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時空魔法で異世界と地球を行ったり来たり  作者: かつ
空手大会編
360/438

350.白くて怪しい奴ら

『時空魔法で異世界と地球を行ったり来たり』1巻の発売日が決定しました。

レーベル:モンスター文庫

発売日:2016/10/28

イラスト:DSマイル


 世界空手大会実行委員からの放送のおかげで、

 とりあえず、舞衣さんが19歳であることを、分かってもらえたらしく、

 やっと会場が静かになった。


 そして、その騒動をじっと待っていた舞衣さんの対戦相手が、

 つぶやいた。


『まさか、本当に出場選手だったとは……。

 しかも、そのなり(・・)で、なんで【重量級】なんだ!!』


 舞衣さんの対戦相手は、アマゾネス三姉妹? の長女?

 名前はシャーロットさん。アメリカ代表だそうだ。



「悪いけど、ボクは英語が苦手でね~。何を言っているか分からないよ。

 こんなことだったら、お兄さんに魔石を使わせてもらって英語を習得しておけばよかったな」

『なんだい、英語も話せないのか……。

 これだからジャップは……』

 シャーロットさんは呆れたようなジェスチャーをした。


 どうやらシャーロットさんの中では、

 英語が話せない人(イコール)原始人のように思っているのかも?



 審判の『始め!』の合図で、そんな噛み合わない会話が中断された。


『やれやれ、こんなちびっこ相手にどう戦えばいいっていうんだ』

 試合が開始されたというのに、シャーロットさんはぜんぜんやる気を見せない。

 まあ、分からなくもないけど~。


「まったく、いつもこうだ。

 ボクを子供だと思って、まともに戦おうとしてくれない……」

 舞衣さんもこういう状況は、何度も経験したことがあるみたいだな。



 舞衣さんは、『カモーン』という感じに、

 手でクイクイと挑発するポーズをとった。


『ジャップが!

 調子に乗るな!!!』

 挑発の効果はてきめんだ。


 シャーロットさんは、いきり立って舞衣さんを攻撃した。



 ……。



 シャーロットさんは尻もちをつき、信じられないという顔をして舞衣さんを見つめる。

 舞衣さんは、お辞儀をして定位置まで戻った。


 審判も会場も、何が起こったか理解できず。ポカーンとしたままだ。


 その後、審判が冷静さを取り戻し舞衣さんの勝ちを告げるまでに、数分を要した。


「勝者、河合舞衣選手!」


 舞衣さんは、その宣言を聞いて、

 お辞儀をして、控え室に戻っていった。


 まだ尻もちをついているシャーロットさんが、一人取り残され、

 会場は徐々にざわつき始め、

 最後には、大騒ぎになってしまった。



 舞衣さんの試合は、いつもこんな感じなのかな~?


----------


 続いて二回戦が開始されたが、

 きみよちゃんは、なんとか勝利し、

 アヤと舞衣さんは、危なげなく勝利した。


 アマゾネス三姉妹の残りの二人、中量級のエミリーと、軽量級のアンは、シード選手だったらしく二回戦から登場した。

 ふたりは、危なげなく勝ち進む。



 マトリョーシカ三姉妹も、三人共シード選手だったらしく、

 全員二回戦から登場していた。


 真っ白の肌と、きゃしゃな体つき、

 全然強そうに見えない三人だったが、

 シード選手だけあって、かなり強かった。


 しかし、あの3人……なんか、変なんだよね。


 なんというか……普通の人間とは、ちょっと違う感じがする。


 まあ、でも、アヤや舞衣さんに勝てるほどの強さじゃないから、別に気にしなくてもいいか~。



----------


 そんなことを考えていると、

 地図上に怪しい黄色い点が移動していることに気がついた。


 黄色い点、つまり、『注意』が必要な何か(・・)だ。

 とはいっても、リオに来てから黄色い点は、割とよく見かける。

 治安の悪い国だから、たぶん犯罪者とかなのだろう。

 この試合会場にもちらほらいる。


 しかし、今回気になった、移動している黄色い点は、人間じゃないっぽい。


 前に、ピラミッドの中で、伝染病をもつコウモリが『危険』の反応を示したことがあった。

 もしかしたら、今回もそんな感じの動物かもしれない。


 ちょっと調べてみるか。



「エレナ、ヒルダ、俺はちょっと気になることがあるから調べてくる。

 二人で待っていてくれ」

「「はい」」


 二人を残し、俺は『注意』を示す『何か』を確認するため、席を立った。



----------


 まあ、伝染病のコウモリが『危険』だったから、

 『注意』の今回は、アレよりは危険度が低いはず。



 黄色い点が表示されていた地図上の場所である人気のない通路に到着してみたが……。

 ……何も、いない。


 おかしいな。

 見つかりづらい小さい生き物なのか?



サササッ。


 廊下の壁の隙間から、何か白い物が飛び出し、逃げていこうとしていた。


「待て!」


 俺は、瞬間的にダッシュし、

 その白い何かを手で鷲掴わしづかみにして捕まえた。



 真っ白いネズミだった。


 そいつは、俺の手から逃げ出そうと暴れている。

 どう見ても普通のネズミなんだけどな~。



 念のため【鑑定】してみるか。


┌─<ステータス>─

│種別:ハツカネズミ

│レベル:1

│HP:5

│MP:1

│力:2 耐久:2

│技:3 魔力:1

└─────────


 何だこりゃ!?


 ただのハツカネズミだけど……。

 こいつ、MP(・・)魔力・・を持っている!!



 今まで地球上の生物でMPを持っていたのを確認したことがあるのは、

 舞衣さんと舞衣さんのお母さんだけだ。

 二人は魔族の血を引いているので納得できる。


 あとは、俺やアヤや百合恵さんなど、後から魔法を覚えた者。


 それ以外にMPや魔力を持っている生き物は、見たことがない。



 白いネズミを鷲掴みしたまま、唖然としていると、

 後ろから何者かに声をかけられた。


『おや、ソレを捕まえてくれたのですね。

 助かりました』



 振り返ると、そいつは、

 マトリョーシカ三姉妹を引率していた、白いコートの男だった。


ご感想お待ちしております。

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