33.区民運動公園
実家からアヤのベッドとお客さん用の布団をもらって来たお陰で、3人共ぐっすり眠ることが出来た
翌朝、朝食を食べたあと、アヤとエレナはアニメDVDを見始めた
「おいおい、昨日3本も見たのにまた見るのか?」
「別にいいじゃん」
いかん、このままでは二人が【引きこもり】になってしまう、何とかせねば
「今日は外に出かけよう」
「外って何処?」
「うーんっと……
【運動公園】に行ってみるか」
「【うんどうこうえん】ですか?
それはどんな所ですか?」
「運動する為の公園だ」
「そのまんまじゃん」
~~~~~~~~~~
俺達はトレーニングウェアを着て、近所の区民運動公園にやって来た
「ここが【うんどうこうえん】ですか、
とってもキレイに整備された公園ですね」
「まあな」
「なんで兄ちゃんが自慢げなの?
それより、運動って何をするの?」
「まずは、ジョギングでもするか」
「はい」「はーい」
「せ、セイジ様、ま、待ってください、はあ、はあ」
エレナが付いて来られなかった
「うーむ、ここまで体力が無いとは……」
「ご、ごめんなさい」
「【回復魔法】で体力を回復したり出来ない?」
「魔法で体力ですか・・やってみます」
しばらくするとエレナの体が光って、何か魔法が発動したみたいだった
エレナを【鑑定】してみると【体力回復】という新しい魔法を覚えていた
やけに簡単に覚えるな、もしかしてエレナって天才なのか?
【体力回復】魔法のお陰でエレナは【飴】を舐めながらであればジョギングに付いて来られるようになったー
のだが
「兄ちゃん、エレナちゃん、ま、待ってよ~」
今度はアヤが付いて来られなくなった
「俺とアヤは【回復魔法】を使えないんだから、自力でなんとかふんばれ!」
「ふんばれないよ~」
一旦休憩にしようか迷っているとー
アヤは急に速度を上げて、俺達に追いつけるようになった
「アヤ、急に早くなったな」
「へへーん、私だってやるときはやるんだよ」
どうも様子がおかしい
「あ、兄ちゃん、私にも【飴】ちょうだい」
「なるほど、何かの魔法を使ったんだな」
【飴】を渡しつつ、急に早くなったアヤを観察してみると、何やら違和感を感じる
そうか!走ってるのに髪が後ろになびかずに、前になびいている
まるで追い風の中を走っているみたいに……
そうか!【追い風】か!
【鑑定】してみると、アヤは【追い風】という新しい魔法を覚えていた。やっぱりそうだったか
その日、その運動公園内を猛スピードでジョギングする怪しい3人組が目撃された
少々やりすぎてしまい、3人共汗だくになってしまった
今は、ちょっとした屋根のあるベンチで休憩中だ
「あー涼しい」
ん?見てみるとアヤの所だけ風が吹いていて涼しそうだ
「アヤ、今度は何の魔法だ?」
「へへーん、【扇風機】魔法だよ
エレナちゃんにも風を送ってあげる」
「ありがとうございます、涼しいです」
「アヤは簡単に新しい魔法を考えだすな」
「すごいっしょー
あ、もう一個考えた魔法があるんだけど試してみてもいい?」
「あんまり目立つのはダメだぞ?」
「大丈夫、目立たないから
兄ちゃん、そっちに立ってて」
「ああ」
俺はアヤから少し離れた位置に構えた
アヤは何やら魔法を発動させた
しかし、何も起こらなかった
「ん?失敗したのか?」
「ううん、多分成功してると思う
兄ちゃん、私に触ってみて」
「触る?まあ、いいけど」
「ちょっと兄ちゃん!何処に触ろうとしてるの!!」
「お前が触ってみれって言うから」
「触るって言っても、そこじゃないでしょ!
兄ちゃんのエッチ!!」
俺は仕方なく、触る場所を変更し、アヤの肩を触った。
バチッ!!
「うわっ!!
な、なんだ!?」
「へへーん、大成功!!」
「今、バチって静電気みたいに……
そうか!静電気か!」
「そう!【静電気】魔法!触られたら自動で反撃するトラップカード的な魔法だよ」
エレナも天才だけど、アヤはアヤで天才なのかもしれいないな
お昼は、俺が作ってきたサンドイッチと唐揚げを食べた
飲み物は、マグカップにミネラルウォーターを注ぎ、【電熱線】魔法でお湯に沸かした後、ティーバッグで紅茶を淹れた
しばらくまったりしていると
俺達のすぐ近くを通りすぎようとしていたおばあちゃんが、急に苦しみだした
「大丈夫ですか?」
エレナが一番に駆けつけて声をかけた
「いたたた、腰痛が……」
「ここですね」
エレナは迷わず腰に手を当てて魔法を使い始めた
「あれ?腰が痛くない」
なんか、直ぐに治ったけど、以前より回復魔法の威力がアップしてないか?
「あら、外人さんだったのね
どうもありがとう
でも、どうやって治してくれたの?」
「えーと、おばあちゃん、さっきのはその子の国の【おまじない】だそうですよ」
「ああ、外国の【おまじない】なのね
ずいぶんとよく効く【おまじない】だこと
ありがとうね」
なんとか、ごまかす事が出来て
おばあちゃんはお礼を言いながら去っていった
俺はその日一日、二人の才能にビックリされっぱなしだった
ご感想お待ちしております




