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時空魔法で異世界と地球を行ったり来たり  作者: かつ
悪魔族討伐編
336/438

326.精霊契約祭り2


 闇、風、水と精霊契約に成功した俺たちは、

 続いて、氷と火精霊契約をしようとしていた。



「【氷精霊召喚】!」


 呼びだされた氷精霊は、妖艶な雰囲気のクールな女性だった。

 まあ精霊だから、体の大きさは小さいんだけどね。


「私を呼んだのはあなたですか?」

「そうです、俺が呼び出しました」


 なんだか、こういう大人の女性っぽい雰囲気の人って、苦手なんだよね~。


「私との契約が目的ですか?」

「あ、はい……」


「よろしい、ならば……、

 私を屈服くっぷくさせてみなさい」


 氷精霊が、そう言い終えたとたん!

 俺は、氷漬けにされていた。


「寒い……、動けない……」


 体と氷との間に、じゃっかんの隙間があるため呼吸はできるが……、

 3mほどもある分厚い氷に閉じ込められ、身動きがとれない。

 そして、寒い!


 先ずは、寒さで消耗した体力を【肉体強化魔法】で回復し、

 凍傷になりかけている皮膚を【回復魔法】で治しながら、脱出方法について考えていた。

 土精霊との戦いの時と同じように、どうやら【瞬間移動】での脱出は、封じられているようだ。

 何とか氷を溶かして脱出するしかない。


 とりあえず、色々やってみよう。



 まずは、お得意の【電熱線魔法】を使って氷を溶かそうとしてみたところ、氷と俺との距離が近すぎたため、俺自身が火傷しそうになってしまった。

 これじゃ【火の魔法】もダメか。


「どうだ? 降参するなら出してやるぞ?」


 降参なんかしませんよ~。



 レーザー光線は、どうだろう?

 氷って光を通しちゃうからダメかな?

 まあ、とりあえず、やってみるか。



 光を収束させ、指向性を持たせて、氷に向け照射する。


 目からビームを出そうと思ったけど、目に悪影響がでないか心配だったので、無難に指の先から出すようにした。



 ダメだ。

 やはり、ビームが氷を突き抜けてしまう。



「愚かな……光で我が氷が溶けるものか」


 氷精霊が冷たい目で見ている。

 見とけよ、見とけよ! ギャフンと言わせてやる!



 光の波長を変えてみるか。

 俺は、光をより暖かそうな赤外線の波長に近づけていく。


 波長がある一定の領域に達した時!

 レーザーが氷を透過しなくなり、

 氷が、ついに溶け始めた。


「何だその光は! なぜ光で氷が溶ける!?」


 氷精霊は、俺のぶっといレーザーを見てビビっていた。

 やったぜ!


 俺は、レーザーを駆使して、指先から徐々に氷を溶かしていった。

 先ずは、分厚い氷に穴を開け、解けた水を外に出して、代わりに新鮮な空気を取り入れる。

 これで、解けた水で溺れることも、酸素不足になることもない。


 徐々に氷を溶かしていって、穴を大きくしていく。

 そして、ようやく氷の中から抜け出すことができた。


「やった! 抜けだしたぞ」



「ぐぬぬ。

 我が氷が……光ごときに……はしたなく(・・・・・)溶かされてしまうとは……。

 くっ、くやしいが、私の完敗だ。

 約束通り、私を、どうとでも(・・・・・)するが良い」


 これじゃまるで、無理やりイケないことをしようとしているヘンタイみたいじゃないか。

 ただ精霊契約するだけだよね?


 俺は、悔しそうにしている氷精霊と契約を交わした。


「契約は交わしたが、だからといって私の心まで手に入れたとは思うなよ!」


 思わないよ!

 面倒くさいやつだな……。



 次に、エレナも氷精霊と契約を交わした。

 また戦闘無しで契約だ。

 女性優遇…かと思ったら、魔力の消費が激しくて、契約前の戦闘は1日1回しかできないそうなのだ。

 うーむ、誰か俺の先に戦ってくれないかな?


----------


 次で最後の精霊だ。



「【火精霊召喚】!」


 うってかわって、暑い感じの女の子が出てきた。


「あたしを呼び出したのは、お前か!!!」

「あ、はい」


「声が小さいぞ!!!!」

「は、はい!」

「おーし!」


 こっちはこっちで面倒くさそう……。



「お前、あたしと戦いたいんだろう? そうだろう?

 よし!! 今すぐ戦おう! 今、すぐだ!!!」


 火精霊は、いきなり襲いかかってきた!


 ……って!

 火精霊なのに、何で()で殴りかかってくるの?



 攻撃をさっと避けると、火精霊は急に怒りだした。


「何で避けるんだ!!!」

「え?」


 こいつ何いってるんだ?

 戦いなんだから、攻撃を避けたりもするだろうに。


「もっと正面から、ぶつかってこいよ!!!」


 なんか鬱陶うっとうしいな……。



 しかたがないので、俺は正面からまっすぐ突撃して、普通のパンチを食らわせた。


「うぎゃーーー!!!」


 火精霊は、簡単に吹っ飛び、遠くでボトリと落ちた。

 やべぇよ…やべぇよ…、やり過ぎたか!?



「てめえ、やるじゃないか!!」


 火精霊はムクリと立ち上がり、口元の血を手で(ぬぐ)った。

 あ、大丈夫そうだ。



「一つ聞いていいか?」

「なんだい?」


「お前さん、火精霊なのに、

 何で火の魔法を使わないんだ?」

「あっ!」


 忘れてたのかよ!



「では、仕切りなおして、

 炎の対決、開始!!!」


 火精霊が、そう言い放つと同時に炎で攻撃を仕掛けてきた。



 しかたがないので、

 俺は、水の魔法で対抗した。



「水はダメーーー!!!」


じゅっ!



 水をかけられた火精霊は、その場に倒れて動かなくなった。


「だ、大丈夫か?」


 火精霊だから、水に弱いとは思ってたけど、

 ここまでとは……。



「よよよ……」


 あれ? 火精霊の様子が……。

 火が消えたように、急にしおらしくなったぞ?


「大丈夫か?」


「いきなりぶっかけるなんて、ひどいです。

 グチョ濡れになっちゃいました……」


 おい! 言い回し!


「こんなことをされたからには、仕方ありません。

 契約いたします……」


 火精霊は水をかけられると、弱気になってしまうのかな?


 悲しそうな瞳で上目遣いに見てくる火精霊と、

 やっと契約を交わした。



「兄ちゃん……

 まさに鬼畜の所業だよ!」


 アヤ、どこでそんな言葉を覚えてくるんだ?

 ってか、今までのやり取り見てたよね?



「セイジ様、すごいです!

 きちくのしょぎょう?です!」


 エレナ……

『鬼畜の所業』を褒め言葉だと思ったのかな?

 むやみにアヤのマネをしちゃいけません!



「さあ、最後はヒルダの番だぞ、

 頑張れよ」

「はい!」



 ヒルダは意気揚々と【火精霊召喚】したのだが……


 火精霊は、まだ気を落としたままで、

 見かねたヒルダに慰められていた。



 そのことで二人は仲良くなり、

 そのまま戦わずに精霊契約までしてしまった。


 けっきょく、戦ったの俺だけじゃん!


----------


「さて、日本に帰って、

 百合恵さんの様子でも見に行くか」

「「はーい」」


 俺たちは、無事に『精霊契約祭り』を終え、

 日本に帰還した。


ご感想お待ちしております。

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