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時空魔法で異世界と地球を行ったり来たり  作者: かつ
悪魔族討伐編
337/438

327.百合恵さんの魔力


 精霊契約祭りを終えた俺たちは、百合恵さんの様子を見にやってきた。

 百合恵さんの家には、付き添いの舞衣さんも来ていた。



「百合恵さん、調子はどうですか?」

「えーっと、なんとなく、力が湧いてくるような感じがします」

「それは良かった」


 百合恵さんは、闇の精霊と一緒にMPを横取りされていた。

 それを取り除いたのだから、MPが徐々に戻ってきているのだろう。



「でも……、昨日見たのって……

 また夢だったのかしら?」


 どうやら闇の祭壇での出来事を、また夢だと思っているみたいだ。

 説明するのは面倒くさいから、そっとしておこう。



「ちょっと待った」

 舞衣さんが『裁判』のように待ったをかける。


「どうかしたんですか?」


「百合恵くんの、まりょ…気の流れがおかしいんだ」


 百合恵さんがいるから『魔力』を『気』と言い換えているのだろう。


「部長は『気』の流れが分かるんですよ~」


 百合恵さんがフォローを入れる。

 どうやら前からその話をしていたのだろう。



「で、どんなふうに変なんですか?」

「うん、前に比べて、臍の下あたりから『気』が湧き出る量が増えているんだけど……

 その『気』が、流れずに留まってしまっているんだ」


 前は、太もものアレが吸い取っていたから、溜らずに済んでいたけど、

 それがなくなって、便秘みたいになっているのかな?



「どうしたら治ります?」


「気の使い方を教えるしかないかも」


 気の使い方……つまり、魔法を教えるということか!?

 大丈夫なんだろうか?


ピコン!


 いいことを思いついた。


「百合恵さん、ちょっと体に触っていいかな?」

「え?」


「兄ちゃん、エッチ!!」

「違うよ、溜まった気を取り除こうとしているんだよ」


「気を取り除く? お兄さんそんなことできるの?」


「まあ、物は試しってことで」


「では、よろしくお願いします」


 そういうと、百合恵さんは服をまくりあげてお腹を見せた。


「ちょっ百合恵さん、服はそのままでいいから!」


「兄ちゃんのエッチ!!」


 今の、俺は悪くないよね? ね?



「それでは、いきます」


 本当は、肩とかでもいいんだけど、せっかくなのでお腹の辺りに手を当てて【魔力強奪】を使ってみた。



「あ、あ、あ……」


 百合恵さんが変な声を上げている。


「百合恵さん、大丈夫ですか? 止めます?」


「い、いえ…… 

 ナニかが、で、出ちゃうような…変な感じで……

 あっ」


 百合恵さんは、ビクンビクンと体をヒクつかせていた。


「兄ちゃんのエッチ!!!」


 俺、悪くないよね?

 なんで俺、アヤにグーで殴られてるのかな?



「百合恵さん大丈夫ですか?」


 ぐったりしてしまっている百合恵さんに声をかける。


「はい……大丈夫れす。

 何だか体の力が抜けひゃって……」


 百合恵さんをお姫様抱っこしてベッドまで運んであげると、そのまま眠ってしまった。



「百合恵くんは寝ちゃったのか。

 今日はボクが泊まっていくよ」


 舞衣さんと百合恵さんは仲良しだな~。



「百合恵さんに魔法のことを教えるかどうか、みんなで話しあおう」


『百合恵さんどうする会議』の開催だ。


「ボクは教えるべきだと思う」

「私も教えた方がいいと思うよ~」


 舞衣さんとアヤは、『教える』に1票か。


「百合恵さんだけ仲間外れは可哀想です。

 教えてあげたほうがいいかも」


 ヒルダも、『教える』に1票か。



「魔石などで無理やり魔法を覚えた人の中には、

 まれに病気になって死んでしまう人がいるそうです。

 百合恵さんがそうでないといいんですけど……」


 エレナのこの情報は聞き捨てならんな。


 おそらく悪魔族が魔石かなにかを使って、百合恵さんに無理やり魔法を覚えさせたのだろう。

 だとすると、命にかかわることもありうるのか。


 しかたない、百合恵さんに魔法を教えるか……。



「舞衣さん、百合恵さんに魔法を教える件、

 舞衣さんに頼んでいいか?」

「ボクが?

 ああ、いいよ」


 二人は仲良しだし、舞衣さんは【魔力感知】の能力も持っている。一番の適任者だろう。


「俺は明日から出張で海外に行くけど、

 もし急な事があったらメールかなにかで知らせてくれ、

 【瞬間移動】ですぐに飛んで来るから」

「分かった」



 後のことは舞衣さんに任せて、俺たちは帰ることにした。


~~~~~~~~~~


「兄ちゃん、腹減った!

 早く夕飯作って~」


 帰ってくるなり、その台詞かよ!


「悪いけど、俺はまだ用事があるから、

 夕飯はみんなで用意してくれ」


「兄ちゃん、まだどこかに行くの?

 女のところ?」


「違うよ! マサムネさんのところへ行くんだよ」

「え? マサムネさんと!?」


『と』ってなんだよ!


「刀を預けに行くんだよ」

「なーんだそうか~、私はてっきり……」


『てっきり』なんだよ!!



 わけの分からんアヤをほっておいて、

 俺はマサムネさんの所へ飛んだ。


~~~~~~~~~~


「マサムネさん、試練クリアしてきましたよ~」

「何じゃと!!!!!」


 マサムネさんは、作業中だったいろんなものをほっぽり出して飛んできた。


「み、見せてみろ」


 いつも冷静なマサムネさんが、冷静さを失っている。


 俺が黒帯刀を取り出すと、

 マサムネさんは、それを奪い取った。


「すごいぞ!

 本当にあの試練をクリアしてしまうとは……」


 マサムネさんは、刀をあちこち見ながら興奮気味だ。



「どうです? 鍛え直しはいつ頃終わりそうですか?」

「10日待ってくれ。

 なんとか10日で完成させてみせる」


 いつも3日くらいで仕上げてしまうマサムネさんが、

 10日もかかるとは……

 今回はかなり凄い作業なのだろう。


「分かりました。

 しかし、くれぐれも無理はしないでくださいね」

「バカを言うでない!

 こんなすごい仕事、めったにないのだぞ!

 こうしちゃおれん、すぐに取り掛かるぞ!!」


 マサムネさんは、刀を持ってダッシュで奥に入っていってしまった。


 大丈夫なんだろうか……。


ご感想お待ちしております。

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