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時空魔法で異世界と地球を行ったり来たり  作者: かつ
風と雷の魔法編
34/438

030.追跡と警戒

 俺は、札幌駅に降り立った。


 ここまで来て気が付いたのだがー

 せっかく札幌まで来たのに、なにもしないで帰るだけなのか?

 ラーメンでも食べて帰るか?


 いやいや、さっき立ち食いそばを食べちゃったし。


 まあ、いいや。またいつでも来られるし。


 俺は【瞬間移動】で帰宅した。



 自宅に帰ると、アヤとエレナは、まだ帰っていなかった。

 半日で札幌まで行って、立ち食いそばを食べて帰ってくるという、強行軍を行った俺は、色々と疲れてしまい、ソファーでウトウトとし始めてしまった。


~~~~~~~~~~




 新宿繁華街の裏路地。

 アヤとエレナは、怪しい3人の男に取り囲まれていた。




「ちょっと、アンタ達、どきなさいよ!」

「俺達は、そこの金髪の彼女と、仲良くなりたいだけなんだよ、お前には用がないから、帰っていいぞ」


 チンピラ風の男は、ニタニタと笑って、アヤとエレナにゆっくり近づいてくる。


「わ、私のことは構いませんから、アヤさんは逃げて」

「ほら、金髪ちゃんは俺達と、いいことしたいって言ってるぞ?」

「そんな訳にはいかないわよ!」


「俺達の言うことが聞けないのなら、お前には痛い目にあって貰う必要がありそうだな」

「な、なによ! 暴力をふるう気!?」


「まあ、こんな裏路地じゃあ、助けを呼んでも、誰にも聞こえないぞ」

「女の子相手に、男3人で寄ってたかって襲うなんて、恥ずかしくないの!」

「うひゃっひゃ、俺達3人に寄ってたかって、恥ずかしい事をされたいのか?」

「お前たちが、恥ずかしくないのかって言ってんのよ! 頭にウジでも湧いてるんじゃないの?」


「言わせておけばこのアマ! って、お前、足がガクガクしてんじゃん。怖くて、ちびっちゃったか? はははっ」


(誰か助けて!)


「もういい、この生意気な女からやっちまおうぜ! 金髪ちゃんは、後でゆっくり可愛がってやるから、そこでゆっくり待ってな。ほら、お前たち、この女を押さえつけろ!」



「ギャー!」


「ん? だれだ? 汚い悲鳴をあげてる奴は?」





「お前たち、俺の妹に何してんだ!!」



「お、お兄ちゃん!」「セイジ様!」

「待たせたな、もう大丈夫だぞ」


~~~~~~~~~~


 ソファーで寝ていると、急に【警戒】魔法が『危険』を知らせてきた。


 どうやら、【追跡】対象者が『危険』に見舞われている場合でも、【警戒】魔法が察知するらしく、俺は、そのおかげで、アヤとエレナのピンチを知ることが出来たのだ。

 俺は、急いで【瞬間移動】で駆けつけた。


~~~~~~~~~~


「痛え! この手を離せ! 腕がちぎれる!!」


 俺が、アヤを捕まえようとしていた男の腕を離すと―

 チンピラ3人組は、警戒して距離を取った。


「誰だてめえ! どっから来やがった!」


 俺は、このスキに自分に【クイック】をかけておいた。


「いきなり現れやがって、勇者気取りかよ。お前一人で、俺達3人に勝てるとでも思ってるのか?」


「お前ら、たった3人で、俺に勝てると思っているのか? グダグダ言ってないで、かかって来いよ」


「野郎! やっちまえ!」


 チンピラ3人は、同時に襲いかかってきた。

 が、【クイック】が掛かっているし、俺のレベルが上がっているせいもあって、攻撃が遅く感じる。

 3人のパンチを、ひょいひょい避けると、チンピラどもは手強いと思ったのか、俺を取り囲むようにフォーメーションを組んできた。

 バカそうに見えて、結構考えて戦ってるな。


 【未来予測】で、後ろから攻撃が来るのを察知して、さっと避けると、足を引っ掛けて転ばし、前方の奴にぶつけてやった。


「ほらほら、さっきの威勢はどうした? 3人がかりで手も足も出ないじゃないか」



「このやろう!」


 何とチンピラ達は、ナイフを取り出して構えた。

 おいおい! ここは日本だぞ、武器を持ちだすとか、こいつらイカれてるな。



 チンピラ達は、3人同時に俺に向かって襲いかかる。


 俺は、正面の男のナイフを、右の男の腕に刺さるように軌道をずらしてやったあと、左からのナイフを避けるために、正面の男の後ろに【瞬間移動】した。


「ギャー! 痛え!!」


 右に居た男は、腕にナイフがささり、痛さにうずくまってしまい、戦線離脱して2対1となった。


 チンピラ達は【瞬間移動】を理解できず、だいぶ警戒して、むやみに襲ってこなくなった。

 にらみ合いが続き、しばらく静寂が続いた。


 さっきオレの正面に居たチンピラのリーダーらしき奴が、もう一人の男に何やら目配せをしている。

 いったい何を企んでいるんだ?



 なんとリーダーらしき奴が、単独で突っ込んできた。

 俺は、ヤツのナイフをかわし続けているとー


 もう一人はアヤの方に駆け寄った。

 ヤバイ、あいつアヤを攻撃するつもりだ。



 俺は、カウンター気味にリーダー男の顔面にパンチを食らわせた後、【瞬間移動】を使い、アヤを襲う男とアヤの間に割り込んだ。

 そいつの突き出すナイフを、アヤに当たらないように軌道をずらしたが、ずらし切れなかったナイフが、俺の頬をかすってしまった。


 俺は、そいつの鳩尾みぞおちにパンチを食らわせつつ、うんと弱い【電撃】を放つ。


「ぎょえっ!」


 そいつは、短い悲鳴を上げて倒れ、動かなくなった。



 顔面パンチから復活したリーダー男は、仲間が倒されたのを知ると、信じられないという顔で俺を見た。


「もうお前だけだぞ、どうした尻尾を巻いて逃げるか?」

「くそー!!」


 リーダー男は、やけくそ気味に突進してきたが―

 【瞬間移動】で後ろに回り込み、首の後をチョップし、弱い【電撃】を当てて意識を刈り取った。



「兄ちゃん!」「セイジ様!」


 チンピラ3人のナイフを取り上げて、インベントリにしまった所で、アヤとエレナに抱きつかれた。


「さあ、家に帰ろう」


 俺は、左右から抱きつくアヤとエレナの頭に軽く手を乗せて、【瞬間移動】を使って帰宅した。


戦闘シーンは難しいですね


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[一言] まあ素人に手を出したチンピラの財布を奪い 中身は慰謝料で貰い財布はドブ川に廃棄だな! ヤクザの兄貴に言っても今のご時世で迂闊に 素人に手を出すチンピラは組みを破門だよ? 21世紀では馬鹿な粗…
[一言] こんな危険な奴らを警察に通報なり引き渡すなりしないなんて馬鹿じゃねぇの?
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