうに……。



「くそう! お前だけは、絶対に許さん!」

 男は、破れかぶれになって襲ってきた。


「うわ、ちょっと、止めてください。

 俺は、男同士に興味はないんです」

「違う!!!」


 俺と、その男は、

 激しくもつれ合っていた。


「うわーやめてー、掘られる~!」


 まあ、俺の演技なんだけどね。


 本当は、相手の右手を握りつぶし、

 その上、口を押さえつけて悲鳴をあげないようにしているのだ。


 しかし、めぐみちゃんからは、そうは見えていないだろう。



 男は、手を握りつぶされた痛みで、一所懸命に暴れているけど、

 普通の人が、俺の力にかなうわけがない。



 俺は、男の耳元で、そっと囁く。

「誰に頼まれた?

 言わないと、もっと痛めつけるぞ」


 しかし男は、首を横にふって折れる気配がない。



「そうか、もっと痛い目にあいたいらしいな」

 俺は、男の手をさらに強く握りしめ、

 手の骨を、バキバキに折ってやった。


「どうだ? 言う気になったか?」

 しかし男は、首を横に振る。



 今度は、男の腕を、曲げちゃいけない方向に曲げ、

 ゆっくり力を加えていく。


バキバキ。


 男の腕から、聞こえちゃいけないような音が聞こえてくる。


「どうだ? そろそろ言う気になったか?」



「……」


 あれ? 返事がない。



 見てみると、

 男は、白目をむいて気を失っていた。


 ちょっと、やりすぎたか。

 まあいいや。



 俺は、気を失った男をその場に寝かせ、

 めぐみちゃんのところへ戻った。



「あの男、どうしたの?」

「寝ちゃった。

 どうやら、そうとう酔っ払って(・・・・・)いたみたいだね」

「酔っぱらいだったのね」


「めぐみちゃんも、二十歳になってお酒を飲む時は、

 あんなふうにならないように気をつけようね」

「お酒って、怖いものなのね……」



 酔っぱらいだったということにして、

 気絶した男をその場に放置して、俺たちは帰路についた。



 ちなみに、折れた骨は【回復魔法】で治してあげたので、たぶん大丈夫だろう。

 もちろん、気絶した男に【追跡用ビーコン】を付けるのも忘れていませんよ。


-----


「ところで丸山」

「なんですか?」


「私のどこが『ロリ』なのよ!」


 俺は、めぐみちゃんに足を蹴られてしまった。



「あ、ありがとうございます……」


ご感想お待ちしております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
[一言] セイジはこういう時の対処用にブータンの市場で 一番辛い調味料を買い、ダイソーで売ってる 一番小さい3個¥100のタッパーに 小分けして用意しよう全開の馬鹿女の襲撃に此れ 顔にブッカケテ逃げる…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。