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時空魔法で異世界と地球を行ったり来たり  作者: かつ
空手大会編
372/438

362.干し芋と和菓子

時空魔法で異世界と地球を行ったり来たり①が、発売中です。

よろしくお願いします。



 ドラゴン実験の翌日。


 俺たちは、マトリョーシカ三姉妹のいる病院に、

 お見舞いにきていた。


 警備にあたっていた黒服の人たちも、

 俺たちだと分かると、すんなり通してくれた。



『こんにちは、3人とも体は大丈夫そうですか?』

『あ、あんたは昨日の』

 イリーナが対応してくれた。


 後の二人は、まだベッドに寝ていたので、

 軽く挨拶をしただけだった。



「ハロー」

 アヤは、イリーナに英語で話しかける。


『はろー』

 イリーナも英語で答える。

 でも、それだけだった。


 俺以外はロシア語が話せないことになっているので、

 また俺が通訳をすることになった。



『オリガさんとマーシャさんの体調はどうだい?』

『昨日のおまじない(・・・・・)が効いたのかな。

 もうすっかり元気だよ。

 あとは、いろいろ検査をするんだってさ』

『それはよかった』

 まあ、そうはいっても、

 アレで本当にキズを治したとは思っていないだろうな。


『そっちこそ、キミヨの体調はどうなんだい?』

「私は、もうぜんぜん平気ですよ~」

 と、きみよちゃんが答える。

 もちろん、俺が通訳したんだけどね。


『昨日は、けっこう痛めつけちゃったつもりだったけど、

 そうでもなかったのか……。

 なんか試合中だと、気分がハイになっちゃうんだよね』


 もしかして、

 薬物の影響とかだったりするのかな?


「何か、変なものを飲まされたりしたのか?」

『よくわかんない。

 まあ、アメリカに行ったら、そこら辺もちゃんと調べてもらうよ』


『ん?

 アメリカへ亡命ぼうめいすることに、決まったのか?』

『うん、3人で話し合って、

 そうすることに決めた』


 そうか、アメリカへ亡命するのか。


 ロシアよりは、人権無視の実験をされる可能性は低そうだけど、

 大丈夫かどうかは、定期的に監視しておかないとな。

 うんうん、監視は大事だよね~。



「あのー、みなさん『干し芋』食べます?」

 きみよちゃんが、干し芋をそっと差し出す。


『何だいこれは?』

『日本の伝統的なお菓子で、芋を乾燥させたものだよ』


『芋を乾燥させただけなのに、お菓子なのか?』

 イリーナは、恐る恐る、干し芋を口に運んだ。



『何だこれ!

 芋なのに、甘いぞ!』

『サツマイモという、甘みのある芋を使ってるんだ』


 しかしイリーナは、干し芋がよほど気に入ったのか、

 俺の話を全然聞かずに、ムシャムシャ食べ続けている。



『イリーナ、何を食べてるんだ?』

 オリガさんが、気になってベッドを抜け出して寄ってきた。


『日本の芋のお菓子だって』

 イリーナは、干し芋を頬張りながら答える。


『どれどれ』

 オリガさんも、1つ取って口に運ぶ。

『ほうほう、なかなかイケルじゃないか!』

 オリガさんも気に入ったみたいだ。


『私も食べる~』


 マーシャさんもやってきて、

 3人で、遠慮もなくムシャムシャ。



「私の分がなくなっちゃう……」

 きみよちゃんが、涙目になっていた。



『3人とも、甘いものが好きなのか?』

 あまりの食べっぷりに、思わず聞いてしまった。


『うーん、前はそうでもなかったんだけど、

 本気を出して戦った後は、なぜか甘いものが食べたくなるんだ』

 と、オリガさんが答えてくれた。


 おそらく、甘いものでMPを回復させようと、体が求めているのだろう。



『それじゃあ、これなんかどうだ?』

 俺は、和菓子を出してやった。


『これはなんだい?』

『これも日本の伝統的なお菓子だよ』



 オリガさんが、恐る恐る『まんじゅう』を口にする。


『あまーい!!

 何だこの甘さは!

 でも、美味しい!!!』


 その言葉をキッカケに、

 マトリョーシカ三姉妹の和菓子争奪戦が勃発した。



 君たち……。

 食べ過ぎだ……。


----------


 マトリョーシカ三姉妹のお見舞いを終えた俺たちは、

 日本に帰る前に、おみやげを買いに街に出ていた。


「兄ちゃん、

 おみやげ買うから、お金ちょうだい!」

 アヤときたら、すぐコレだ。


「自分の金を使えよ、

 ちゃんと現地通貨に両替したんだろ?」

「もうぜんぶ使っちゃった。てへ」

 『てへ』じゃないよ!


「エレナちゃんも、ヒルダちゃんも、

 おみやげ買いたいよね?」

「そうですね、商店街のみなさんに何か買っていこうかな」

「私は、めぐみちゃんに何か買っていきます」


 なんと!

 エレナとヒルダは、優しい子だな~。


「よし、二人には(・・・・)、おみやげ代をあげよう。

 いっぱいおみやげを買って、いっぱい配っちゃいなさい」

「セイジ様、ありがとうございます!」

「セイジお兄ちゃん、ありがと~!」


 俺は、エレナとヒルダに1000レアルずつ渡してあげた。



 だが、まだ一人、手を出したままのやつがいた。

 アヤだ。


「私も!」

 『私も』じゃないよ!


 まあ、優勝もしたことだし、

 今回だけ特別ということで、

 アヤにも1000レアルを渡してあげた。


「兄ちゃん、さんきゅ!」

 何が、『さんきゅ』だ!


「あ、兄ちゃん。

 私たち、おみやげ買ってくるから、ここで荷物番してて」

 俺らだけなら、スーツケースをインベントリにしまってしまうところだが、

 きみよちゃんもいるので、そうもいかない。


「あんまり変な所へは行くなよ?」

「分かってるって!」



 女の子たちは、全員でおみやげを買いに行ってしまって、

 俺だけ取り残されてしまった。


 あいつら、変なやつに絡まれたりしなければいいんだけど……。


ご感想お待ちしております。

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