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時空魔法で異世界と地球を行ったり来たり  作者: かつ
風と雷の魔法編
31/438

027.お隣さん

「これは、お隣の『アジド』さん、どうされました?」


 おじさんは、アジドという名前らしい。


「先ほど旅から戻ったのですが…… お隣から美味しそうな香りがしているもので、何事かと思いまして」


「実は、こちらのセイジさんが、料理を作ってくださいまして、ご馳走して頂いているところなんです」


「どうも、セイジといいます」

「アヤです」

「エレナです」

「初めまして、私はここの隣に住んでいます『アジド』といいます。あれ? エレナさん? どこかで聞いたことがあるような気が……」


 やばい、気づかれたか!?

 なんとかごまかさないと。


「もしよろしければ、アジドさんも【カレー】を食べて行きませんか?」

「この料理は【カレー】と言うんですか? いやはや、ありがとうございます」


「あ、アジドおじさん! おじさんもカレー食べるの?」


 どうやら、このアジドさん、子供たちとも仲がいい人らしい。

 俺は、カレーを皿によそって、アジドさんに渡した。


「これは!? 初めて食べる味ですが、旨いですな!!」


 アジドさんは、遠慮というものを知らないらしく、2回もおかわりをしやがった。


「いや~、方々を旅して回っている私の知らない料理が、まだ存在していたとは、驚きました」

「おじさん、そんなに旅してるの?」


 アヤが、横から話に割り込んできた。


「行商といいますか、このドレアドス王国の8つの街を、ぐるぐると巡って、各地で商売をしているのですよ」


「この国には、8つの街があるんですか?」

「おや、ご存じないですか? この王都の西に【フジャマ山】という大きな山があるのですが、その周りに8つの街が取り囲むようにあるんです。

 【フジャマ山】の東(→)に『王都』、

 北東(↗)に『ニッポの街』、

 北(↑)に『スガの街』、

 北西(↖)に『イケブの街』、

 西(←)に『シンジュの街』、

 南西(↙)に『エビスの街』、

 南(↓)に『シナガの街』、

 南東(↘)に『トキの街』があります」


「神殿のある街は、どこなの?」

「神殿ですか、

 『王都(→)』に【風の神殿】、

 『ニッポの街(↗)』に【肉体強化の神殿】、

 『スガの街(↑)』に【水の神殿】、

 『シンジュの街(←)』に【土の神殿】、

 『エビスの街(↙)』に【回復の神殿】があります」


「つまり~【水の神殿】に行きたかったら、ここから北に向かって『ニッポの街(↗)』、『スガの街(↑)』って回っていけばいいんだね」


「はいそうです。アヤさん達は【水の神殿】に行く予定なのですか? 私は、明後日からその方面の旅に出発する予定ですから、よろしければ同行しますか?」

「兄ちゃんが、時間が無くて、旅はムリだって言うんです」

「そうですか、それは残念です」



ピコン!


 俺は、あることに気が付いて、誰にも気づかれない様に【追跡】の魔法でアジドさんに【ビーコン】を取り付けた。


 しめしめ、これであの問題は解決できる。



 しかし、ここで俺はあることに気がついた。


 今アジドさんに取り付けた【ビーコン】だけではなく

 最初にエレナに取り付けた【ビーコン】、

 二回目に冒険者に取り付けた【ビーコン】、

 3つの【ビーコン】が、地図上で表示されたままになっているのだ。

 いったい【ビーコン】は、いくつまで同時に使えるのだろう?


 試しに、アリアさんに【ビーコン】を取り付けようとするとー


┌─<ビーコン>──

│設置数上限を超えて【ビーコン】を使用しています

│ 削除する【ビーコン】を選択してください

│・ビーコン1:エレナ・ドレアドス

│・ビーコン2:(氏名不明)

│・ビーコン3:アジド

└─────────


 という画面が表示された。

 どうやら【ビーコン】は、3つまで設置可能で、4つ目を設置する時に、どれかを削除しないといけないらしい。


 ビーコン2は、冒険者につけた【ビーコン】だろう。

 名前がわからない人につけると『(氏名不明)』と表示されるのか。


 あと、【ビーコン】の個数はどうやって決まってるのだろうか?

 今後【ビーコン】の個数が、増えたりはしないのかな?


 取り敢えず、俺は冒険者につけた【ビーコン】を削除して、アリアさんの【ビーコン】を追加しておいた。



 そんなことをしていると、カレーパーティーはお開きになった。


 俺達は、子供たちに見送られ、宿屋へと向かった。


 帰り際、アジドさんは旅のお土産をアリアさんに手渡していた。

 カレーよりアリアさんに会う事の方が、目的だったりして。


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