316.悪魔族の街
とらえた悪魔族をリルラに引き渡し、
アヤたちを自宅に返した後、
俺は一人で『日の出の塔』に来ていた。
来るべき悪魔族との戦いに備えて、【茶帯刀 】を強化させておきたいのだ。
茶帯刀の試練は、あと残り『光属性魔物討伐 0/30』だけだったので、
2時間ほどで、ちゃっちゃとこなし、
ついでにレベルが1つ上がっていた。
~~~~~~~~~~
翌朝、出社前に朝一番でマサムネさんの所に寄って、【茶帯刀】を預けてきた。
出来上がるのは土曜日の朝だそうだ。
白帯刀→茶帯刀ときたから、
きっとあの色だろう。
出来上がりが楽しみだ。
----------
そして、その日の夕方、
【追跡用ビーコン】を付けたまま逃げていた悪魔族のリーダーは、
部下を失い、食料を失い、
一人で森を歩き、
フラフラになっていたが、
山の中腹にある、洞窟へとたどり着き、
その中へと入っていった。
その洞窟を抜けると、急に視界がひらけ、
超巨大なドーム型の空間が広がっていた。
どうやら、山の中がくり抜かれていているみたいだ。
ドーム型の空洞の一番上部分は、外に続く大きな穴が開いていて、そこから光が差し込んでいる。
そして、その空洞全体が、大きな街になっていた。
『悪魔族の街』だ!
こんな場所にあったのか……。
俺は、追跡用ビーコンを飛ばして、街の様子を調べて回る。
街には、たくさんの悪魔族が住んでいて、数は1万くらいはいるかもしれない。
あと気になるのは、街の中の何ヶ所か存在している『収容所』のような施設だ。
その施設の中を調べてみると、
人族の奴隷が多人数収容されて、強制労働をさせられていた。
「人族をさらって奴隷にして、働かせていたのか……」
奴隷にされている人たちは、悪魔族によって理不尽に鞭で叩かれ。
全員、ボロボロの格好をして痩せ細っていた。
「どうしたものか……」
今後のことを話しあうため、
仕事終わりに舞衣さんを自宅に呼んで、
みんなでリルラの所へ飛んだ。
~~~~~~~~~~
「セイジ、とうとう見つけたのか?」
「ああ、悪魔族の街を見つけた」
俺は、みんなに悪魔族の街の映像を見せた。
「けっこう大きな街だな。
悪魔族もいっぱいいる」
「あ! セイジ様、人が働かされてます」
人が、悪魔族に鞭で叩かれ働かされているのをみて、
エレナは悲しそうな表情を浮かべた。
「兄ちゃん、今すぐ助けに行かないの?」
アヤは、少し怒りの表情を浮かべていた。
「アヤ、気持ちは分かるが、
闇雲に突撃しても、奴隷にされている人たちが人質にされたら困るだろ。
ちゃんと計画を立てよう」
「う、うん」
その後、リルラとじっくり話し合い、
土曜日に、少数精鋭で攻撃を仕掛ける事になった。
「3000人くらいだったら兵士を集められるが、
本当にいらないのか?」
「ああ、悪魔族の街は遠い、
俺の【瞬間移動】で運ぶには、ある程度人数を絞った方がいいし、
それに……
足手まといだ。」
「そ、そうか……」
まあ、土曜日の悪魔族襲撃に参加する人選は、リルラに任せておこう。
「兄ちゃん、
私たちは、どんな準備をしておけばいいの?」
「そうだな~
レベル上でもしておくか?」
「ボクも行く!」
レベル上に一番食いついてきたのは、舞衣さんだった。
確かに、舞衣さんはあまり一緒に行動していなかったから、すこしレベル差が出来てしまっていた。
女の子たちだけでレベル上げに行かせるのは少し不安ではあるが、
もしもの時は急いで駆けつければ大丈夫かな?
~~~~~~~~~~
その週は、水木金と3日かけて、
朝、出社前にアヤ、エレナ、ヒルダ、舞衣さんの4人を『日の出の塔』に運んで、
昼の間だけ4人でレベル上げを行い、
夕方に俺が迎えに行くというスケジュールを繰り返した。
金曜日の夜、レベル上げを終えた時点で、
エレナ、レベル50。
アヤ、レベル41。
ヒルダ、レベル47。
舞衣さん、レベル38。
こんな感じでレベルがかなり上り、
あと、アヤの【風の魔法】、
エレナの【棒術】、
舞衣さんの【肉体強化魔法】が、
それぞれレベル5に上がった。
ここまで強くなれば、
悪魔族との戦いなんて、もう何も恐くないな。
俺達は、明日の悪魔族攻略に備えて、ぐっすり眠りについた。
ご感想お待ちしております。




