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時空魔法で異世界と地球を行ったり来たり  作者: かつ
ブータン編
346/438

336.夕食会


 【瞬間移動】でナンシーママのところへ移動した。


 ママさんたちは、空港近くのホテルにいて、

 誰かと話をしている。


「ただいま戻りました」

「あっ! セイジ!」


 ママさんは、いきなり俺のことをハグしてきた。


「ちょっ、ママさん、やめてくださいよ」

「何言っているの!

 心配したのよ!」

 うーむ、ママさんに悪いことしちゃったな。


「よくぞご無事で」

 リリィさんからは、握手を求められた。


 リリィさんのあんな戦い方を見た後だと、妙に緊張して固くなってしまう。

 べ、別に、固くなっているのはアレではないですよ?


「ところでセイジさん、

 ……私のことを押し倒さなかった?」

「はぁ?」

 やばい、さっき助けたときのことだ。

 気づかれたのか!?


「な、な、何バカなことを言っているんですか。

 そ、そ、そんなこと…あるわけ、ななな、ないじゃないですか」

「そう? あなたと似たような匂いがしたんだけど……」

 あんたは犬か!


「ところで、

 あなたは『忍者』をご存知ですか?」

「え!? に、忍者?」

 まずい、カマをかけてきている。

 うまく誤魔化さなきゃ‥‥。


「え、ええ、知ってますよ」

「本当!?」

「そりゃあ、もちろん。

 漫画とかアニメとかに出てくるやつでしょ?」

「そうではなくて、実在の忍者につてです」

「はあ…… 実在の忍者…ですか……」

 どうしよう、

 どう誤魔化そうかな?


「メジャーリーグの鈴木選手は、忍者らしいですよ」

「え!? マジで!!!」

 横から、ママさんが食いついてきた。


「ジェニファーさん、いまセイジさんと大事な話が……」

「何言っているの! いま鈴木選手の大事な秘密が明らかになったのよ!

 これ以上大事な話がありますか!」

 なんか、相当なファンみたいだな。


 話を逸らすために、それっぽい話をでっち上げておくか。


「鈴木選手のバットの振り方は、忍者の剣術を応用しているらしいです」

「なるほど!!」


「レーザービームのような返球は、手裏剣を投げる技術を使っているとか…」

「そうなのね!!!

 だから、あんなに凄いのね!!!!」

 どうしよう、ものすごい食いつきようだ……。


 それから、ママさんに離してもらえず、

 ずっと忍者話をすることになってしまった。


 まあ、おかげでリリィさんの追及から逃れることができたので、良しとしよう。


 その日は疲れていたので、

 別の部屋を用意してもらって、しっかり休んだ。


----------

 翌日の昼過ぎ、ホテルのボーイさんがやってきた。

 どうやら来客らしい。


 ママさんたちの部屋で、来客を招き入れた。


「失礼いたします」

 やってきたのは、ニマちゃんだった。


「ニマ、村の方は大丈夫だったの?」

「『忍者』を名乗る謎のお方のおかげで、村は救われました」

「え? 忍者!?」

 リリィさんが俺の方をじっと見つめている……。

 俺に惚れちゃったのかな?

 ……とりあえず、目をそらしておこう。


「せっかく皆さんにお越しいただいたのにもかかわらず、

 トラブルに巻き込んでしまって、大変心苦しく思っています。

 つきましては、夕食会にご招待したいのですが、

 いかがですか?」

「お招きありがとう、

 ぜひ行かせてもらうわ」

 ママさんに仕切られてしまった。

 まあいいけどね。



 その日は、一日いそがしかった。

 外交官やら、レポーターやらに、根掘り葉掘りいろいろ聞かれ、適当に答えた。


 特に『忍者』についていろいろ聞かれたが、

 鈴木選手の話でなんとかお茶を濁した。


------------

 やっと質問攻めから開放され、ニマちゃんが用意してくれた夕食会の時間になった。


 ホテルの人に案内されてスイートルームに行くと……、


「ようこそいらっしゃいました」

 ニマちゃんに、日本語でお出迎えされてしまった。


「お招きいただき、ありがとうございます……

 って、あれ?

 ニマちゃん、日本語を話せるんですか!?」

「私は、日本語が少し話せます」

 ニマちゃんは、そういうと、両手を合わせて、ニッコリ微笑んだ。


「あ! びっくりしたせいで、思わず『ちゃん付け』で呼んじゃいました。

 すみませんでした。ニマさん」

「いえ、『ちゃん』でいいですよ」

 そして、また、にっこり微笑む。

 くそう、かわいい……。

 妹をアヤとチェンジして欲しいくらいだ。



「あ、セイジ、こっちよ~」

 奥のテーブルに座っていたママさんが俺を呼ぶ。

 もうちょっと、ニマちゃんと話したかったのに……。


 俺たちは、ママさんとリリィさんの待つテーブルへ移動した。



「この度は、トラブルに巻き込んでしまい、たいへん申し訳なく思っています。

 今夜はブータンの美味しい料理を用意しましたので、楽しんでいってください」


 (から)い! でも、美味い!!

 そんな料理を腹いっぱい食べた。



「この後、お酒もお出ししますが、

 その前に、ビジネスの話をさせてもらってもいいでしょうか?」

 ニマちゃんが、急にそんなことを言い出した。


「ビジネス?」

「実は、【ヌルポ石】の取れる洞窟の辺りの土地は、私の物でして、

 ジュエリーナンシーさんとの取引を行うために設立される会社も、私が社長を務める事になっています」

「貴方が!?」

 ニマちゃんが社長か、若いのに凄いな。



「実は、お渡しするはずだった【ヌルポ石】が、今回の山賊によって奪われてしまいました。

 急いで代わりの【ヌルポ石】を発掘しますので、少しお待ちいただけないでしょうか?」


「困ったわね……。

 秋に新作のジュエリーの発表を予定していたのだけど、

 今すぐに【ヌルポ石】が無いと、予定を変更しなくちゃいけなくなっちゃう……」

「そうなのですか……」

 ニマちゃんとママさんの間に、暗い雰囲気が立ち込める。


 ここは、俺の出番か!


「もしかして、これですか?」

 俺は、カバンから出すふりをして、山賊から奪い返した【ヌルポ石】をテーブルの上に出した。


「セイジ! これ、どうしたの!?」


 適当にごまかしておかないと。


「逃げてくる途中に、落ちてました」

「ほんとなの!?」

 ごまかし方が、ちょっと適当すぎたかな?


「とりあえず、この石はニマちゃんにお返ししますね」

「いいんですか!?」

「もちろん」

「ありがとうございます。

 この御恩はいつかかならず、お返しいたします」

 ニマちゃんにおがまれてしまった。

 ニマちゃんの笑顔……プライスレス!


「それでは、この【ヌルポ石】をお納めください」

 【ヌルポ石】は、ニマちゃんからママさんへ。


「セイジのおかげで助かったわ。

 やはり、連れて来て正解だったわね!」


 そして、ニマちゃんとママさんは、

 ニッコリと微笑みながら握手をかわした。


ご感想お待ちしております。

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― 新着の感想 ―
[一言] セイジとしてはドラゴンマフィアを食い物にして 儲ければ?マフィアの資産が減れば皆の利益だよ? 最後に活動不能になるまで奪えば? どうせバックは共産党の高官だろう? 例えば金塊の入ったバックを…
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