317.悪魔族強襲部隊
土曜日、
今日はとうとう『悪魔族の街』に乗り込む日だ。
俺は朝一番に、マサムネさんに預けておいた刀を受け取りに行った。
「来たか、刀は出来ておるぞ」
そういってマサムネさんから受け取った刀は、
黒くて美しい刀だった。
┌─<鑑定>────
│【黒帯刀】
│刀術を認められた証となる刀
│使用者の癖を吸収し、強くなる
│能力:【刃風】の威力上昇、
│ 属性を持つ魔物への攻撃力上昇
│ 込めた魔力を斬れ味に変換
│レア度:★★★★★
│試練:
│ 風の精霊と契約 0/1
│ 水の精霊と契約 0/1
│ 土の精霊と契約 1/1
│ 火の精霊と契約 0/1
└─────────
お、新しい能力が追加されてる。
魔力を斬れ味に変換させるのか、
すっごい斬れそう!
「そして、これでこの刀は完成じゃ、
大事にするんじゃぞ」
マサムネさんは、そう言ってきた。
「え?
まだ試練が続いてますよね?」
精霊と契約、
面倒くさそうだけど、やってやれないことはない。
「お主、刀の試練を鑑定することが出来るのか!?」
「一般の人には無理そうな試練ですけど、
俺なら、たぶんクリア出来ると思いますよ」
俺がそう言うと、マサムネさんの目がキランと光った。
「そうか! クリアできそうなのか!
今まで誰も、これ以上の試練をクリアできてない。
次の段階がどんなものになるか、楽しみじゃわい」
マサムネさんは、そういうと、
「ケタケタ」と大声で笑って、
俺の背中をバンバン叩いてきやがった。
痛いって!
~~~~~~~~~~
俺は、家に戻ってアヤ、エレナ、ヒルダ、舞衣さんを連れて、リルラの所へやって来た。
ちなみに、百合恵さんにはまだ説明をしていなくて、自宅に待機してもらっている。
「セイジ、よく来た。
ついに悪魔族との決戦の時。
ともに、生きて帰ろうぞ!」
リルラは緊張しているのかな?
「ところで、今日一緒にいくメンバーは決まったのか?」
「ええ、
先ずは、ライルゲバルトお父様」
え? アイツも来るの?
足手まといなんですけど……。
「次に、
ロンド・ウォーセスター殿」
黄金鎧のロンドか、
アイツもそんなに強くないよね?
まあ、ライルゲバルトよりはマシだけど。
「次に、
魔族側からブンミー殿」
リルラは魔族側にも話を通してたのか。
まあ、ブンミーさんはそこそこ強いから、
前の2人よりは使えるだろう。
「後は、
ロンド殿のお供として、レイチェル、ミーシャ、
ブンミー殿のお供として、カサンドラ、
以上が今回の参加者だ。」
魔法使い部隊が全員集合か。
「ところで、とうの本人たちはどこにいるんだ?」
「それぞれの街で準備を整えて待機しているが?」
俺が送り迎えするのね……。
まあ、仕方ないけど。
俺は、何往復もして、参加者を全員リルラの屋敷に連れて来た。
「セイジ様、お疲れ様です」
参加者を集めるだけで、すっごい気疲れしてしまったが、エレナが気遣ってくれたおかげで、なんとか気力が回復した。
「おい、セイジ。
ブンミー殿と話がしたいから通訳をしろ」
ライルゲバルトが、偉そうに命令してきた。
「通訳代、1億万ゴールドよこせ!」
「くっ、この金の亡者め!」
バカか、
お前は『億万』なんて単位をしっているのか?
俺が「嫌だ」と言ってることを、こいつは理解できてないらしい。
仕方ないので、俺はブンミーさんに【言語一時習得の魔石+2】を渡して【ドレアドス共通語】を習得してもらった。
「ライルゲバルト、これで話せるだろ。
ブンミーさんとは直接話せ」
「お、おう」
あれ? ライルゲバルトの様子が少し変だ。
ブンミーさんと話をしているのだが、
なぜかおっかなびっくりな様子だ。
ははーん、ライルゲバルトの奴、
魔族のブンミーさんが怖いんだな。
----------
さて、全員がそろって話もできる状態になったので、
作戦会議が始まった。
俺は、悪魔族の街に飛ばしている複数の【追跡用ビーコン】の映像をみんなに見せて、状況を説明した。
「問題は、『収容所』だな、
彼らを人質にとられると手が出せなくなってしまう。
先ずは、そこからなんとかしないと」
「あ!」
ブンミーさんが映像を見ていて、思わず声を上げた。
少人数だが、魔族も奴隷として働かされているのが見えたのだ。
悪魔族がここまで奴隷好きだったとは……。
作戦会議は進み、やっと作戦内容が決定した。
収容所はA,B,Cの3箇所。
Aは一番大きく、魔族も捕まっている場所だ。
B,Cは人族のみ収容されているが、場所が離れている。
先ずは、この3箇所の人質を救出し、
その後、戦いを開始する作戦だ。
「では、
Aはブンミーさん、カサンドラさん、ヒルダの3人
Bはアヤ、Cは舞衣さん。
それぞれ【透明化】で姿を消しながら潜入する。
みなさんいいですね?」
「セイジ殿、アヤさんや、その小さな娘を一人で行かせて大丈夫なのか?」
ロンドが異を唱える。
「ロンド、
アヤや舞衣さんは、お前よりずっと強いぞ?」
まあ、俺が【瞬間移動】で人質を助けだすまで守れればいいだけだし、大丈夫だ。
「では、俺が、
アヤさんの為に『囮役』を買って出よう」
ロンドは、アヤにいいところを見せたくて、変なことを言い出した。
ご感想お待ちしております。




